舌癌とともに生きて...サクラ メイ

 

 

違和感 - 1986年11月23日(日)

夫との同居から2週間が過ぎた頃、食事のたびに、ある違和感を覚えるようになった。

みそ汁を飲むときに、舌の裏側にかすかな痛みが走るのだ。

刺すような、染みるような。


結婚して、遠くの土地にきて環境も水も何もかも変わったためかしら?と気楽に考えていた。

それが、2日たっても5日たっても、1週間経っても、そのかすかな痛みは変わることなく、舌の裏側に感じた。


...

この日は - 1986年11月09日(日)

昭和61年11月9日

私が夫と同居をはじめた日だ。

結婚式はずっと前に挙げている、婚姻届もすでに提出してある。

住む家の事情で、同居が一番後回しになったのだ。




やっと大好きな人とずっと一緒にいられる。

子供もたくさん産んで、幸せになるんだ!



私は幸せのまっただ中にいた。

まさか自分の身体の中に恐ろしい病魔が潜んでいるとも思わずに。


...

はじめに - 1986年11月08日(土)

舌癌と診断されて18年が過ぎた。

よくここまで生きられたというのが本当のところなのだ。。




世の中に「闘病記」「手記」という物があるが、私の生活には無縁だと思っていた。

けれど、私の舌ガンとの闘いの18年も、記録として残してもいいのではないかという気が最近してきた。

ひとりでもふたりでもこれを読み、なにか感じてくださる方がいれば、私が生かされた意味もあるのではと思う。




18年。

最初にこの病名を知ったの頃に考えた以上に長く生きられたと思う。

今の私の身体の状態では、たぶんあと18年生きることも可能だろう。

この間に医療技術も進み、今、同じ病気に罹ったとしても、私のような辛い治療を受ける必要はないのだという。




しかしながら、手術後の18年は、決して健康とは言えぬ18年だった。

これからの人生も、ガンと向き合い、ガンをなだめながらの生活だと思う。。




それでもこうして生き続けているのは

たぶん

とても幸せなのだと

日々感謝して生きている。





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日記は当時の記憶をたどりながら書いているので、日にちが正確ではありません。

正確に覚えてる日にちもあれば、2日から1週間程度の記憶違いもあるかと思います。


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