My life as a cat DiaryINDEX|past|will
アフター5を黙々とバドミントンと水泳に費やしている。運動神経も悪いほうだし、スポーツマン精神も持ち合わせていない、思考回路が体育会系の男ほど色気のないものはないと思っていたのに、今のわたしはこの働いて、運動をして、もりもりと食べたら疲れて寝るだけという暮らしにどんなに精神を救われているか。女の子3人で会社のバドミントンクラブにも入会した。おじさんしかいなくて、太い男の呻き声が鈍く響くだけのコートにきゃっきゃっと甘い声が飛び交うようになり、活気帯びたと大歓迎された。プライベートでもコートをとってインディアン・ガイをコーチに練習している。
雲行きの怪しい空気の重い朝、同僚が衰弱しきった小雀を手のひらに乗せて通勤してきた。触れてみると体が冷たくて硬い。蟻もたくさんたかっている。ぎゅっと目を閉じてどんどんと体温が落ちて命が尽きるのを待つばかりのように見えた。同僚が丁寧に蟻を取りのぞいた。冬の間に膝の上に置いていた小さな湯たんぽにお湯を入れて、その上に小雀を置き、膝掛けでくるんで書棚にそっと入れておいた。ネットでどうしたら助かるものかと調べてあぁだこうだと得体の知れない情報が飛び交うが名案もなく、ただただたまに覗いてはまだ息があることを確認する。しかし、みんながちょこちょこ見に来るので気が休まなかったのか、遠のく意識を取り戻すのに役立ったものか、1時間もすると目を開いた。1時間半後鳴き始める。わたしが齧っていた杏子やら同僚がつまんでいたピーナッツを水でふやかして口に入れてみた。みるみる回復してお昼前には小雀の鳴き声がやまなくなった。夕方になると立ってよちよちと歩くようになった。しかし足と羽に傷を負っているのでまだ飛べそうにない。定時のチャイムが鳴る頃、すっかりオフィスのペットのようになった小雀は同僚の手のひらに乗って嬉々と歌っていた。今日は連れてきた張本人と車に乗って帰っていった。明日また一緒に通勤してきてオフィスに癒しの歌を流し続けてくれるのか。忙しく働く大人達が一羽の鳥のレスキューに一丸となり、その回復にやんわりと心をあたためた出来事だった。
海外の難民キャンプに日本の絵本を送るボランティア・プログラムに参加。翻訳が印刷されたスティッカーを貼っていくだけの簡単な作業だけれど、自身が何よりも絵本を楽しみ、子供の喜ぶ顔を思い浮かべては嬉しくなる、気持ちの良い活動だった。あの人気の「ぐりとぐら」もあった。ゆったりとした時間の流れる森に住むリスのぐりとぐらのひたすら真剣な食道楽の愛らしいおはなし。子供の視界はやっぱりこうでなくちゃ。いつか内戦吹き荒れる地に生まれた子供達の絵が血の色に染まっているのを見て意気消沈したことを思い出しながらそう思った。
恒例となりつつある、週末のバドミントン。体を動かすアクティビティはできるだけ積極的に参加しているわたしだが、今回はその後焼肉を食べに行くということでパス。コートの場所が辺鄙なところにあってみんなで車で行くのでバドミントンだけやって帰ることができないのだ。仲良しの同僚達がみんなであれこれあれこれ楽しそうに計画を練っている。少し寂しいけれど、こんなことはもう慣れっこだ。それでもわたしはお肉を見るのは嫌だし、食べたくもないのだから。
Michelina
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