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こちらでは、龍先生から届く便りを掲載致しております。

2009年11月01日(日) アンパンマンについて

2回にわたってお届けしたアンパンマンの歌でしたが、とても深い意味が込められている中で、アンパンマン自身にも大きな意味が込められている面がございます。

今回は、そのヒーロー像についてお話させて頂きたいと思いますが、やなせさんがアンパンマンを生み出した背景には、戦争におけるとても深刻な食糧事情があったと言われています。

戦中や戦後、食べ物がなく空腹で仕方が無かった状況。自分自身の飢えの経験から、「困っている人を助ける。困っている人に食べ物を届けるヒーロー」という像が生まれました。

アニメの中で、アンパンマンはお腹が空いている人に顔の一部を分け与えますが、その事で自分が悪者と戦う力が落ちてしまいます。
それを分かっていながらも、目の前の人を見捨てる事はせず、さらに、どんな敵が相手でも戦いを放棄する事はありません。

この事について、やなせさんはご自身の経験から、「究極の正義とはひもじいものに食べ物を与えることである」と仰り、また、「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです」、というコメントも残されております。

私達が普段生活している中で、今の日本ではひもじい方に食べ物を与える・・・という事は中々ないものですが、困っている人を助けるという事においては、アンパンマンと同じように、周りの方に手を差し伸べる事ができるのではないでしょうか。

例えば、自分がとても疲れている中でも、電車やバスの中で席を譲ってあげたり、突然の雨で傘を持ってない人に傘を貸してあげるなど・・・。そこには、自分を犠牲にするという面があるかもしれませんが、相手の幸せが自分の幸せに繋がっていく、良い因縁がございます。

毎日を過ごす中で、ついついそういった機会を見過ごしてしまいがちですが、今回の便りを通して、そのような部分に少しでも目を向けられるような心の余裕をお持ち頂けたなら幸いです。



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