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都知事選 − 福士の見た浅野史郎氏の選挙 - 2007年04月10日(火)
石原慎太郎に負けた、というより考えることを放棄した都民に負けた。石原氏は当選確実が伝えられた時「都民の皆さんの良識が、この結果をもたらした」とあいさつしたという。都民に良識があれば、都政運営に側近政治や身内びいき政治を入れ、散々批判された石原氏を、また当選させるはずがない。 浅野氏については「全国知事47人の実力」でNo.1と評価され、福祉の浅野として宮城県の施策を充実させた人である。都民にとっても、石原氏よりはるかに良い都政運営になったと思う。 私は期間中ほとんどテレビを見なかったが、友人が「消去法で石原氏」という市民の声を聞いたという。どういう消去だったのだろうか。ただ私の周辺でも、私が「浅野さんを!」というと「へぇ、そうなの?」といわれ、私の方が驚いた。浅野陣営の公報では、オヤジギャグを連発する浅野キャラの面白さも見せず、浅野氏の功績も目立ったPRをせず、実につまらないものだった。石原対浅野の一騎打ちという図式は、浅野氏立候補表明の時からマスコミでも描かれていたのに、一般の人はそれも知らなかったのだ。 もう一つ、浅野氏立候補表明直後から始まった共産党の浅野バッシングもひびいた。キャラクター受けのする吉田氏だったが、どうあがいても、石原氏と対等に闘えないのは見えていた。それにもかかわらず敵は浅野とばかりのバッシングが続いた。 選挙後は「良い戦いができた」といい「石原氏は反省を口にするようになった、福祉もやるといった」といって「前進を勝ち取った」と自画自賛していたが、石原氏が反省し、福祉都政をつくると、本気で考えているのだとしたら、オメデタイとしか言いようがない。早速神戸市のことなど、良く知りもせずにいう非礼な石原節も戻った。こうして敵を間違え、敵に勝ちを与えてなお、現実を見ようとしない共産党は、時に正論を述べても心ある人から捨てられる。 今回の選挙は、数々の強権石原都政を変える千載一遇のチャンスだった。そして共産党も、当選は別としても、市民に評価を得られるチャンスだった。また4年間を暗い政治が行われ、オリンピックをテコに不要な事業に税金はばらまかれる。知事の友人・知人は潤い、都民はきゅうきゅうと暮らすことになる。そして次は息子へと、家内政治が引き継がれたら都政はどうなるのだろうか。
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