カゼノトオリミチ
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2010年04月29日(木) みどりの風




いま
ワタシが待っているのは

あんなに面倒だった
太陽の光

雨の日
気づけば雲の隙間を
探してる

庭の左はしから
右はしへと
吹き抜ける
キラキラ輝くみどりの風を
待っている

みどりの雨が
みどりのイノチの背を伸ばす

やがて
優しいみどりの風が
ワタシを包んで
撫でてゆく

みどりの風に
ワタシの輪郭がとけてゆく

初夏にとけてゆく






2010年04月19日(月) 針仕事




誰も知らない
街角で
タマゴのかたちの
チョコレート
ヒヨコのカード
眺めてた

ガラス越し
午後の光に
ホコリの粒が
キラキラしてた

ハコの中で
遠く近く
キオクは揺れて
ひとつの糸になる

砂浜の強い風
光る髪
空に泳ぐカイト

太陽はまだ
窓辺に高く

繰り返す手仕事は
いつか
ココロのリズムに
寄り添って

細い針は

ハコから溢れる
キオクを拾う

いつかの春へは
戻れないのに
キオクの糸は
どこまで続くのだろ

サワサワ
午後の風が

遠いキオク
呼び覚ます

ワタシという
ハコの中の
思い出玉が

いっぺんに揺れる

目を閉じて
乾いた音に
耳を澄ましてる





2010年04月02日(金)




世の中というくくりは
あるようで
手を伸ばせば なにもない

縛られている縄は
いったい何で 出来ているの

シアワセと 思える自分が
幸せなら

手のひらの中の
水溜まりさえ
キラキラ 輝いて見える

世に流れるコトバは
すぐに ウソに変わるのに

気まぐれテレビに
朝から 耳をかたむける

自分のココロは
こんなに不安定だけど

さ迷う小舟は それなりに
たどり着くどこかを 探してる

答えは人の
数だけあるから

色とりどりのチイサナ玉を
えらんで
拾うのは ワタシの手

中学校の帰り道

3月の強い南風に
吹かれてた
川べりの 柳のよう

何も語らずただ 静かに
揺れていたい

いくつか 拾った
手の中のガラス玉

晴れた日は
青空にかざすと
キラキラ 輝いて見える



natu