My life as a cat
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2009年06月26日(金) 合コンの手ほどき

アフター5を黙々とバドミントンと水泳に費やしている。運動神経も悪いほうだし、スポーツマン精神も持ち合わせていない、思考回路が体育会系の男ほど色気のないものはないと思っていたのに、今のわたしはこの働いて、運動をして、もりもりと食べたら疲れて寝るだけという暮らしにどんなに精神を救われているか。女の子3人で会社のバドミントンクラブにも入会した。おじさんしかいなくて、太い男の呻き声が鈍く響くだけのコートにきゃっきゃっと甘い声が飛び交うようになり、活気帯びたと大歓迎された。プライベートでもコートをとってインディアン・ガイをコーチに練習している。

わたしは金曜の夕方も硬派に練習に励む。が、若いフェローは合コンに忙しい。"合コン"という言葉を覚えたインディアン・ガイは俺を合コンに連れて行けと遊び人のフェローに迫り、セッティングをしてもらってきたのはいいが、基本的に趣旨が解っていないので、親切にわたしも誘ってくれた。女の子達は面白がって、いい加減なレッスンを与えている。

"まず会計は全部男性が持ちましょう。"

"いいよ〜、任せて!"

"プレゼントも用意したほうがいいでしょう。そうね、今ならi-phoneあたりが喜ばれる適切なものでしょう。"

"え〜 too costly."

"女の子のグラスは常に気にしてください。なくなりそうになったら次は何を飲むのかと聞いて店員を呼びましょう。"

"はいっ!"

まじめに練習していた彼が最後にひとこと。

"ところで、相手の女の子達は英語ができないそうです。どうやってコミュニケーションをとったらいいですか?"

、、、、、、、。

たのしい週末を!


2009年06月18日(木) 小雀の歌

雲行きの怪しい空気の重い朝、同僚が衰弱しきった小雀を手のひらに乗せて通勤してきた。触れてみると体が冷たくて硬い。蟻もたくさんたかっている。ぎゅっと目を閉じてどんどんと体温が落ちて命が尽きるのを待つばかりのように見えた。同僚が丁寧に蟻を取りのぞいた。冬の間に膝の上に置いていた小さな湯たんぽにお湯を入れて、その上に小雀を置き、膝掛けでくるんで書棚にそっと入れておいた。ネットでどうしたら助かるものかと調べてあぁだこうだと得体の知れない情報が飛び交うが名案もなく、ただただたまに覗いてはまだ息があることを確認する。しかし、みんながちょこちょこ見に来るので気が休まなかったのか、遠のく意識を取り戻すのに役立ったものか、1時間もすると目を開いた。1時間半後鳴き始める。わたしが齧っていた杏子やら同僚がつまんでいたピーナッツを水でふやかして口に入れてみた。みるみる回復してお昼前には小雀の鳴き声がやまなくなった。夕方になると立ってよちよちと歩くようになった。しかし足と羽に傷を負っているのでまだ飛べそうにない。定時のチャイムが鳴る頃、すっかりオフィスのペットのようになった小雀は同僚の手のひらに乗って嬉々と歌っていた。今日は連れてきた張本人と車に乗って帰っていった。明日また一緒に通勤してきてオフィスに癒しの歌を流し続けてくれるのか。忙しく働く大人達が一羽の鳥のレスキューに一丸となり、その回復にやんわりと心をあたためた出来事だった。


2009年06月08日(月) ぐりとぐら

海外の難民キャンプに日本の絵本を送るボランティア・プログラムに参加。翻訳が印刷されたスティッカーを貼っていくだけの簡単な作業だけれど、自身が何よりも絵本を楽しみ、子供の喜ぶ顔を思い浮かべては嬉しくなる、気持ちの良い活動だった。あの人気の「ぐりとぐら」もあった。ゆったりとした時間の流れる森に住むリスのぐりとぐらのひたすら真剣な食道楽の愛らしいおはなし。子供の視界はやっぱりこうでなくちゃ。いつか内戦吹き荒れる地に生まれた子供達の絵が血の色に染まっているのを見て意気消沈したことを思い出しながらそう思った。

書庫で探し物をしていると、よく掃除のおばちゃん達の休憩室から世間話が聞こえてくる。どうして"掃除のおばちゃん"は揃いも揃って小柄でパンチパーマに近い髪型なのか。ここの人々に限っては体力を持て余したようにとても口が乱暴。ともあれ、今日はひとりが、

「60歳を過ぎたら市から健康状態や仕事の有無についての調査が送られてきた。」

と言い、それに応じて病院や仕事を世話してくれるのだと迷惑そうに話していた。もう一人が威勢よく、

「そんなの健康で仕事があるから余計なお世話だって書いて送り返してやんなよ。」

と言い飛ばす。人生を諦めた五体満足な若者があっさりとホームレスになって社会が悪い、会社が悪いと責任転換するこのご時世、病気も逃げてくような彼女達の不死身さが妙に爽快でひとり書庫でこっそり笑った。


2009年06月05日(金) Thank you, thank you, you make my day

恒例となりつつある、週末のバドミントン。体を動かすアクティビティはできるだけ積極的に参加しているわたしだが、今回はその後焼肉を食べに行くということでパス。コートの場所が辺鄙なところにあってみんなで車で行くのでバドミントンだけやって帰ることができないのだ。仲良しの同僚達がみんなであれこれあれこれ楽しそうに計画を練っている。少し寂しいけれど、こんなことはもう慣れっこだ。それでもわたしはお肉を見るのは嫌だし、食べたくもないのだから。

ランチタイム、いつも何も知らず、ひっぱって行かれるだけのインディアン・ガイが心配そうに聞く。どうして今日は行かないのか。自分が傷つけたからだとでも思ったのだろうか。あっさり、焼肉だからだと答え、あなたはインド人のくせにビーフを食べるのかと聞き返した。Yakinikuを知らなかったようだが、さすがにビーフは食べないらしい。動物が好きだから食べるのは嫌などと言うと、幼稚な女だと見下すような人もいる。しかし、やはり彼はインド人だからか、あっさりとこの感情を理解して、それから目を輝かせて、わたしの家の動物の話に耳を傾ける。

「次回はまたサイゼリヤにいこうね。」
なんてかわいらしいことを言ってくれた。


Michelina |MAIL