ことばとこたまてばこ
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酔漢まっぴるまから酒を呑んでるー たわむれとばかり新聞チラシ裏の白紙いっぱいに 愛という文字を震える手つきで大きく書いた 酒を呑みながらその文字を眺めた きもちがわるいなと酔っぱらった脳ながらも直感的に感じた あまりにもその直感がきもちわるすぎたので驚いた 愛という美しい文字にこんな情感を抱いてしまうことはいけないこと と判断のつけるおりこうさんの私えらいですねほほほってだれもほめてない 書かれた愛の文字の上により強い筆圧でなぞって書く 愛の上の愛 やっぱりきもちわるいと思った 焦る また書く こんどは丁寧に丹精にきれいになぞる ゴリゴリとなんだか木版削ってるみたいに書く 愛の上の愛の上の愛 どうしようもないほどきもちわるいなと思った 焦る 書く 愛の上の愛の上の愛の上の愛の上の愛…だめだった おぞましさがいや増すだけだった 酔漢、ゲロがでそうになるあのいやな感触が喉にこみあげてきた なので何十にも渡って書かれた愛の文字のチラシまるめて捨てた 酒の酔いのせいだと思うよとキリンラガービールのロゴの麒麟に言い訳をした ごろりと横になって、すだれ越しに光の差し込める窓を見た きれーだねーと心思った
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