今日のブルー
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2020年09月30日(水) 犬を描く、と心のこと リュウくん絵


こんにちは。新型コロナ禍は続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は体の光線過敏も発疹も秋と共に落ち着きつつあります。
ただ、うつ症状は半年経過後も、もうずっと付き合わなければならなそうです。
騒音をお互い様だと3年以上我慢しました。
辛い、と感じたら辛さの基準など考えずすぐに精神科で相談すれば良かったと後悔しています。
自分が辛ければ誰がどう思おうと辛いものは辛いのです。
精神科で相談する事は誰にも迷惑はかけません。(それで離れるような人間関係であれば続けると悪化するだけ)

お薬を専門家の指導に従って飲めば楽になります。例えば睡眠障害ならその人に合った処方箋が出ます。
眠る事で脳は休まり、そのまま我慢するより遥かに楽になれます。
私は最悪の頃3ヶ月で10キロ近く痩せて、もう毎日消えたいと泣いてました。

精神科と言うと抵抗はあるかと思いますが、私は他の科に通っていてストレスで眠れない、と訴え続け、
漢方など出して頂きましたが、ある日はっきり「精神科へ行きなさい。専門家の指導で正しくお薬を貰いなさい」
と言われました。自粛生活が始まり、自宅の騒音から逃げ場がなくなり追い詰められていました。
メンタルとか柔らかい言葉で無くはっきり精神科、と言われたのは、ショックではありましたが
その先生は長い間お世話になっていて信頼できる方だったので思い切って行きました。
家族もそれで楽になるなら、と行くことに反対しないでくれました。



結果、行った病院はとても穏やかでおしゃれなくらいで、他の患者さんと会うことも少なく、先生も淡々ながら
話を聞いてくださりお薬を出して頂きました。

計算外だったのはとんでもない猛暑で、たまたま喉の腫れで耳鼻咽喉科に行き、抗生剤を飲んで副作用が出た事。
私は治療の薬が複数あったので普通に体が弱っていた所に命の危険を伴う猛暑で、想定外の副作用が出てしまいました。
各科の先生に相談し、その後の予後は良く、投薬を続けたまま体力と気力の回復に励んでいます。




一番辛かったのは自分の子供の頃からの好きな事が全くできなくなった事でした。
絵を描く事、特に生き物。
毎日のように絵は描いていたのが令和直後あたりから描けなくなっていきました。
描く楽しさを見失ってただ毎日、時間がある時は耳を塞ぎひたすら眠り
外に出る事はおろか、光線過敏反応で窓という窓を塞ぎ、窓からツバメやスズメすら見る事が出来なかった。
映画や音楽、本すら手に取れず。映画館も閉まっていたので見かねて家族が好きな映画に連れ出す事も不可能な時期も。
それでもポツポツ再開が始まり、大好きなグレイテスト・ショーマンを
家族は嫌がりもせず3週連続で週末いろんな映画館で観せてくれ(それ以前も劇場で何度も観ています)
お薬もかなり効いて心は穏やかになっていきました。





あとはまだ絵を描く気力が戻らない事に悩んでいました。
それで思い切って人様のペットを描く事にして、モデルに提供くださる方を募集しました。
リハビリ絵なので無償(こちらの治療も兼ねていたしペット絵で生計を立てている方の迷惑になるので基本的に無償で描くのは習作に限らせて頂いて滅多にやっていません)

描き方もソフトの使い方も忘れ、まともな絵に仕上がる自信もなく、時間も数ヶ月かなとそれでも良いなら、と。
幸い数人の方々が大切にしておられる生き物で応じてくださいました。
どの子も美しく、愛らしく、可愛がられている良い画像ばかりで心苦しく悩みましたが、
結果的に私の昔の愛犬と骨格や表情が似たボーダーコリーのリュウくんを選ばせて頂きました。


私の犬は、雑種でかなり違うので長毛の犬は描いた事がありませんでした。そもそも鳥に特化しつつあったので。
オオカミ絵で犬の筋肉や毛の流れは昔描いて、手が覚えているのでいざ始めると楽しくて手が進みました。
あまりにも楽しいのでソフトの特性や手順をすっ飛ばし、描く事しか頭にありませんでした。
元々はアナログ絵描きから始めたので。
最初は好きな画家のエドワード・リア(グールドの鳥類図譜で博物画を手掛けている方です)を参考にしていましたが、途中から自由に手が進みどうリュウくんを表現したら良いだろうと、ワクワクしながら進みました。


結果大体ひと月で仕上がりました。
本当はソフトのレイヤー数の計算に失敗してこれ以上進められなくなったのもありましたが、私には犬は目が一番重要だと思っているので満足でした。
体力も限界(老眼で眼鏡が鼻に当たって痛い)だったので完成とさせて頂きました。
使ったソフトはプロクリエイトでiPad ProとApple Pencilのみです。
次はAdobefrescoやPhotoshopの使い方を勉強していろんな生き物を描いていきたいです。


悲しい絵は描きません。
ペットが不幸にもおもちゃ扱いされているならせめて、そうでない幸せな生涯の嬉しそうな一瞬を描き留めたい。
野鳥や野生の生き物が短く刹那的な生涯であるなら、せめてその中で生命が一番輝いている瞬間を描き留めたい。

難しい課題ですがそのためにたくさん描いて見て学ぶ時間が欲しいと思えます。
真っ暗な穴の中でいじけていた情け無い自分を、
リュウくんや描く生き物達が出口はこっちだよ、と教えてくれそうな気がしています。


生命の輝きを、自分の絵が表現できるかという自分との嬉しい戦いに、うつもそのうち吹き飛ばされ、
なくならずとも悪さはしなくなるかもしれない。
そう思ってとても嬉しくリュウくんは完成しました。

リュウくん、ありがとう。
そしてリュウくんを愛し、老いて最期まで大切にお世話され見送られた飼い主様にいつまでも
リュウくんの優しい眼差しが向けられていることを信じております。

モデルにご提供くださり本当にありがとうございました。










一日も早く、新しい生活習慣なり、楽しむ事がある日常と皆様の健康を願いつつ

嶋野千恵


                                   


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