誰にもいわない秘密
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Gさんが私に手を出そうとしたのはアリだとおもう。 遊びと割り切ってるんだろうからね。
けど、私の友達のAちゃんにまで誘いをかけていると知って ほんとにあきれた。
十代のやりたい盛りの男ならともかく、30超えてそんなことする?? 下半身中心でしか物事を考えられないのかな。
Gさんにも「あっちこっちフラフラすんのやめてね」ってメールしたしもう二度と私から連絡を取ることはないと思う。
ばっかみたい
普通に友達に送る内容のメールだとうんともすんとも返事が来ないのはどういうわけ?
セックスできそうにない女には もしできてもその後が面倒そうな女には
普通のやり取りも惜しむの?
ひどい話。
ものすごくお腹がすいているときにとびきりの御馳走を出されても、味わうより満たすことに専念してしまうから。 空腹すぎるから、目の前の御馳走の味やにおいだけでよだれをたらしてしまうんだから。 軽く何かお腹に入れておけばいいんじゃない。 そのあとの御馳走の味を損なわないものを。
ようするに
病気持ってなくて身元はしっかりしてて、セックスが上手で私のことを気に入ってくれる私がしたいと思える人。
何処にでもいそうなんだけど、出会えるかが問題よね。
自分を磨いて チャンスを待つしかないかなあ。
「この人を失いたくない」と思ってしまうかもしれないという予感があるから うかつに寝ることは出来ない。
今日は「この先も笑って会えるように、一度この前の気持ちをリセットしたいから会って」とお願いして、2時間弱ほど一緒に飲んだ。 Gさんを待ちながら自分の体が変に汗ばんでくるのが分かる。 どんどん指先が冷たくなっていく。
ちょっと遊ぼうと思った女が以外にシリアスで関わりたくないって思ってるんじゃないかな とか 私なにやってんだろ わざわざこんなとこまできて とか 自分の中でぐるぐる気持ちが渦巻いて 頭もボーっとしていた
電話が鳴る ついたんだ
並んで歩きながらドキドキが止まらない
嫌われても好かれても関係ない と思っている人にはテンションあげて接することができるが、嫌われたくないが勝ってしまうとダメだ。 10代の小娘のようになってしまう。
「時間作ってもらってありがとう。予定があったのにごめんね?」 「大丈夫だよ なんか早く会ったほうがよさそうだったから。」
向かい合って座る。 Gさんの香水のにおいがふわっとする。
「香水つけてるよね」 「わかる?そんなたくさんはつけてないけど。」 オスっぽいにおい。 Gさんに似合ってると思う。 そのにおいにまたくらっとする。
夫を含めて今まで付き合ってきた男はほとんど皆なにもつけないか、つけても軽いものばかり。 私が好きなのはこういう男っぽいにおい。 正直にいうと向かい合って話しているだけで、濡れてた。
寝ることができない上に、なぜわざわざ今日こうやってリセットするために会う必要があるのかを話していたら
「真面目なんだね」 と。
「真面目なんじゃなくってビビリなの。嘘をつくのも苦手だし。」 「そう?この間はなしたときは嘘もつけるって言ってたじゃん。」 「そういう風にいう事は出来るってだけで。嘘をつくのって大変だから・・・。」
私が嘘をついて時間を捻出するに値すると思える人だったら どんな嘘もつく。 というのは黙っておいた。
「ずるい言い方だからさ、俺は独身で今彼女もいないわけで。だったらいいなと思う人にはいくよ。それだけのことなんだよ。」
そうだよね あなたにとってはね。 だってあなたは誰にも嘘をついたりしないでもいい状況なわけでしょ? でも私は違う。
というか、どうして私は今まで簡単に寝ることが出来たんだろう。 好きでもなんでもない、ただ誘われていやじゃなかったというだけで。 夫と穏やかな生活をすごしているのに夫を愛しているのに失いたくないのに、簡単にベッドにいった。
たぶん、続ける気がまったくなくて、一晩だけのことだと割り切れていたからだ。
私はGさんと寝た後のことが容易に想像がつく。
寝てしまったら きっと私の中の女はGさんにすがる。 彼とのセックスを独占したくて、どうしようもなくなる。 けれどGさんは普通に恋人も欲しいし結婚もしたいタイプのようだから、そういう私がだんだん疎ましくなる。 いつしか会うのを避けていくようになる。 高い確率でそうなる。
そのときの私はきっと無様だ。
店を出て階段を下りるとき、少し足元がおぼつかなかったので手すりを掴んでいたら空いているほうの手をGさんがしたから掬い上げるように支えてくれる。
「だから、そんなふう(女の子扱い)しないでったら。」 「だって危ないじゃん」
ありがと、と言いながら手を離したところでGさんの側の電車が来た。 乗り込む前に「リセットできた?」とにっこり笑うGさん。
「うん ありがと」と答えながら心の中で「うん やっぱり寝ちゃいけないってよく分かった。私のために。」とつぶやいた。
「少し惜しいことしたかなあと これで良かったんだというのが同じくらいになりました。」とメールして、私は頭を冷やすために久しぶりに一人でバーに行く。
2杯グラスを重ねたところで席を立つ。 電車に乗ってすぐGさんから「ものすごく惜しいことしたのかもよ なんてね」と返事が来る。
さーっと頬が高潮するのが分かる。
あなたとしてみたい。
その言葉を現実に口にする時きっと私は「一度だけ、あなたとどうしてもしたい。でもしたら、もう二度と会わない。」と言うだろう。
寝たら始まる、と好きな小説家が書いた短編にあった。 よみながら「寝ないとわかんないじゃん」なんて思っていたけど 今はこんなに分かる。
終わりに向かっていくセックスというのは つらいものだ。
既婚友人が未婚友人のために男友達を紹介。 メンツは既婚男子1(盛り上げ役) 未婚男子1人 既婚女子2人 未婚女子1人
友人のおとなしさ可愛らしさを目立たせようと私は最初からトークしまくり 30超えてるし既婚だし、今更下ネタも恥ずかしいわけでもない 初対面の男性たちだけどそんなの関係なし 盛り上げ役の男性が馬鹿なことを言えば「ばっかじゃないのー」と突っ込みいれたりとっても楽しい雰囲気になった
途中から隣に座った未婚の男性Gさんが、私が話し終わった後も私のことを見ていることに気が付いた。 そして話題は夫婦生活。
私は長いことセックスレスで、子供がほしいわけじゃないからそれは別にいいんだけど、女としてのあせりのようなものはずっとあった。 あったけど酒の肴にできるくらいには表面上吹っ切ったふりはできる。 Gさんが「何でそんなにしてないの?」と小さい声で聞いてきた。 「さー 私に色気がないからじゃないの。」と笑うと、真顔で「・・・あるよ」と答えた。
私はチラッとGさんをみて「私のそういう面に興味あるの?」と聞くと「うん」と。
あーこういうの久しぶり。 男に女扱いされるのってこういうのだっけ。
などと上機嫌だった。
駅までの帰り道友人たちと距離があき、彼らが見えなくなったところで私の手がGさんの手にぶつかった。私はそっと握った。 信号が赤で立ち止まったとたん 軽く Gさんがキスをしてきた。 すごく驚いた。
「え?」ってGさんのほうを向くと 「このままどこかに泊まらない?」と。
わたしは酔っていたけど変なところは冷静で 「きっとすごく混んでるからホテルまで行って入れなかったら気まずいよ」 「今日は帰る。したいけど、すごく迷うけど今日はダメ。」 「Aちゃんにしときなよ。(紹介した未婚友人)」 とまくしたてた。 恥ずかしいけど、したくてたまらなかった。 だけど終電の時間は目前で、この時間から帰らないと夫につげる勇気も嘘を突き通す自信もなかった。
「俺もうAちゃんにはいけないよ。」 「なんで。今のことはなかったことにするから。」 「無理」 「私、昔そうやって言われて独身の人と泊まったことある。でも始発の時間になってあわてて帰り支度をする私を見て 悲しくなったって。そういう思いを他の人にまたさせるの嫌なの。」 Gさんはもう一度私にキスをした。 Gさんの手は私の背とおしりの間あたりに添えられていた。 「とまろ」 「だめ また誘って こんな時間じゃないときに」
やっと歩き出した。
彼の改札のほうが先だったので私は手を解きながら 「わたしはもっとあっちからだから ここでね。 ・・・ちゃんとした、キス、して?」 とねだった。
口の周りをよだれでべたべたにされたり、歯があたるような下手なものではなく、すごく気持ちよかった。
だから私は帰りの電車の中で「冷静になって、それでもって思えたら連絡して。」とめーるした。 その後はぐれてしまった既婚の友人から「Gさん、あんたのほうが気に入っちゃったみたいね。よろめいちゃった?」とメールが来て、やっぱり今日は帰ってよかったんだと思った。
翌朝メンツ全員に「二日酔いだよー」とメールをしたら彼からふつうの内容で返事が来た。職場が近いことが分かったので、今度は職場のそばでのもうって。
なかったことにして、おきたいのかな?
ああいうのはタイミングだって分かってる。 あのとき寝なかったから始まらないのかもしれない。
だけど私は彼をよく知らない。
夫に嘘をついて時間を捻出したいと思えるほどの人かどうかも。
ただ、この人と寝たいなって思ったのは事実であのキスからずっとその熱に浮かされたみたい。 くすぶっていた火が、つくようなこと、しないでほしかった。
「二人で会わない?」っていうメールを今すぐにでも送ってしまいそうな自分を押さえ込むのにものすごく苦労してる。 私から始めてはいけない
と、いうブレーキはいつまで持つだろう?
eco
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