京都秋桜
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2005年04月16日(土) 桜吹雪の中自転車で駆ける

 今日は土曜日なのに何故か学校がありました。しかし、高校では普通のことだそうです。おかしいねぇ。
 そしてスタディー・サポートと名乗ったただの模試。朝の、しかもまだ頭が起きていない時間から久々に触った鉛筆の感触を味わいながら連ねられた文字を読む。何度あくびが出たことか。

 眠くてしかたがなかったのです。

 だいたい学習状況のアンケートをマークシートでやることも間違っているけどそれに四十分だかもかけるのも充分間違ってる。あんなのやらなくても良いから。

 一時間目に国語。次に数学、英語という順番で終わったのは十二時半くらいだった。
 そのころやっと目が覚めてきました[遅すぎ]。テンションは高いですけど、低血圧な人間なんです。


 自転車で下向途中、風で桜が舞っていました。とても綺麗でした。
 そして、あまりに幻想的なその様子にA輝さんの自転車の前を堂々と[しかも無意識に]横切りました。彼女の悲鳴、というか驚いた声が聞こえたときには既に私道路の真ん中で桜と戯れていました[高校生です]。
 桜が大好きなんです。好きなんです。
 風で舞うとか…っ!! すごく好きなんです。花の舞う街だなぁって思いました。綺麗。
 こう、ぱーってなってね、ふわって花びらが道路に渦巻く感じで…。その中を自転車で駆けていたんですよ。あぁ、夢みたい[小学生か][おそらくそれよりも餓鬼なのでは?]。
 …って、分かってくれるだろうか、この気持ち。とにかく素敵な様子だったのですごく印象的でした。高校生になって良かったと思いました[関係ない]。


 これで田舎じゃなくて街中だったらもっと良かったけど、きっと東京には桜並木はないだろうなぁ…。京都にならあるだろうか。働くなら東京だけど、遊ぶのは京都が良い。
 でも京都は秋のほうが良いのかなぁ…紅葉とか。清水さん大好きだよ!
 中学の修学旅行のときA輝さんと二人で一緒に見回ったのがすごく印象に残っています。清水さん見たんだよ! そこで! あぁ、蘇る思い出。年を取った気分。
 今度、一緒に行けたら良いなぁ…[向こうは箱入り娘なので無理][こっちは貧乏なので無理]。



 そもそも高校の修学旅行っていつなわけ?



 学校から帰ると一時くらいでうちには誰もおらず。お腹も空いていなかったのでとりあえずシャンプーしました。
 夜遅くまで課題をやっていると[しかも数学だからわりと楽しんでいる][だから時間を忘れる][他の課題はやってない]シャンプーしても乾かす時間がないのです。
 だからシャンプー。だけど馬鹿だから乾かさないままお昼寝しちゃったよ! 気が付いたら三時でした。
 コンタクトを外しておいて良かった、と心底思った。
 それから髪の毛乾かして、ビデオに録った夜中の種見て、デス種予約して勉強。やったのは社会。数学の課題は既に終わっている。あーあ、もっとやりたかった。でも、秀英のが残ってるわ[今気が付いた]。
 それから英語やって、デス種見て、夕飯を嫌々胃の中に流し込んでツバサ見て秀英に。

 秀英では英語を二時間。んー、二時間。寝ちゃった分、ここで補った気分だったよ![家じゃ絶対に英語二時間なんてやらないだろうけど]

 ちょっと秀英でもいろいろやらかしてしまいましたが、この際【私だから】という魔法の言葉で全て片付けちゃおうと思います。
 それにしても花粉が酷かった。


 そういえばドラえもんの話をよく聞きました。ドラがのび太と一緒に馬鹿をやっていた。…あれ? ドラっていつも駄目なのび太を止める役じゃなかったの?
 それにスネ夫の出番が少なかったよ。関さん好きなのにー。ブー。スネ夫が怒ってくれたりしたら良いな。かすれた熱血少年の声が聞きたいな。



 とりあえず、明日はお休みです。何時まで寝ているのか、自分でも見ものだと思います。


2005年04月12日(火) 純白革命【オリジナル】

 鳴り響くは病院のとある一室。





「いぃ――やぁ――だぁ――っ!!」

 バタバタ暴れる十五になったばかりの少女に、医者の卵である研修医は毎回頭を悩ます。彼の研修は彼女の面倒だけで終わってしまいそうである。
 ここは病院で、彼女は病人。それでも、目の前の彼女病気を持っているとは思えないほど元気。
 普段から自己主張が強い彼女だが、この時間は格別と言えた。本当に、うるさいという文字通りだった。
 だけど、彼は懲りずにやって来るし、彼女を見放さなかった。
 彼女の部屋は個室で、しかもナースステーションに近いせいか、どの部屋よりも様々な種類の薬の匂いがした。
 病院特有の、好きな人もいれば嫌いな人もいる、あの匂い。

「でも、これ飲まないとよくならないよ、病気」
「うるさいわねっ! そんなもん飲まなくたってわたしは健康よ!!」

 先日、吐血した人が何を言うか。そう思ったが研修医は言葉にはせず、黙っていた。
 確かに彼女の言う通り、その精神力だったら病気のほうが恐れて逃げていくだろうと冷静に判断する。納得してしまうが、立場上ここでひくわけにもいかない。
 今時珍しく染めていない彼の黒髪が憂鬱色に染まる。

「現にこうやって入院してるのに、何言ってるの。ハイ、飲む」
「やだもん」

 人が折角優しく言って薬を差し出しているのに、彼女はそれをことごとく跳ね返していく。その突っ張ったところが彼女の第一印象で、それによって彼女への接し方が変わる。
 だから、彼女はそりが合う人はとても合うが、そうでない人とはまさに冷戦状態である。基本的には、あとはどうでもいいという分類に彼女の中では分けられる。
 恐らく研修医はどうでもいいという部類の中でもお手伝いさんという項目に入っているのだろう。

「まずいの嫌い。なんでもっと美味しくしないの?」

 そんなの研修医に言われても困る。薬剤師にでも何でも言ってやれ。彼は本気でそう思いながら、彼女に何とか薬を飲ませようと試みる。
 そう、薬なのだ。彼女の敵は。
 まずいといって一蹴して終わらせようとする彼女の意見も尤もだった。飲んで欲しいならもっと美味しくしやがれ、コノヤローみたいな勢いが彼女にはある。

「だいたい、嫌いなんだって。粉薬は」

 錠剤だったら文句も言わず飲むと彼女は言う。これは本当のことだった。
 実際に前の薬は錠剤だったため、医者も看護師も苦労はしなかった。しかし、そのときの状態を知らない研修医の彼は、彼女が黙って薬を飲む姿が想像できない。
 彼にも経験がないわけではなかったので粉薬が嫌いな気持ちはよく分かった。飲んだ後口に広がるアノ感じが堪らなく嫌いだった少年時代を反芻しては目の前の彼女を重ねる。
 だからといって「はい、わかりました」と言って薬をさげるわけにもいかなかった。
 溜息をつきたい気持ちを抑えて、彼は言葉を紡ぐ。

「病気に効く成分が粉にしか入ってないからしょうがないだろう」
「しょうがないって何よ、それぇ。それを作るのがアンタの役目でしょう!」
「いや、僕は研修医だから…」
「どうでもいいから、その薬と一緒に出てって!!」

 枕を投げつけられた研修医は慌ててそれを受け止める。枕を投げたせいで、テーブルの上にあったガラスのコップが床に落ちた。同時にガシャンという音がした。
 ベッドの上に仁王立ちしている彼女はコップよりも枕を受け止められたことが気に入らなかったらしく、あからさまに嫌そうな顔をしている。
 着ている赤いチェックのパジャマはお気に入りだと言っていた。
 年齢のわりには細身で小さい。やはり病気のせいか。
 後ろの窓から入ってくる風が彼女の長い黒髪を揺らした。
 彼女の性格を言えと言ったらまず【口が悪い】と出てくるだろう。彼は妙な自信を持って自己完結させる。
 研修医は薬を作るわけではない。役目が違う。社会的分業の違いを指摘されても困る。それはちゃんとその担当の人に言ってやれ。彼はそう思うが、口にしたところで彼女がそれを受け入れるわけではないことが目に見えているので敢えて言わない。
 そんなことを言ったらその三倍近くの文句が返ってくるに違いない。
 それに、彼女だって、それを理解していないわけがない。薬剤師という職種があることくらい中学生なら知っているはずだ。
 何より彼女は賢い。それが分からないほど勉強的に馬鹿ではない。

「出て行くわけにはいかないよ。ちゃんと薬飲んでもらわなきゃ」
「何度も言ってるでしょう。わたしは飲まない。嫌いだもの」

 枕をそっとベッドの上において、持っていた薬をテーブルの上において、割れたコップの処理を始める。
 そんな彼を見て、彼女は少々罰が悪そうにベッドの上に座る。
 黙って割れたコップを拾い集める彼に彼女が声をかける。

「そんなの、看護師さんにやってもらえばいいじゃん」
「そうはいかないよ。君は僕の担当だし」

 担当の看護師だってちゃんとついているはずだ、と彼女は心の中で思う。それくらいは彼女だって知っている。
 もともと頭の回転が速くて、賢い人間だった。

「担当くらい、替わってもらえばいじゃん。研修医なんでしょ? アンタ。私じゃ、研修にならないよ。それくらい上だってわかってるんじゃないの?」

 彼女の担当につけば研修にならない。研修医が研修をしないで何をやる。要するに医者になろうとする道を上司たちが阻んでいるのではないか。彼女はずっとそう思っていた。

「そんなことない。僕はここで良い研修をさせてもらってるよ」

 一瞬、彼女の言葉に驚いた。なんて大人なことを言うのだろうと、分かりきったことを言うのだろうと。
 だってまだ彼女は十五歳だ。学生。女の子だから花の青春時代とやらを過ごしているはずの年齢。
 その子が口にするような言葉ではなかった。先程のは、明らかに。

「何が良い研修よ。わたしみたいなの相手にしてたらライバルたちに遅れとるよ? 試験に合格しなかったからって私のせいにされても困るんだからね」
「はいはい……ぃ…たっ」

 これ以上、相手にしても仕方がないので彼は話を切ろうとしたが、ガラスの破片で左の人差し指を刺してしまったことに気がつく。

「は? 何?! どうしたの?」

 驚いた彼女がベッドから身を乗り出すと、彼の指先の怪我に気がつく。
 慌ててベッドから降りて引き出しから絆創膏を取り出す。

「もう、やだぁ。どっかの餓鬼じゃないんだから…ガラスで怪我なんてそんな漫画みたいなことしないでよー。どうしたらそんな間抜けなことができるかなー」

 文句を言いながらも、絆創膏を彼に渡す。優しいんだか、そうじゃないんだかよくわからない。
 驚いたのは彼のほうだ。目を大きく開いて彼女のことを凝視する。
 それに気がついた彼女は眉間に皺を寄せる。それを見た彼はまた機嫌を損ねたことを知る。

「何よ。早く絆創膏したら? 血、流れてんじゃん」
「いや、なんでこんなもの持ってるのさ」

 相変わらず大きい態度の彼女に素朴な疑問を投げつける。
 普通、持っているか? 絆創膏なんて。財布の中からとかだったらまだ分かるが引き出しにあった、ということは少なくても家から持ってきたということだ。
 わざわざ絆創膏なんか持ってくるか? 家から病院に。

「餓鬼をつるんでるとよく怪我すんのよ」
「君が?」
「馬鹿! あつらが、だっ!」
「そうか。君、年下には人気あったけね」

 ふと思い出す、自由時間の風景。彼女はいつも小児科の子供たちと遊んでいる。世話をしてやっている。
 入院している子供の中には忙しくて親が見舞いにこられないところも少なくない。そんな寂しい心を彼女は悟ってか、いつも一緒に遊んでいた。
 病院中で鬼ごっこしたときは婦長にすごく怒られたらしい。尤も、そのときいなかった彼は聞いたことしかないのだが、その話は。
 遊び方こそは何か間違っているような気がするものがあるが、それでも子供たちから笑顔が消えないのは彼女のおかげとも言えるだろう。

「それ嫌味?」

 彼女にしてみれば彼らちびっ子たちに「ババア」だの「おばさん」だの悪口を言われてるも同然だ。というか男の子に限ることなんだけど。
 女の子は彼女に対して物腰柔らかだし、彼女のそれ相応の態度で接している。
 しかし、どう考えても男っ気の多い彼女は女の子と一緒に遊ぶより男の子と一緒に遊んでいるほうが楽しく見える。

「褒めたつもりだけど?」
「あれを人気があるというのか? と、いうかそんなのもうどっちでもいいから早く絆創膏しろ。私があげたんだから」

 最後の一言が余分だと思いながら、それに慣れつつある自分がいて、とにかく今は絆創膏をしようと指先に集中する。
 思ったよりも上手くいったなぁ、と思いながらごみをごみ箱に捨てる。
 彼女は雑巾で床を拭いていた。
 ガラスの破片はビニール袋にまとめて入れた。

「まったく、世話のかかる奴ね、アンタも」

 床を吹き終わって、手を洗った彼女は、そう言ってベッドに入った。そして、彼に手を差し伸べる。
 何のことかさっぱりわからない研修医は首を傾ける。

「どっかの馬鹿にせいで余計な時間くってムカつくから薬飲んでやる」

 日本語的に明らかにおかしだろうという言い回しを平気で胸を張って言う彼女。
 素直じゃないと思いながらも彼は微笑んで薬を渡す。

「水、新しいの持ってくるから待ってて。脱走なんかしたら今度こそ怒るからね」

 そう言って病室を後にする研修医に彼女は脱走という手があったことに気がつかなかった自分の愚かさを知る。


 本気で脱走すればよかったと後悔する毒舌家の少女と、そんな少女に振り回される日常に追われる医者の卵の研修医。
 この日常はしばらく手放せそうにない。





********************
 研修医と入院少女の物語。つか、この薬が嫌だと言う話は私の話です。
 風邪引いたとき病院で貰った薬が粉薬で母上と喧嘩した。それの入院バージョン? でも、相手がお医者様だ[まだ、違う]。
 この研修医はまだ小児科に来て三日目くらいの設定でよろしく。日が浅いんだよ。
 でも医者ってその言葉自体で萌えるよね。
 書いてて楽しかった、このヒロイン。


 書いたのは半年くらい前。あー恥ずかしいね、遺作だよ、遺作。コメントも当時のまま。面倒くさいので付け足しとかしません。
 一つ言うとしたら、タイトルがめちゃめちゃ適当。


 今日は数学のテスト。明日は英語のテスト。土曜日もテスト。

 先生はそんなに授業をするのが嫌なのか。高校生活、まだ始まったばかりだというのに、一体テストの範囲はどこですか?[春休み課題の予習ですよー][土曜日はなにやら模試らしい][範囲は小学生からか]。

 六時間目は眠くなる。化学好きなのに半分以上寝ていたよ。先生は白衣を着ていた。羨ましいことこの上ない[燈鞠さんはコスプレの趣味はありません]。
 同じ学校の理数科の人たち総勢四十一人は強制的に買うそうです。いいなぁA輝さん…。と、いうことでもしかしたら本当に白衣を買ってしまいそうな勢いがあります。
 いや、学校じゃぁ着ないし、外出るときも着ないけど、たぶん趣味で家の中で普通に着ていると思う。そしてそれは決してコスプレではないと主張します。

 昨日は秀英で、古典と化学をやりました。
 古典は兄弟が愛し合う話をやりました[違う]。現代語と古文ってかなり違うことを思い知らされたな、改めて。
 たちばな、という文字にも敏感に反応してくれたわたくしの脳。古典は一体何の授業ですか?
 と、それでも寝ていた人。隣の寺息子に寝顔を見られました。彼の寝顔を見たことがあるのでお互い様ということにしてやったけど、不本意でしかたがない。
 所詮人間は睡眠欲には勝てないというのか。

 化学は化学でまわりがほとんど同じ学校の理数科の生徒だったため、場違いだと強く感じました。そして女子が少ない。
 居心地が悪いことはないのですが、どうにも周りが秀才ばっかりで…。ごめん、私一般人の普通科だから。あなたたちみたいに難関突破したわけじゃないから。理数科の人間はやっぱり頭良いので、近づきにくいと感じる人も多いです。
 結局私が言いたいのはおそらく次回から私、あそこにいちゃ駄目な人間だ、ということです。レベルが違う。

 昨日はパソ子[デスクトップ]にも太郎[ノートパソコン][正式名称:パソ太郎]にも触れることなく幕を閉じました。あぁ、悲しい。
 受験前日にもパソコンで遊んでいた人間です。今年に入ってからおそらく初めてでしょう。パソコンを触らなかった日。

 今日は初、自転車登下校でした。でも微妙に雨が降っていました。そんなの気にする性質じゃないですけど。
 そして友人らにサクラだと言われたことを話したらA輝さんが「散っちゃう?」みたいなことを、即答してくれました。ちなみに母上も同じことを言った。
 どうやら私の人生は短いようです。生命線は長いらしいですが、彼女らが言うならそうでしょう。それだけの権力と発言力と私的地位を持つ人間たちです。

 ついでにA輝さんに私信。
 イラスト本当にありがとうございました。そして遥かを持って行ったら永泉さんが返ってくると期待しても良いですか?[なんて図々しい]
 あ、でも頼久さんがいた[お前のでどうしろと][レベルの差を考えろ]。
 それと早く続き買うようにするのでしばしお待ちを…っ!!


 音楽の時間。スピッツの【空も飛べるはず】をやりました。音が変だと思ったらどうやらもとの音が高くて調を先生が勝手に直したそうです。あぁ、だからか。
 調が変わっても気が付かない人は気が付きませんが、とりあえず十年以上ピアノをやっている私には絶対音感なるものがついているのでおかしいことこの上ない。困る。
 音楽技術のアンケートみたいなのをやりました。グレードは面倒くさいのでとってません。だってあれ、ヤマハの中だけしか通用しない。
 日本音楽検定だかなんだかあるらしいけどよく覚えていないので書かなかった。
 ピアノどれくらい弾けますか?みたいな質問にバイエルとかブルグミラーとかソナチネとか書かれていました。レベルわけのためだそうです。
 でもなぁ…ソナチネ三、四年前に投げ出しました。やってません。以来、クラッシックの好きな曲しかやってないのでレベルがようわからない、と先生に言ったところ「何が弾ける?」と聞かれ「仔犬のワルツ」と答えたら「じゃぁソナタくらい弾けるでしょう」と簡単に返されました。
 え? …ソナタ? はぁ? 無理です。あんなの無理。
 と、思いましたが仕方なく了承。どうやら私は議論上ではソナタレベルのものが弾けるらしいですよー[誰に言ってるの]。

 ワルツは好きじゃなかったけれど、中学三年間でピアノがめちゃ上手い友人がショパンばかりだったのでいつのまにか私もショパンばかり…。
 ちなみに、私。モーツァルトさんとは気が合いません。あの人の曲の感じと私の弾きたいと思う曲の感じが違う。
 今度はベートーベンさんとかも試してみたけど、発表会の曲も決めなきゃ…。


 ところで、今小学五年生では分数はやるみたいですけど、約分を教わるのは六年生になってからだそうです。いっぺんに教えたほうが身につくと思ううえにそういうのが結構ある。
 妹の算数[響きが懐かしい]の教科書を見たところ「こんなの五年生までにやったわー!」と思うものがちらほらどころか出現しすぎ、と突っ込みたい。
 文部科学省、何やっていやがる。
 ちょうど、小学校六年生のときに転校したので新しい学校で学んだかどうか、ということは比較的明確に覚えているだけに、教科書の薄さとか内容とか腹ただしい。
 ゆとり教育は終わったんじゃないの? だいたい大学入試のレベルあがってるのに小学生の教科書薄くしてどうするの? 中学とかもわりと薄くて、高校で一体どれだけの苦労をしろというのか文部科学省。
 責任者出て来い。そして高校生の辛さを現役高校生[まだ四日目]が語ってやる。



 時間をうまく使うということがどういうことなのか。少なくともテスト前にパソコンを開くことは時間有効には繋がらないなぁ…。でもやりたい。
 やりたいこととやらなければならないことが一致しないのはどうにも歯痒い。

 一日二十四時間じゃ足りません。


2005年04月10日(日) こんな休日

 昨日は初めてリアルタイムで午前二時半からやっている種を見ました。愚かなイザークがどうしようもなく可愛くて苛めたくなります。
 ちなみにシホ初登場の回でした。

 そして七時起床。ちなみに学校のある日は七時十分に起床。中学のときは七時三十分だったけど。
 とにかく学校に行く日よりも早く起きた。だってコナン楽しみだったんだもん。

 八時二十分に合流後、コンピニに寄り、映画館へ。去年はずらりと並んでいたのに今年は私たちが列のはじめに並ぶほどの速さで到着。何を隠そう去年のコナン映画、銀翼の奇術師も一緒に見に来た。
 看板の時間を見たらあらびっくり。コナンの初回は十時五十分からだって。開館したのが十時でそれまでずっと話していました。

 去年は九時代のがあったのにねぇ、と友人と愚痴りましたけど、一番に並べてわりと満足。開館後走ってエスカレーターを駆け上ったのです。体育の時間には見られない私の脚力が見られる貴重な場所[違う]。

 友人のコナンコミックのおかげで料金は二百円安くなりましたが、高校の学生証を出したのに「お二人とも中学生でよろしいですね」と言われた。どうやら友人のほうはまだ生徒手帳を貰っていないらしく、中学のときのものを使用。それにしても気づけよ、友人と私の生徒手帳どうみても違うだろうが。
 しかし、つい最近小学生に間違えられることが三回ほどあったので既に反論する気にもなれず、チケットをゲット。指定席が選べて、真ん中のちょい後ろに決定。

 それからグッツ購入。友人はパンフと下敷きA。私は下敷きAとクリアファイル。去年と同じものを購入している自分たちに待ち時間笑っていました。

 平次は出なかった。…あれ? 出るって聞いていたのに…。プチショックとか言ってみる。
 どうにもコナンは年々映画での事件レベルが下がっているような気がする。あんなの私で犯人分かるがな。海とか空とかむやみに強調しすぎて本来のサスペンスがどうにも…。
 あらゆる意味で都合が良い、というのは言うまでもない。

 そして友人に「なんか常盤[仮名]ってサクラみたい」と言われた。思わず「どこがっ?!」と力一杯訊ねてしまったが結局答えてはくれなかった。意地悪な友人。
 けど以前にもそんなようなことを男の友人に言われた記憶がある。

『バラみたいに高貴で華やかで特別綺麗ってわけでもないし、だからといって道端なんかに健気な姿で咲いているタンポポって感じでもないし。お前ってサクラみたい』

 とのことだそうです。でも、その偏見は間違ってると思うんだけどなー。苦笑して返したけどね、そのときは。
 確かにバラとかタンポポって柄じゃぁないけどサクラっていうのも違う。
 私の中でサクラっていうのは好きな花の一つで、清楚なイメージがあるのに…。私なんかが清楚になったらそんなの私じゃない。そんなの見たくない。みんなそう思うはず。私も含めて。
 しかし、明日の雨でサクラ散っちゃうでしょう。あぁ、儚いね。

 まぁそんなこんなで帰宅。ブリーチみなくちゃと思いながらも秀英の予習をやる。英語。んー全く分からない。

 その後デス種鑑賞。どうにもこうにもねぇ…。ちなみに一週遅れなので感想は書かない。どちらかといえば書けない。キラの暴走が…って感じで。
 ぶっちゃけ私はアスランの意見に賛成なんですけどね、どちらかと言えば。

 ツバサを見てから秀英に。声優が変わってしまったようで残念。桃也の声は関さんのままが良かったです。


 で、どうして今日の日記に昨日のことを書いているのでしょうかね、自分。本来日記というのはその日あった出来事を書くはずなんですけどね。


 今日の起床時間も七時。廃品回収の手伝いをしました。えらい。でも目的は漫画漁り。目ぼしいものはなかったけれど。
 帰宅後オープニングが終わったばかりのプリ・キュアを妹と一緒に鑑賞。未だに信じられない、あれが関さんの声か…。

 その後片付けをして出てきたいらないものを売りにリサイクルショップに。母上と妹は服を売りに行きました。私はなぜか両手にテニスの同人を抱えていた。
 不二塚がほとんどでたまにリョ塚。それぞれ逆もあり。この三人の三角関係らしきものもあったなぁ。購入したのは既に三年くらい前のこと。
 思っていたよりも高く売れてびっくり。へぇ、同人ってそんなに人気あるわけ?
 三階が古本だったのでエニックスのピスメ一巻〜三巻を立ち読み。やっぱり沖田さんは初登場から笑顔満点。それで土方をおとしたんだね。
 どんな新撰組ものでもはずせないね、土沖は。大好きなコンビです。
 最近は平八にもはまっていますけどね。うん、あの韓国美人と小さい子。

 その後本屋に直行。購入したのは遙か三巻/ホスト二巻・三巻/銀魂五巻。なんてちぐはぐな組み合わせなんだろうか。

 帰宅後、購入した漫画を読む前に妹とミルモを鑑賞。マツタケくんの保志さん。そのためだけに見ている自分がなんだか可哀想に思えてきた。

 それから漫画を読む。銀魂はやっぱり土方と沖田のコンビが好き。あと神楽と沖田のコンビ。ミントンやってる山崎さんは笑いのネタ。
 許せないのはマヨネーズ。私、マヨネーズ嫌いです。トマト嫌いだけどケチャップのほうがまだ良い。

 ホストはハニー先輩と環と双子贔屓です。ショタですからハニー先輩にときめいちゃうのは無理なし。環は王子。殿でも可。あんなに薔薇の背景が似合う人もそうそういない。双子は禁断に萌え。
 鏡夜先輩の黒いところも嫌いじゃないですけどね。悪代官万歳。


 ……と、いう休日を過ごしています。いつ勉強してるの? とかは聞いちゃいけません。英語だけ? っていうのも禁止。
 そして食べてる? という質問も受け付けません。コーヒーは飲んでますけど[カフェイン中毒な人間]。



 で、ここまで書いたのになぜかページが変わり、日記消失。二回目です。これ書くの。いい加減疲れます。だけどこれから義経みなくちゃ。あるあるも。

 あとちょっと気になるのが、ピスメの土方は女との経験豊富ですけれども銀魂のほうはどうなんだろうということです。付き合っていた女性がいないわけではないみたいですけどね。

 あー今日こそ早く寝なくちゃ。明日は学校だ。


2005年04月08日(金) 真剣勝負【遥か】【友雅夢】

 求めて止まないものが手に入る瞬間、人は何を思うのだろうか。





 お日さまがあたって気持ちの良い日の午後。寝殿造というのはもともと太陽の光を大量に受けることを考慮されて作られた建物なのだからそれも当然といえば当然。
 部屋の御簾が風に揺れる。弱々しいその風は御簾を翻すことまではできないのだろうか。それともそれは勇気がないというのか。はたまた外の者に中を見せないためか。
 どちらにせよ、友雅には都合が良い。邪魔者が入って来てこのチャンスを逃したら自分を罵りたくなる。
 風すらそれを見るのは遠慮してしまう部屋の中。
 友雅はゆっくりと彼女の白くて細い手首を畳に縫い付ける。自然と彼女の脈拍が伝わってくる。それが生々しく感じられ、思わず口端をあげて笑う。
 散らばる長い黒髪が畳を白く見せていた。例えば彼女がいることでなんでもない畳が綺麗に思えるのは重症だろうか。
 しかし、事実その通り彼女の周りはなんだって綺麗。それを自分の目が悪いとは少なくとも、友雅は思わない。
 色鮮やかに重ね着されている着物。それも髪とともに畳の上に散らばる。
 また、自身の緩やかなウェーブのかかった黒髪も畳へと静かに足をつける。
 漆黒の瞳が友雅を見る。いつもは身長の関係で合うことのないその視線。けれど今は本当に彼女が目の前にいる。そんなことで気持ちが昂ってしまう自分を友雅は知らない。
 こんなに近くにいたら、否、こんなに近くによる前に、普段は扇子で拒否されるが今はその扇子を取り出すことすら彼女にはできない。どうしてこうすることをもっと早くに気がつかなかったのだろう、と友雅は自分でも思う。
 しかし、どうにも腹ただしいのはこんな状況にありながらも彼女は顔色一つ変えることなく、ただ冷めた瞳で自分を見ること。手首の脈拍も特別速いということもなくいたって通常通りに打っている。
 少しくらい慌ててくれても良いだろう。そうでなくとも頬を赤らめるとか、反応は様々だろう。

「何を、するの」

 でもまぁ、彼女がそんな反応を見せたらそれはきっと自分が欲しい彼女ではないのだろう、と友雅は思っていると、彼女がやっと口を開く。
 声のトーンすら変わらない彼女。とりあえず聞いてみる、という口調のような気がする。
 どういう状況なのか、分かっていないはずはないのに。それでも冷静に、普段を保っていられるのは何故なのだろうか。
 彼女にだって勿論、自分に逃げ場がなくて、背中は畳に預けられていて、目の前には橘友雅というあらゆる意味で有能な人間がいることを、分かっていないわけではない。そして、たまたま誰かが通りかかって助けてくれるなどという偶然に期待をしているわけでもない。
 単なる鈍いだけならまだ救いの道もあるものの、彼女に限ってそれはありえないから余計に性質が悪い。

「分からないかい?」

 試すような口調で言う友雅に対して、彼女は特にこれと言って変わった様子を示すわけでも抵抗の様子を示すわけでもなく淡々と言葉を紡ぐ。
 友雅の肩越しに見る天井がいつもより不鮮明だということを、彼女は特に気にしていなかった。
 そう、心のどこかで自分に言い聞かせながら。

「分かったらこれを話してくれるわけ」
「残念ながら今の私にそれはできない相談だな」

 相談じゃない、と彼女は心の中で思いながら溜息をつきたい気持ちをこらえて問い返す。

「誰ならできるっていうの」

 明らかに疑問系ではない彼女の口調。まっすぐ自分を見抜く漆黒の瞳がどこか心地好いとか言ったら彼女は呆れたようにその瞳を閉じ、溜息をつくだろう。
 諦めが早いのか、このままこれが進むと思っていないのか、誰かの助けを待っているのか、友雅には彼女の考えていることは分からない。

「さぁ? それは私にも分からないのだよ」

 顔をより一層近づける。それでも彼女に怯えた様子はない。 おそらく、こんなところを藤姫などに見られてしまったらそれこそこれは中断されてしまうだろうけれど。
 赤面してそのまま出て行ってしまいそうな人たちもいそうだな、と友雅は頭の隅でくだらないことを考える。
 そのまま彼女の胸へと耳を寄せてみる。
 すると、少しだけ変化が見られて。鼓動が速くなっているような気がした。気のせいかもしれない、と思った友雅はもう一度手首の脈を確かめてみるが、どうやらそれは事実らしい。
 無意識に笑いが込み上げる。
 普段は高みにいる彼女でもこうしてしまえば所詮他の女と同じか、と。それでも思った以上にその反応が返ってくるのが遅く、またそれを表に出さないようにしているところは極めて例外。もし、自分がこうして胸に耳を当てなければこれは気がつかなかっただろうからその徹底振りには感心してしまう。
 そして、顔をあげて彼女の顔をもう一度よく見る。表情まで意識的に操れるのか、心臓はあんなにも正直だったというのに、無表情。
 頑なに自らを拒む彼女の白く、整った顔を見ながら笑顔で言葉を紡ぐ。

「ただ一つ、言えることがあるのなら……」

 そして、彼女の耳元で囁くように続きの言葉を発する。
 それが何のためなのか、などということは言わずと知れたこと。


「私の残りわずかな理性には期待しないほうが良いだろう」


 初めから期待などしてない、彼女はそう言いかけてやめた。
 このままことが進めばこれは立派な犯罪だが、自分の醜態を晒してまで目の前の人間を法で裁こうなど、少なくとも彼女は思わない。
 すぐ横にある友雅の頭。早く離れてくれはしないだろうか。同じ黒髪なのにどうにも緩やかなウェーブのかかったそれはくすぐったい。


「こんなことで、私があなたのものになると本気でそうお思いならどうぞ」


 静寂な空間に凛と響くその声に友雅は彼女の顔を見て、瞳を見開かせる。どこまでも挑発的なのは自分だけではない。
 冷笑をうっすらと、本当にごくわずか顔に浮かばせ漆黒の瞳に友雅を映す。
 その笑みを見逃すほど友雅は彼女のことを見ていないわけではない。が、彼女の真意が友雅には見えない。やはり奥の深い女であった、自分が想像した通り。

 本当に欲しいものほど、なかなか手に入らない。
 しかし、だからこそ手に入ったときの喜びがあるのだろうか。





********************
 橘さん初書き。で、これってどういうことだろうね。でも、こんな感じです。私の中での橘さん。
 でも一番好きなのは泰明さん。しかも石田さん。永泉さんも好きです。しかも保志さん。おいしいことこの上ないね! 関さんは好きだけど、天真はどちらでも良い。


 高校登校三日目でやっと授業。と、言ってもガイダンス。いわゆる説明会というやつか。予習の仕方とか復習の仕方とかノートの取り方とか…社会と理科は合わせて一時間だったのに国語と英語は二時間ずつって一体どういうことだろうね![笑顔で言ってみる]

 国語の古典の先生は女性です。どうにもそりが合いそうにありません。えぇ、なんかオーラが合わない。気が合わない。道がそれている。
 そもそも私は人との相性の善し悪しが激しいので。しかもそれがだいたい第一印象で分かってしまうあたり伊達に何回も転校してないぜ! ってところですね。まぁ大抵、第一印象で分かるのは好感ではなく拒絶のほうがすっと多いんですけどね。
 国語の教科書に【平敦盛】の字を見つけたときはおぉ! って思いましたね! 保志さーん! 保志さんも大好きです。遥か3。

 ルーズリーフは禁止だそうです。整理や管理ができない例が多いから、というのが理由みたいですけど……そんな他人と私を一緒にしないでよ! 面倒くさいんだって! ノート何冊も持つの! 仕方がないのでノートを買いました。
 一教科でも駄目だと分かったらルーズリーフにする意味ないし。ルーズリーフとノート持つのも面倒くさいし、かさばるし。こうなったら全教科ノートにします。こういうのが揃わないのは嫌なのです。

 現国の先生は名前だけでしたので、誰か全く知りません。

 英語の先生とは相性良さそうです。少なくとも好感持てました、私は。男の先生でした。ノリが良かったのです。文法を主に扱ってくれるのですけど、退屈しないですみそうです。いやぁ、良かった、良かった。
 話とかも楽しいし、面白いです。
 ALTの先生との授業も早くしてみたいです。

 いろいろ忙しいです。やっぱり高校というのは。復習には慣れていますが、どうにも予習には慣れていないので…。しかも古典の予習だけで一時間以上かかるなんて…。
 英語の予習は分からない単語が多すぎて辞書と生活しそうな毎日が続きそうです。まぁ、覚悟はしていたことなので良いとしますか。

 月曜日には数学二時間と図書室のガイダンスがあります。とっても楽しみです。前者も後者も。
 図書館には電撃文庫とかあるらしいので何があるのか本当に楽しみ。希望はダブルブリッド。あれ、途中までしか読んでないから。Missingはまだまだ集め中。どうしようもなく亜紀が好き! 亜紀→恭一が大好き。最後にはくっついて欲しいですけど、絶対に無理なので妄想するまでです。

 そして今日は母上と妹のアホさ加減にちょっと脱力しました。夕食中のことです。こんな会話がありました。

私「だってほら、彼女、箱入り娘だから」
妹「重箱? みかん箱? おもちゃ箱? 貯金箱?」
母「希望は貯金箱で」
妹「ファイナルアンサー?」
母「ファイナルアンサー!」
私「いや、どうでも良いけど二人とも意味違うから」
母「つっこむのがおそーい」
妹「どーでも良いんだ、へー」

 ……これでも母です。私の母上です。アホなことぬかしていますが、家事に関してはプロの母上です[必死で言い訳]。楽しかったから良いですけどねー。日常茶飯事ですし。
 妹も思い切りバカですね! 身内だから堂々と貶せます。音楽の才能を周りから認めてもらっている、ある意味人生偏り型。つまり勉強は平均並というところなのです。

 ちなみに私の言う【彼女】というのは絵も上手くて、文章もレベルが高くて、いろいろな意味での私の師匠のA輝さんです[あきさんじゃないよ!]。家からしてなんか違うんだよね! 雰囲気が! いかにもお嬢様って感じで。あの家で私の名前が出ていると思うと恐れ多くて仕方がありません。

 日記のタイトルですけれども。京都秋桜。…初めて見たら普通に【きょうとこすもす】と読みそうですが残念![何さ] 正確には【みやこさくら】です。みやこ、打てば変換されますよ、この字。さくら、は絶対に無理ですけどねー。

 明日はコナンです。中学時代の友人と見に行きます。すごく楽しみです。怪盗キッドが出ないのは残念だけどね! 平次が出るようなので、良しとします。新一はそれほど好きじゃなかったりする。
 新一×蘭は好きじゃないです。理由はコナン×灰原もしくは新一×志保が好きだからです。蘭自体好きじゃないんですよねー。
 園子のほうがずっと好き。だって財閥のお嬢様。園子母も好きです。


2005年04月07日(木) 二日目高校生ライフ

 一年生を迎える会、略して一迎会[いちげいかい]。……わっかりにっくっ!!

 と、そんなこんなで入学式翌日の高校ではそんなものをやりました。主に部活紹介でわりと楽しかったです。でもなんでバレー部とかバスケ部は踊っているんだろうね! あからさまにそのダンスと部活の内容に共通点が見られないのは「一体なんのための会だ」と、聞きたくなるがまぁ良いや。

 そんな中で、男子バスケ部がいきなりTシャツを脱ぎだしたときは驚いたね! 下にノースリーブのユニホーム着てたけど[何を望んでいるんだよ]。

 運動部に入る気がまったくない、むしろマイナスに突入する勢いのある私でも惹かれた運動・弓道。やっぱり良いですね、袴[そこですか]。私的には巫女さんみたいな赤い袴が良いです。黒も好きなので良いんですけれども。
 問題は礼儀作法が整っていない私と、自分の身長の倍くらいはありそうな弓を持てるかってことですかね。

 応援団のなかに可愛い男の子[男の子?][注:先輩です]がいました。何あの子! 髪の毛長いよ! 初め女の子かと思いました。私と友人の間で、彼は【きよこ】という愛称です。応援で「きーよーこーうー」って言ってたので。
 きよこう。おそらく私の通い始めたばかりの高校の略称でしょうね。

 あとは自然科学部の化学班の白衣は良かったさっ! 欲しいね、白衣。白衣目的で入っちゃいそうだよ、自然科学部化学班。だって白衣良いじゃぁないですかぁっ! 堪らなく好きですね。白衣。でも、コスプレするならナース服。今はもうナースキャップつけていない病院のほうが多いのかしら? 悲しいね。憧れだったのに。
 ちなみに私はコスプレしませんよ?
 ルミノール反応は暗い中でやりました。綺麗な青でした。むしろ蒼って感じですけど。誰の血液使ったのかが非常に気になります。
 それと、心が濁っている人がそれを使うと、綺麗な蒼にはならないらしいですよ!

 音楽部は、なんだろう。吹奏楽とはまた違って、どちらかというと管弦楽専門みたいな感じの部活でした。ヴィオラ、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスなど大きさくらいしか見た目変わりないような楽器だけを扱っています。やるならヴァイオリンかヴィオラ。小さい頃からの憧れだったんだよ。だけどどっちにしても肩が凝るからやめておいたほうが良さそうです[小学生のときから肩凝り性の人]。体験には行きたいなぁ、と思いますけど。
 それにヴァイオリンは月森くん[金色のコルダ/白泉社]ですからね。好きですよ、つっきー[私的愛称]。でも一番は志水くんです。彼はチェロ。でもチェロは特別やりたいとは思わない。聞くのは好きだけど。

 茶華道部。…ねぇ、どうでも良いけど、それは振袖を着てやるものなんじゃないの? そうでなくても浴衣っていうのはちょっとなぁ…。だって浴衣だよ? あんた、夏祭りには幾分かまだ早いって!![かなり早いです]

 柔道部。入りたいなんて少しも思いませんが、背負い投げはしてみたい。
 あと、傍観は好き。あんなに白昼堂々と押し倒せるなんてなかなかない機会だよ! それを堂々と拝めるのはもっと貴重。

 剣道部。いきなり「江戸時代…」というナレーションがかかって、悪代官とかなんとか言われちゃったからおもわず土沖と連想しちゃったね! 流石剣道部。
 あーれーとか言いながら帯が取れていく場面はどうにもこうにも…でももっと可愛い男子か女子でやってください! あんなバカ殿みたいな化粧…[化粧なのかどうかよく分からないけど]。

 ソフトテニス部。どうでも良いけれど、ボール飛ばしてこないでください。驚きました。思わず受け取っちゃいました。返すタイミングが難しかったです。

 文芸部。なにやら小説を書くらしいですよ。コンクールとかにも応募して全国がどうのこうのって…あんた確かに私はアマチュアにもならないようなモノ書きですけどそんな二年生から理数系に進もうって思っている人の入る部活じゃないって!![つまり覗いてみたかったのか]

 まぁ、なんだかんだ言って楽しかったですよ。さて、何部に入ろうか。


 そしてどうやら自己紹介なるものをクラスでやるらしいです。……え、嘘。ちょっと待ってー!!
 そりゃね、やるとは思っていましたけど。でも今週中にやると思っていて、今週の予定にはなかったから自己紹介なんてないと思っていたのよ? それなのにやるの? 自己紹介? …いやん[何]。

 自己紹介自体はまぁ楽しそうですけど、自分何紹介するよ? 好きな声優さんは関智一で〜とか言っても誰も理解してくれないよ? あ、でもスネ夫って言えば良いのか?
 それでも趣味とか何にするよ。読書? まぁ嘘じゃないな。漫画が半数以上を占めているけれど。
 同人? アマチュア物書きって意味ですけど、私アマチュアにもなれませんし、そんなこと言えません。私にだって恥はあります!
 ピアノ? まぁこれも嘘ではないな。ロクに弾けませんが。せいぜい仔犬のワルツくらい? 中学時の友人は普通にラ・カンパネラとか弾いていましたからレベルの差を感じたね!
 あとなんだろうね。フルートとか言ってみる? 二年くらい触ってないけど。パソコンとか言ってみても良いけど、何やってるよ、って感じだしね。ゲームとかあんまり好きじゃないから、そういうことも言えないし。

 もうこの際ガノタだけでも公式にしとく? 機体も分からなくはないけど私が好きなのはキャラですよーみたいな。…駄目だ。高校生活いきなりこけたくない[既にこけている人]。しかも平成ガンダムはファースト時代からのガノタさんによれば「こんなのガンダムじゃない」って言われちゃいましたからねー。
 困ったなぁ。…そうだ、困ったと言えば、血液型って自己紹介で言うのでしょうか?[誰に聞いている]私、困ったことに自分の血液型に見られないんですよね。なんかどの血液型にも見えるらしいのですけれど。んーよく分からん。
 誕生日とか、言ったところで何になるんだろう。祝ってくれるのだろうか。プレゼントは現金で! とか勢い余って言っちゃいそうですね。別に悪かないだろうけど。

 好きなもの。大好物はアスイザです! 土沖は常識で、最近は平八にはまっています! とか言って分かってくれる人はどれだけいるかね。試してみたいけど、流石に先生のいる前じゃねっ! それなんだ、なんて聞かれたら返答に困ります。笑ってごまかせる自身はありますけど。
 眼鏡萌え〜とか言ったらクラスの眼鏡かけた人、取っちゃいそうですよね。まぁたまにするくらいがちょうど萌えなんですけど。だからなんでもキャラに眼鏡をかけさせたくなる。

 でも問題はコーディだ[コーディネーター/種]。あの人たちやたらと体の出来が良いから視力が悪くなるなんてことなさそう。あぁ、エザリアさんには読書中とか眼鏡をかけて欲しいのですけど…。
 宝塚も好きなんですよー。なんて言ったら、その場の温度が一気に下がるだろうし。
 カフェイン中毒です、なんて言ったら引くかな。でも本当だしなぁ。
 我侭女王様街道まっしぐらな思考回路と言動。…ちょっと抽象的?
 ついでに超ド級の異常性欲者[つまりサディスト]だよとか言った翌日にゃ、クラスにきっと私の机はない! えーでも銀魂の沖田はそうだよー。って、私はあいつと同類か。別に嫌じゃないけど、キャラ別性格診断ではいつもお妙さんだよ、私。まぁそのネタが通じる奴が一体クラスに何人いるかが問題なんだけど。

 まぁ冗談だから言えることもたくさんあるさっ!

 私的自己紹介をするならこんな感じ↓。


管理人:常盤燈鞠/東海地方在住/バリバリ理系の学生/我侭女王様街道まっしぐら
性格:ワイルド/ジェネラル/リアリスト/スマート/[キャラミル診断より]
好き:お金/眼鏡/パフェ/キムチ/お寿司/宝塚/雨/古典/数学
嫌い:虫/牛乳/忍耐/努力/優柔不断/お化け/幽霊/静寂/太陽/暗闇/花粉
作者:森鴎外/川端康成/谷崎潤一郎/樋口一葉/渡辺淳一/甲田学人
音楽:島谷ひとみ/ポルノグラフィティ/Every Little Thing/スピッツ/KinKi Kids
声優:関智一/石田彰/山口勝平/森田成一/林原めぐみ/諏訪部順一
中毒:カフェイン/萌/音/ネット


 偏ってるなぁ…。いろいろと。そしてこれだけである程度性格が見えてくるのが恐ろしい。ちなみに好きなカプは書ききれませんでした。コンビとかも結構ありますしね。



 とにかく、明日もなんとか頑張りたいと思います。なにせ、明日から自転車通学。フレームが赤いことから名前はザクウォーリア。愛称は勿論の如くザク。

「ヒマリ・トキワ[仮名]。ザク、出るわよ!」

 とか言ってみる? 歩道の真ん中で。…笑えないねー。少なくともあの制服着てる高校生が言う言葉じゃない。
 通学路で迷いませんように!![切実]

 ……とか思ってメールしてたら友人が自転車無理とのことで明日も歩きです。歩き、疲れるんだよなぁ…。今日もめちゃめちゃ疲れて足、痛くなりました。
 頑張れ、自分!!


2005年04月05日(火) 永遠焦がれる面影【デス種】【ハイネ夢】

 あなたが綺麗だと言ったその世界が一面、残酷という花で覆いつくされていた。





 その知らせが入ってきたのは、通信を切った、その日の夜だった。
 数時間前に交わした会話に一人馬鹿みたいに浮かれている、そんなときだった。最初に聞いたときには我が耳を疑った。初めに出た言葉は「うそだ」というなんともありきたりな言葉だった。
 嘘なわけ、ないのに。
 その次にはもう、言葉は出てこなかった。出てきたのはたくさんの涙だった。

『いい加減さぁハイネって呼べよ。そんなに恥ずかしいか?』
「恥ずかしいうんぬんの問題じゃないです」

 恥ずかしいのもまた事実だから否定はしなかったが、それでもきっぱり言い放つ彼女。それに一度でもそう呼んでしまったらそれが癖になってしまうことくらい自分で分かっていた。きっとハイネはそれでも良いと言ってくれるだろうけれど。寧ろ、喜んでくれるだろうけれど。
 階級のないザフト。しかし、上司の彼を呼び捨てにするなど、律儀な彼女のプライドが許さない。
 だから呼ばないし、呼べない。

『じゃっさ』

 得意げな顔になったハイネに彼女は彼がこれから紡ぐであろう言葉に逆らえないことを本能的に悟っていた。それでも聞かなければならないと思うのもまた本能か。

『今度、デートしたとき。一回でも良いじゃん?』

 付き合い始めてからどれくらいが経っただろうか。プライベートでも名前で呼んだことはなかった。

「…わかりました。その代わり一度だけですよ」

 溜息をしてから渋々了承した彼女は、釘を打つことを忘れなかった。そんなところが彼女らしくてハイネの口元は自然に緩んだ。
 断ることができなかったわけではなかった。いつものように流すこともできた。だけど、今回は敢えて受け入れることを選んだ。そこに、意味があるとかそんなことも考えていなかった。
 画面越しで喜ぶハイネを見て、彼女も笑う。自分の一言で喜んでくれるハイネの存在が嬉しかった。

『じゃ、またな』
「いってらっしゃい。ハイネ先輩」

 いつも「またね」と言って通信を切るから。プライベートでも最後はいつも「またね」と言って、いるから。
 だから、このときも思ってしまったんだ。
 また、があると。
 そんな保証、どこにもないのに。今は戦争をしているのに。
 ―――――…あぁ、なんて愚かなんだろう。私は……。
 結局一度も呼んであげることができなかった。本当はずっと呼びたかった。「ハイネ」と。誰よりも愛しく、誰よりも近くで。ずっと、呼びたかった。
 何度、そう呼ぼうと思ったことか。そのたびにプライドが否定して。今思えばそれだってくだらないものでしかないのに。
 人の死を前にして、それ以上意味のあるものなんて、ないのに。
 戦争をしているのだ、私たちは。そしてハイネも軍人だった。既に過去形で語られる思いが痛い。
 まだ、こんなにも残っているのに。ハイネの声が、ハイネの表情が、ハイネの仕草が…全部、記憶の中にはこんなにも鮮明に残っているのに。
 どうして、彼はいないんだろう。
 どうして、自分はここにいるのに、彼はもういないんだろう。
 プラントにできるであろうその墓石の下にだって、ハイネはいないのに。彼は地球の海で眠っているのに。
 自分は見たことのない、母なる大地の雄大と語られる海に。
 いつか、ハイネと行こうと約束した地球の海。その約束だって、これから先果たされることなんてありはしない。
 それでも願うのは愚かだろうか。分かっていても許しを請うのはいけないだろうか。
 じゃぁ、どうしたらいい?
 思い込みでも良いから何か、納得させる方法があるのか? いいや、ありはしない。それを彼女は知っていた。誰がわかってくれるだろうか、この悲しみを。
 思えば、名前どころか「好き」ともまともに言ったことがなかったような気がする。ハイネはあんなにたくさん優しい言葉を紡いでくれたのに。からかわれることだって、決して嫌ではなかったのに。
 仕事を理由にして何度も逃げようとしたけれど、腕を掴まれるのは本当にいつものことで。反射的に平打ちをしていたのは紛れもなく自分だけど。
 素直じゃなかった。本当はすごく、すごく好きだったのに。今でも好きなのに。

「ハイネ先輩はどうして軍に入ろうと思ったんですか?」

 昔、ようやくハイネ先輩と呼ぶようになった頃の話。何気なく聞いたこと。ハイネの隣で食事を取っていた頃がひどく懐かしい。それすら今は、昨日のことのように思えるけれど。もう、戻らないから余計にそう思うのかもしれない。
 少し間をおいた後、ハイネは言葉を紡いだ。

「んー。守りたいと思ったから、だね」
「大切な、人を? プラントを?」

 安直な、単純な思考回路からはじき出された答えはその二つしかなくて。
 ハイネは笑いながら頭をポンポンと撫でる。彼女は子ども扱いされているようで実に不服だったけれども。

「それもそうだけど…世界、だなぁ。やっぱり」
「…せ、かい…?」

 よく分からない言葉のニュアンスを彼女は反芻するだけで精一杯だった。
 首をかしげて聞いた彼女にハイネの緑の瞳はどこか遠くを見ながら真剣に語る。オレンジの髪が何気なく揺れていた。

「本当なら誰とも戦いなんかしたくないさ、俺だって。でも、みんながみんなそう考えているわけじゃないだろう。だから戦争が起こる」

 少なくとも自分はそう考えている、とハイネはそう言って彼女に微笑んだ。
 反対に彼女は少し、難しそうな顔をしながら答える。

「でも、馬鹿ひとりが逆説を唱えているだけだったら、戦火なんか広がらないでしょう」
「そうだな。だからブルーコスモスなんて集団はあるし、そいつらにこれまた厄介な悪知恵しかないから悲劇は広まっている」

 ブルーコスモスというのは確かに馬鹿ではやっていけない団体だ。コーディネーターをどう全滅させるかなどということを知恵のない人間が考えられるとも思わないし、寧ろ考えるとも思えない。
 だからその団体の盟主は何かしら政治に関わっていたり、表舞台に立つ人間だったりと、いわゆる賢い人間が多いと言ってまず間違いないだろう。
 だったらその賢さをそんなくだらないことに使ってくれるな、というのがコーディネーターの反論なのだが。
 戦争は悲劇しか生まない。そして悲劇だって悲劇しかよばない。結局どうしようもない鎖の連鎖なのだ。
 だからこそ、誰かがどこかで我慢してそれを食い止めなくてはならない。それが損な役割だと分かっていても、誰かがやらなければそれはなくならない。
 悲劇は嫌だ。でも、自分が我慢するのも嫌だ。
 それでは欲しい玩具を買ってもらえないで駄々をこねている子供と同じではないだろうか。
 ナチュラルでもコーディネーターでもその思いは同じ。しかし、どちらとも折れることはない。
 少数の人間が正論を唱えたところで、変わりはしない。 

「それでも守りたいと思う? こんな【せかい】を」

 醜い。彼女はそう思う。そして、そんな【せかい】を守る価値などありえようか。
 彼女自身、そんな【せかい】を守ろうとは思わない。

「あぁ、思うさ。だって【世界】は綺麗だろ?」
「そう?」

 ハイネが言うほど、彼女は世界を綺麗だとは思えなかった。
 普通に、ただ当たり前のような日常を続けていけたら良いだけなのに。他に、何が欲しいのだろうか、人々は。

「綺麗さ。【マーベルの瞳を通して見る世界】は透き通っていて、眩しいくらいに綺麗だ」
「なっ…!!」
「護るよ。世界も。…マーベルも」

 今までに見たことがないくらいに真剣な緑の瞳で言われて、何かを言うことすら忘れてしまっていて。時が止まったようだった。息をすることさえも忘れていた。
 ただその言葉の、異様なまでの心地好い響きに胸を踊らされていた。嬉しかった。ハイネが、そう言ってくれて。だけど反面驚きも多くて。自分にも、そう言ってくれる温かい人がいて、本当に良かった、と。

 嘘つき。護ってくれると言ったのに。いなくなってどうやって護ってくれるというのか。
 世界は残酷だった。綺麗と言ってくれた人を、こんなにも早く亡きものにした。世界そのものが罪なのか。
 それでもまだ残っている。ハイネが綺麗だと言った世界は。彼女が生きている限り。もう、誰も見てはくれないけれど。彼女の白桜の瞳を通してみる世界。
 だけど、それは同時に彼女の見ることのできない世界を示していた。それもまた残酷だった。
 溢れてくる涙が止まらない。見えない聖杯に流れる涙。それは血で血を洗う戦場に酷く不釣合いで。


『護るよ。世界も。…マーベルも』


 その言葉の響きが、「好きだよ」と言われているみたいで。
 今でもこの耳に強く、残っているんだよ。



「ごめんね、ありがとう。…私も、ずっと好きだから……好き、だから、…ハイネ」



 世界の終わりに少女が一人ポツリと呟いたその言葉は、誰にも届かなかった。





********************
 なんだか回想ばかりになってしまった…。あはは。どうも、すいません。そして更にはデフォルトでまくりでごめんなさい。


2005年04月04日(月) 止まずの雨【デス種】【ハイネ夢】

 その日は人工的に決められた雨の日だった。窓の外では打ちつけるような雨が音を立てて降っていた。





「で、私はジュール隊に人事異動になったのよ」

 ぐつぐつ、コトコトと様々な音をキッチンで立てながらエプロン姿の彼女はダイニングのソファに座るハイネに言う。
 既になれてしまっている夕食の準備など、話しながらでも余裕で出来る。
 仕事中は二つに結われているシルバーグレイの髪の毛は、今は一つに結われていた。

「ナスカ級艦…ボルテール、だったか?」
「そう」

 二人分の食事を用意することに、かすかな喜びを感じながら彼女はテキパキと調理を進める。しだいに良い香りがしてきて、ハイネも立ち上がり、キッチンへ向かう。作るのは彼女に任せきりだが、自分にも手伝えることはしないと、下手をしたら彼女は夕飯抜き、などと言いそうだから。
 そんなハイネに気がついた彼女はできあがっている皿をハイネに渡す。本日の夕飯はパスタらしい。ミートソースのかけられた皿を受け取り、ハイネはダイニングのテーブルに置く。

「ジュール隊、隊長って…若いよな?」

 綺麗に切りそろえられた銀髪の白い服を着た隊長を思い出す。確か、ユニウス条約締結後は、クライン派として、一時的にプラント最高評議会議員になっていた人間だ。
 それまでザラ派だった母を非難するようなその行動に自身はどう思っていたのだろうと無意味なことを考える。

「やだ。先輩とそんなに変わりませんよ。確か十九でしたけど…」
「ふーん」

 聞いておきながら、さして興味がないようにハイネは次の皿を彼女から受け取る。

「また会えなくなるなー」
「仕方ないですよ。同じ配属になることのほうが少ないんですから」

 現在、軍本部に所属しているハイネと今まで別部隊にいて、これからジュール隊へと転属する彼女と。
 同じ所属になったのはホースキン隊、一度きりのことだった。ハイネはそれに対して不服でならない。こうして一緒に食事する機会すら減らされてしまうのは、子供のわがままかもしれないが、嫌なものは嫌だった。
 始めが同じ隊だったこともあり、それに慣れてしまうと、違う所属というのはピンとこない。物寂しいだけかもしれないが。

「いいじゃないですか。今だってこうして一緒にいるんですから」

 そういいながら彼女はハイネにカルボナーラのパスタが盛ってある皿を渡す。雨のせいか、空気が冷えていて、温かいパスタの皿との温度差がハイネの手に感触として伝わる。
 ふと、窓の外を見るが未だやむ気配はない。天気予報では明日の午前まで雨だった。はずれることのない天気予報だ。信じてまず、間違いはないだろう。

「コーヒーにする? それとも紅茶?」
「ん、コーヒーで」

 ハイネがそう言えば、彼女は無駄な行動一つせずにコーヒーの準備を始める。そしてハイネは引き出しから二つおそろいのフォークを出して、ダイニングへ向かう。
 彼女はコーヒーをセットした後、エプロンをはずし、髪の毛のゴムをとりながらカーテンを閉めようと窓のほうへと向かう。

「雨、止みませんね…」

 白いカーテンの端を掴んでどこか哀愁漂うように言った彼女をハイネは後ろから肩を抱きしめる。特に理由はなかったけれど、あえていうなら弱弱しい背中をいつまでも見て痛くなかったからだとハイネは思う。
 彼女は絡みついた驚きながらも、腕を離そうともせずそのまま受け止めた。

「寒いか?」

 ハイネの言葉が耳元で聞こえて。その吐息までもがリアルに伝わる。オレンジの髪がすぐそこにあって。彼女の顔には自然を笑みが浮かぶ。
 無意識のうちに、彼女は自分の肩に回されていたハイネの手を握り締めていた。

「いいえ…」

 自分の肩に乗せられたハイネのオレンジの頭。絡みつくような腕。触れる部分から伝わる熱こそがぬくもり。
 温かいよ、だってこんなにも近くにいるんだもの。放したくないと思うのを愛ゆえの我侭というのならば、相手は聞いてくれるだろうか。

 もうすぐコーヒーが温まる。それまで、もう少しだけ。





********************
 あまーい……。ユニウスセブンの破砕作業が終わったジュール隊にヒロイン転属。これが最期の顔合わせになるような気がする。通信越しとか抜いて。


2005年04月02日(土) 冬、来たれ【デス種】【ハイネ夢】

 少しずつ、季節は何もかもが活動を停止する冬へと足を進めていた。





「まだ秋なのに…寒いですねぇ」

 広い広場の大通り。まるでどこかの大学のキャンパスのように広いそこは道の両側に大きなたくさんの木が赤や黄色の色の葉をつけていた。風が吹けば当たり前のように舞い落ちる。
 プラントの季節というのは地球で言う北半球の季節と同じように移り変わっていくように設定してある。だからきっと地球の北半球と呼ばれる地域では同じように紅葉が見られているだろう。
 そんなところを珍しく非番が重なったハイネと彼女は歩いていた。

「そんなに着てるのに?」

 少し厚手の茶色のロングコートを着て、尚且つその下にもいつもの如く厚着をしているであろう彼女とは正反対にハイネはセーターにコートという実に薄い格好だった。
 彼女が厚着をするのは冷え性だから、とハイネは聞いている。女性は大変なのよ? と以前言われたことがある。
 そんなことを思い出しながら自分の少し前を行く彼女を見る。

「冬も…そう遠くないもの」

 微笑みながら言う。秋というわりには、確かに今日はいささか寒い。風はないが、空気が冷たい。
 仕事のときは結っているシルバーグレイの髪の毛がふわふわと揺れている。彼女はまっすぐなストレートに憧れているというけれど、ハイネはそのクルクルが彼女に酷く似合っていると思っている。
 ハイネの深い緑の瞳が小柄で華奢な彼女を映し出していた。そんな彼女までもが軍に入らなければならない情勢が悲しく思える。それがいくら彼女の意思だとしても。
 本当なら彼女は危険だから軍を辞めさせたい、もう戦争も終わったから。実際に戦争が終わってから辞めていく人間は多い。しかし、それはボランティアの人間が多く、彼女はちゃんとアカデミーを出ている。
 それに、それをあっさりと受け入れる彼女でもない。そんな理由で、と強い言葉を返してくることなど目に見えている。
 思考を巡らせながら深い溜息をつく。魂までもが抜け出しそうな吐いた後、体は無意識のうちに肺に空気を送り込もうとする。冷ややかな秋の新鮮な空気が肺の中いっぱいに入っていくのが分かった。

「マーベル」
「はい? っ……!?」

 名前を呼ばれたから振り向けば左腕を思い切り引っ張られ、気が付いたときには端整なハイネの顔とオレンジの髪の毛が目の前にあった。
 驚きのあまり白桜の瞳は大きく見開かれていた。いきなりの出来事に対して彼女は
一瞬思考が止まる。どうにも彼女はこういう【いきなり】の出来事に対して弱い。ハイネもそれを知っていて、そうするから性質が悪い。
 しかし、いくら彼女とてそれをキスだと自覚するのにそう時間はかからなかった。
 分かった途端、彼女が出る行動は決まっている。ハイネの失敗は彼女の利き腕ではない左腕を引っ張ったことだ。
 彼女の右手がハイネの頬を叩く。パシン、と渇いた音が響いていた。

「な、なにするっ…ぇ?」
「イチゴ味」

 突然のキスに驚いて平打ちをして、怒鳴り込もうとしたとき口の中の違和感に気が付く。何か、球形の物が転がっているようだった。
 そんな彼女の平打ちも戸惑いも全て予想していたかのようにハイネは喉の奥で笑いをこらえながら球形の物の味の正体を教える。
 首を傾げて彼女は訊ねる。おそらくは赤いであろうそれは、何なのか。

「あ、あめ…?」
「正解」

 口の中の異物感はどうやらハイネの口から移ってきたものらしい。飴という日常に溢れるお菓子の一種が自分の口の中にある。なんだか違和感があって仕方がない。
 得意げに右手の人差し指を立てて言うハイネに彼女は怒りを通り越して、呆れてしまう。

「普通に渡せないんですか?」

 二の舞にならないように、と今度はハイネの隣を歩きながら彼女は言う。同じ方法をハイネが使ってくるとは考えられなかったが、とりあえず予防しておくにこしたことはない。

「いや、何? マーベルが可愛かったから」
「はぁ?!」

 ハイネは至って真面目だが、言われた彼女にしてみればわけがわからないという感じだ。

「だいたいなんでイチゴ味の飴なんかを先輩が…」
「まぁまぁいいじゃないの。好きでしょ? イチゴ」

 笑いながらハイネは言う。すっかり好みを見抜かれているハイネに彼女はなんとも言えない微妙な感情を持った。
 そして深い溜息の後、無意識のうちに微笑した。嬉しさで頬を少しだけ赤くして。
 そんな彼女の様子に気が付いてハイネもまた心地好い気分になった。

 冬がもうすぐそこまで来ている。だけど、ぬくもりがあるから大丈夫。





********************
 彼女をからかうのが大好きなハイネちゃん。決して軽くはないと思います。


2005年04月01日(金) 鴻鵠一興【デス種】【ハイネ夢】

 ソプラノの声が響く。口元に片手をやるのは、メガホンの効果を期待しているから。





「せんぱぁい。ハイネせんぱぁい」

 ザフト軍司令部を緑の制服を着崩すことなく清楚に身に纏い、とある人の名前を呼びながらパタパタと小走りをする。高い位置で二つに結われているシルバーグレイのふわふわした髪の毛が揺れ、人々の目を集める。
 しかし、当の本人はそんな目を気にすることなくお目当ての人物を探す。その人に伝言を届けないことには次の仕事にもかかれない。

「ハイネ・ヴェステンフルスせんぱぁい」
「そんなに叫ばなくても、聞こえてるって…」

 何度目か彼女が呼んだ後に赤服を身に纏ったオレンジの髪の人が後ろから声をかける。彼は何度も呼ばれたことに対して軽く溜息をつく。呼ばれるこっちの身にもなってほしいとかそんなセオリー的なことは思わなかったが、そのことによって彼女が注目の的になることを自身でもう少し自覚してほしいと思う。

「あ、ハイネ先輩。ホーキンス隊長が呼んでいました。至急隊長の部屋へ、とのことです」

 見つかったことに対して安堵しているのか、軽い笑みを浮かべる。凛と背筋を伸ばし、ザフト敬礼なるものをしながら名前を言い、用事を簡潔に述べる。
 それに対してハイネもザフト敬礼をして返事をする。

「了解。では、お同行を願えるかな?」
「そういう笑えない冗談は余所でやってください、先輩」

 ふざけた口調で言ってみる。彼としては同行してくれるならば嬉しい。だから、そうできるならなるべくそうしたい。
 そんな彼の心まで察知しているかのように彼女は笑って返す。「仕事もまだ山ほど残っている」とは彼女の言葉だ。
 ハイネはそんな彼女の笑顔にも慣れたのか、未だ自分のことを名前だけで呼ばないこの場を去ろうとしている彼女の腕を引っ張る。

「なんですか? もう仕事に戻りたいんですけれど」

 伝言を届けに来ただけだ。用事が終わったので彼女はさっさと自分の仕事に戻りたい、と思っている。

「…どうでも良いけどいい加減ハイネって呼べよ」

 どうでも良くない、と思いながら彼女は溜息をついた。
 ザフト軍というのは地球軍のように階級があるわけではない。それはボランティアで軍が構成されているからだった。だから実際に士官学校などを出ていなくても正規軍人にはなれる。
 だからといって縦社会というのが意識されないといったらそれは違うだろう。着ている軍服の色などによって上司と部下の関係ができることは必然といえた。
 しかし、ハイネは全くといって良いほどそういうことは気にしていない。だいたいそれがザフトの基本とも言える。どういう経緯であれ同じ【プラントを守る】という名目の下集まった人。それだけで充分仲間、と言えた。少なくともそれが彼の根本にある。
 気軽に、楽しく…とまでは流石に言わないが戦闘以外で哀愁を帯びた雰囲気を作る必要はない。作りたくもない。せめて、戦闘以外は。戦闘さえなければ一人の人間だし、ハイネだってそれは同じ。だからこそ、ハイネと周囲に呼ぶようにしてもらっているのに、目の前の白桜色をした瞳を持つ彼女だけはなかなかそう読んではくれない。

「先日フェイスになられた方にそんな恐れ多い…ヴェステンフルス先輩って呼んでいた頃から比べれば成長しましたよ」
「ま、そりゃそうだが…」

 苦笑しながら言葉を返した彼女にハイネは頭をかく。本人がそんなことを気にしているわけではないのだから別に良いのに、とそう思わずにはいられない。
 第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦をもって、あの地球・プラント間の長きに渡る戦争は終結した。だからと言ってすぐに平和が訪れるわけではない。色々と忙しいのは当たり前だった。事後処理に終われるといえば聞こえは良いだろうが、彼女がやっているそれは、要は雑用でしかないものばかり。
 でも、そんな仕事も決して彼女は嫌いではなかった。
 ハイネと彼女が初めて会ったのはもう三年も前の話。月日が経つのは早いものだ。
 場所はアカデミーの講習会。題材としてとりあえげられた【パイロットの求めるモビルスーツ通信管理者像】の説明を現役エースパイロットのハイネがした。生徒として彼女がいた。
 勿論、ハイネほどの人間が年頃の異性の女性の間で噂にならないはずもなかった。しかし彼女は語尾にハートマークでもつきそうなくらい甘い声でハイネの名前を口にしていた少女たちとは違い、ハイネのことを【ヴェステンフルス先輩】と呼んでいた。おかげで口は良く回るようになったと思う。

「だいたい、赤服でしかもフェイスの先輩とたかがしれているモビルスーツ通信管理をしている私とじゃ軍においての地位が違いすぎます。私はいくらでも代わりは効くけれど、先輩はそうもいきませんから」

 淡々と告げられる。どこか無慈悲さを感じるのは気のせいだろうか。
 内容と表情が酷く掛け離れているような気がしてハイネは一瞬戸惑った。普通そう返すだろうか。
 どうにも彼女は頭が少々固い。典型的なA型の性格をしているが、実際の血液型は0型だというからこれもまた驚きだ。所詮、そんなものは当てにならないと言う良い例。

「モビルスール通信管理の代わりはいくらでもいるだろうが、俺にとって【お前】の代わりは誰にもできねぇよ」

 そっと自分より下にある頭に手を乗せて笑って言う。いつもは帽子が乗っているそこも今日はないので手の置き場に丁度良いと心の隅で思う。
 すると、彼女は顔をあげ、顔を赤らめることもなく慣れたように、にっこりと笑う。御礼の言葉を言うのかと思いきや…。

「そういうのは仕事が終わってからにしてください」

 単なる皮肉だった。
 しかし、ハイネは余裕の笑みでそれをひらりと交わすかのようにポンと頭を叩いて彼女の横を通り過ぎるときに仕掛けた。

「じゃ、今夜明けとけよ」

 彼女の耳元でそっと呟く。少しだけ身を屈めてくれたようだった。
 頬が赤くなるのを自分でも感じながら振り返るが、既にハイネは後姿。背中で語るとはこんなことか、とそっと心の隅で思えば顔が赤くなるような気がした。
 こんな自分を見られなくて良かったと思うと何んだかまた恥ずかしくなって両方の耳に手をやる。

「今夜って…仕事、あるに決まってるじゃない」

 本当に、何を考えているのかさっぱり分からない。
 それでも早く仕事を終わらせようとするであろう自分に彼女はなんとも言えない表情を心の中だけでするのであった。





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 種終了後、くらいですかねぇ。


常盤燈鞠 |MAIL