店でのお誕生日当日の朝7時30分
泰ちゃんから電話が鳴って居たけれど、出なかった。
別に、前日放置されていたから、とかでは無い・・・多分〔何〕
其の侭寝ていたら玄関で物音がした後、寝室のドアが開いて
凄く大きな花束を抱えた彼が入って来た。
『晃、1日早いけれどお誕生日おめでとう。』
出勤前に寄ってくれたらしい
凄く凄く驚いた。
お誕生日に彼氏〔らしき人〕から花束を貰うなんて初めての事だったから。
『覚えててくれたのね、有難う。』
彼は『1日早いけど。』と笑って抱き締めてくれた。
そして、1時間弱程話をして、彼は出勤した。
そして本日は誕生日なので、普段はお店で一切お酒を飲まない
いや、飲めないワタシだけれど、本日ばかりはそうも言って居られない。
いそいそと美容院に出掛け、あっと言う間に出勤時間。
いつもは、車で出勤するけれど、今日は仕事を終えた泰ちゃんに
何とか時間を作って貰い、お店まで送って貰った。
時々放置されたり、飲んでばかりな人だけれど
お願い事をすれば、其れらは大抵叶えてくれる人でも、ある。
言えば、大抵の事を引き受けてくれる
其れは解って居るけれど、出来るだけ彼にお願い事をしない
と、言うのもワタシの中で思っている事の1つ。
『終わったら、電話して来い。起きてたら迎えに行くから。』
そう言ってくれた、彼。
お店に着くと、ワタシの心配とは裏腹に、続々お花が届いた
店内、店外を埋め尽くすお花や風船に一安心したワタシだったけれど。
店内外の花を見て、ママが『だから心配する事無いって言ったでしょ?』
其の言葉で心底ホッと、した。
ワタシは、取り合えずママの顔を潰さなくてすんだんだ、と。
お客さんの入りも好調で、閉店まで席が空く事は無かった。
残念なのは何組かお断りした事、中にはワタシの売り上げに繋がるお客さんも居たから
其れはちょっと悔しかったけれど、お店の売り上げにも十分貢献出来た様で安心した。
通常より1時間近く遅く閉店したお店
何とか今年のお誕生日も終わった。
全員が、安堵と疲労で暫く動けなかった。