綿霧岩 DiaryINDEX|past|will
プールの水に潜ると、外の音は聞こえない。息をしようと顔を上げると、室内にじゃんじゃんかかっている音楽が聞こえる。泳ぎながら顔の上げ下げの間隔を短くしていったら、耳に入ってくる音が細切れになる。聞こえるのも、聞こえないのも、どちらも楽しい。
扇風機のきしむ音がいつの間にか消えている。スムーズに首が回るようになったようだ。
セリフを喋るのは大変なことだ。と昔よりもずっとずっと強く思う。他人の言葉を他人に届ける媒体が役者だ。それはなんというか、物みたいだ。悪い意味じゃなくて。奇妙に知的で、自由自在な物みたいなんだなあ。希望的に。
カタギリミワコ
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