カゼノトオリミチ
もくじ過去未来


2011年04月27日(水) ココロカラン



春はカーテンの
すそ ひるがえし
駆け足ですぎてゆく

目覚め ざわめく
草木のさわぎを
たたえるように
高く広がる 青空

そんなに そんなに
急がなくても いいのに

なのにクルクル
八重桜の花びらたちは

風を合図に
皆で散りゆく

でもね
さみしくないよと
となりのヤマブキが
揺れてささやいた

もう少しで夏が
はじまるのだからね

そういえば出掛けに
百合の茎が
ぐんと 伸びていた

校舎のむこうで
チラチラと 風におよぐ
こいのぼり

でもなんでだろ
やっぱり
やっぱり さみしいよ

春が行くときは
ココロがカランと
音をたてるようだよ









2011年04月11日(月) さくらのそら




ひとひら はなびらが
まどから風にのり

あなたのまくらもとに
はらり

行く春
旅立つ春

そして
あなたの春は たぶん

きっと

より美しい未来へと
身体を脱ぎ去り

のぼってゆく

そんな 旅の途中

はな曇りの空は
そこからは 見えないの

でも
まぶたの裏にきっと

いくまんの花びらが
青い空に
散ってるのかな

はらはらと ふりそそぐ
限りない 
愛と安堵に 

今だけは包まれて
眠って
ゆっくりと

今だけは











2011年04月07日(木) さくらちるころ




さくら はらはらと

まぶたのうらに

散っているのかしら

今日はもう

さくら 散るころ

午後五時の駐車場は

まだ美しく輝いて

ゆれる黄緑のやなぎ

ゆれるうすもものさくら

あなたにも 見えていますか

震えるまぶたのうらで

はだしで走るゆめ

みているのかな

ずっと 幼い日へと

やがて空に 鯉のぼり踊る

懐かしい春の日へと

走ってゆくんだね

キラキラと跳ねるように

若い髪をなびかせて







natu