いつか考えていたの　この手が離れて行く日のこと

あなたから言ってね

うやむやにしないでね

わたしはそんなに強くはないけど　3日泣いたら忘れるつもり

思い出になってくれてありがとうって

それからすっぱり記憶から消す

だから

別れた後で　わたしに憶えておいてもらおうなんて思わないでね

まだ俺に気があるんだろうなんて　誤解しないでね

あなたがそれを期待してるのは　薄々わかっているけど

言葉にしたら本当にそこでおしまいなんだから

女はそれができるから　男ほど引きずらないのよ

いくつもの夢が交錯して　短い夜は明ける

心の中に何か引っかかったような

すっきりしない気分だから

多分　幸せな夢じゃなかったはず

何に追いつめられているのか

ただ漠然とした不安があることは確か

忘れかけた記憶をひとまとめにして

春はまたやってくる

逃げるだけ逃げたって

無駄だってことを知ってしまったから

さあ　起きあがろう

忘れ物は自分で取りに行くしかないんだ

どうして海へ行くと

昔のことばかり思い出すんだろう

まだそんなに昔を懐かしむ年でもないのに

どうして波のしぶきが

こんなにも心を揺さぶるんだろう

わけのわからない感傷が湧き上がって

そしてそれを持て余すなんて

なんだかすごくかっこ悪い気がして

海へ向かって舌打ちなんかしてみる

水平線はぼんやりと青くかすみ

空との境界がはっきりしない

この混沌とした世界の波打ち際で

僕は今日も潮風に吹かれたまま