FELINO rin |
□□>>days list>>new day□□ |
涙 |
同じ時間を過ごし始めて、3日。 ともは毎晩、私の部屋に帰ってきていた。 朝5時半〜夜6時が勤務の私は、22時頃にはうとうと… 夢と現実のまどろみの中でともを待つ。 22時過ぎ、leccaのTSUBOMIが鳴りひびく。 「おぅ」 「おつかれさま」 「寝てたか?」 「ん、うたた寝してた」 「そうか、今日は家に帰るわ」 「…そか」 「ゆっくりな、おやすみ」 「おやすみ…」 通話を切ったあと唐突に、くるしくなった。 強烈なさみしさが襲った。 涙が、とまらなくなった。 私は、四六時中べったりが苦手だ。 彼氏と半同棲したい、とか思ったことはない。 むしろ週に1度会うくらいがちょうどいい。 ずっとそう思っていたし。実際それが心地よかった。 はずだった。 頭で思う自分の姿と、涙がとまらない自分の姿。 このギャップに戸惑った。おどろいた。 頭ではなく、心が求めてた。 「会いたい」 4日目の夜、泣き疲れた私は安心して眠りに落ちた。 ともの腕の中で。 |
2011年08月29日(月)□ |
呼 |
「ともさん」 「さん、いらないよ」 「ん?」 「ともでいい」 どきっとしたじゃないか。 割り切った関係、なんてつもりはなかった。 私も、ともも、同じものを抱えてた。 長い間、あたり前にあったものをなくした、痛み。 痛みを癒す、リハビリ。 ともと同じ時間を過ごすほどに 疲れ果てた心が、少しずつほぐれていくのがわかった。 同時に、心のどこかに他の誰にも触れられたくない とも専用の場所ができ始めていたことも。 |
2011年08月28日(日)□ |
歌 |
ともさんの車で流れた曲をふたり同時に口ずさむ。 「歌、好きやろ」 「うん」 「やっぱり」 「ともさんも好きでしょ?」 「うん、今度カラオケいくか 笑」 「いこー♪」 「次、いつ休み?」 「明後日」 ともさん、突然笑い出す。 なぜ、笑う…(・ω・) 「いや、いっしょやったから…笑」 そんな些細な「偶然」がつづく。 ふたりでフリータイム。 たくさん歌った。好きな歌をたくさん。 風味堂の"愛してる"を聞いて涙ぐんだ目… 私は見ないフリをした。 |
2011年08月27日(土)□ |
歩 |
私にとって結婚とはなにか。 割り切って考えていたわけではない。 自分の意志で決めたはずだった。 でも、一つのことに捕われていたと気づいた。 両親や祖父母がよろこぶ、結婚。 それが基準だった。 突然決めて、全てを一気に動かして、周りを巻き込んで… 結局、すべてを白紙に、、 本当に身勝手で、最低なことだ。 でも、自分に嘘をつけないとこまできてしまっていた。 私は彼を裏切った。 どれだけ謝っても許されることじゃない。 その事実は決して消えない。 それでも、前を向くことを許してくれた。 彼は最後まで私のことを責めなかった。 立ち止まっていた私の背中を押してくれた。 そして、最後に伝えてくれた。 「俺も絶対しあわせになるから。 お前もしあわせにならんかったら、許さない」 |
2011年08月26日(金)□ |
忘 |
「忘れられないやつ、っている?」 そう聞かれたのは、 私がみつにさよならした一週間後のこと。 タイミングが良すぎる。。 聞いた張本人、ともさんは職場のメンバーだった。 その日のともさんは 5年つきあった彼女から突然「別れたい」とメールが届き、 ひと目で「なにかあった?」と私に言わせるほど動揺していた。 仕事が終わってから、私とともさんはカフェにいた。 ぽつぽつとお互いの恋愛遍歴を話しながら 他愛ない話をして数時間… 「そろそろ送ってくわ」 「大丈夫なん?」 「そんなん言われたら連れ回してしまう」 「いいよ、連れ回して 笑」 別れ話のために彼女を待っている間、 私とともさんは不思議なほど自然にいっしょにいた。 次の日、職場で会ったともさんは 少し充血した目で「おはよう」と笑った。 |
2011年08月25日(木)□ |
再 |
また、ここで。 かくこと、ことばにすることは 私にとって大事なことだ、と かくことから1年近く離れて気づいた。 web日記を1つ、SNSを3つ、ブログを1つ、ツイッターを1つ 6つのコミュニティを使い分けていた私が その全てから遠のいた理由はひとつ。 自分に背を向けていたから。 大学時代に追いかけていた政のことも、 社会人になって4年つかず離れずだったみつのことも エンピツやmixiで日記を綴っていたときは 自分とたくさん向き合っていた。 私は去年9月に婚約して、 今年12月に嫁ぐことが決まっていた。 でも、半年足らずで全てを白紙に戻した。 いや、半年足らず…ではなく 半年もかかった…という方が正しいのかもしれない。 4年間ずっと傍にいたみつと離れることを決めた去年の8月。 みつといっしょになれないのであれば、 私は地元に戻って結婚しよう、と。 そして、元彼である幼なじみと婚約したのだ。 地元に帰るために転勤願いを出し、 1年後の式場を予約し、ドレスを決めて、、 全てが着々と進んでいた、はずだった。 けれど、婚約を決めた直後、私の心だけが歩みを止めた。 「忘れられないやつ、っている?」 そう聞いた横顔から、私は目が離せなくなった。 |
2011年08月24日(水)□ |
Design by shie*DeliEro thanks for Material→ねじ式 |