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アタシ、のこと


時、が。
アタシを許す。
東雲色の温もりと。
月氷のヒカリで。
存在を。
ゆっくりと。
染みこませていく。


長い間。
アタシの姿はカガミに映らずに。
高い空。
ポカッと浮いていた。
どんなに素晴らしい靴を手に入れようと。
踵は1ミリも進まない。
キモチは。
蒼いキャンバスに張り付いたまま。
うんと長い間。
アタシはアタシをそうやって。
キワモノの見せ物のように。
プラスチックの向こうに放りだしてきたんだ。


けれど。
そんなアタシにさえ、時は微笑みながら。
全てを、許す。
いつからでも。
どんなところからでも。
アタシの右手は、アタシの左手を握ることができるのだ、と。
時は優しく謳う。


だから      


アタシは。
アタシのことを、許す。

2005年06月30日(木)




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