おうち鑑賞

2014年10月06日(月) 『シン・レッド・ライン』

テーマがテーマだけに踏み絵を踏む気分になる。
テーマに意義はある。だけど作品自体は全然良くないと思った。島の丘陵を進軍して行くアメリカ陸軍C中隊のシーンは、その先に日本軍陣地がある緊迫感を感じない。空舞台に向かっている一人芝居のよう。全体通して画面から伝わってこないのに勝手に音楽だけ盛り上がっている感じ。独白がよく分からない説明台詞になっている。人物描写が大まかでキャラクターがよく分からない。物語の本筋に絡む日本軍の捉え方からして、この作品の薄さが窺える。それに個人的に、ショーン・ペンって上手い役者さんの部類なのかもしれないけど、いいと思わないんだよなー。詰まる所は当たり前だろうけど監督、演出の問題。



2014年10月04日(土) 名探偵ポワロ「象は忘れない」

NHK BSプレミアムで録画してあったのを観る。イギリス系のドラマっていつも思うんだけど複雑そうに見せる手法が一種独特というか、複雑に見える相関関係の過程が別に結末を推理させる作りになっていないというか、それが味と言えば味という気もする。



2014年10月03日(金) 『プライベート・ライアン』

冒頭の約20分続く戦争シーンは語弊のある言い方かもしれないけれど圧巻につぐ圧巻。この映画の存在価値を十二分に果たしていると思う一方、物語に目を移すとライアン2等兵を何故救出するのか、何故秘書が、上官(?)が、慌てているのかよくわからず違和感を覚えるも、どのような形にしろいつか腑に落ちる時が来るだろうと思って見続けたが結局ペイがなかった。何か見落としてる?と思いながら検索すると、どうやら兄弟が同時に戦地に召集されてはならない?のような軍規があって軍のメンツからライアン2等兵の救出命令が出たというニュアンスらしい事がわかった。2等兵1人の為に精鋭達が戦火に巻き込まれていく虚無感。物語として理解出来る所だが、ディテールが暗喩的でも示されないと引っかかったままでストンと落ちない。それと個人的印象かもしれないけど、どうもトム・ハンクスにイマイチその場で息してる臨場感を感じないというか・・・。あまりにも胸を刺すリアリティーに、他の要素については目をつぶるか・・・そういう作品だった。



2014年10月02日(木) 『チャイナ・シンドローム』

1979年当時に原発をテーマにした、それも踏み込んだ、さらにエンターテインメントとしても成立している作品を制作するアメリカの力、土壌に脱力してしまう。『クレイマー クレイマー』しかり、『普通の人々』しかり、その他挙げだしたら全部かもしれない・・・。ジェーン・フォンダ演じる女性リポーターのキンバリーに対して上司の男達は彼女を目にする度にあの赤毛がいいね、と話している。たぶん日本の特に上の年代の男性はこれを台詞通りに受け取る人が少なくないのではないだろうか。まあ作品を構成するパーツの話だけど、結局女性にも言えるけど、男性の女性に対する根本が歪んでいたら(都議会で色々あったみたいに)大局で成立するものが出来るか?という話。なんだかんだ言ってもハリウッド映画は様々な問題意識がエンターテインメントに昇華され、良くも悪くもバランス感覚の上に成り立っている。
黒澤明監督と川島雄三監督はボーダーレスだと改めて思う。


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Barbara [MAIL] [バイオトープの庭]

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