ことばとこたまてばこ
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2006年01月28日(土) 愛とサボテンのしたたり

障害者であることは不幸ではない。
障害ゆえにコミュニケーションの幅を狭められていることこそが不幸だ。


人々が色眼鏡をかけた眼差しを私に向けていることを自覚しながらも、
それを外してやるだけの力が私にないと判った瞬間。


檻の中に閉じ込められて鉄格子をつかみながらキィキィ鳴いているけだものさんの声は、
遠い音のように陰鬱なるあわれな血の響きを聞きつけた人々にのみ崩れ届いて。


2006年01月23日(月) 問答

数々限りない数々の無量大数

すべての沈黙を封印して
無情の言葉を押さえて
清潔な匂いが充満した密室で
灼熱の問いかけ聞こえてくる


そして永久に芽生えぬ答えをこそこそと
バイクにまたがりながら吹聴してまわる小人さん


風に飛ばされてきれぎれの言葉を
極楽鳥が群がりてついばむ


2006年01月19日(木) たれた眉毛のおじいさん


なんもかもがもからっぽっぽっぽ、からっぽだなー、

たれた眉毛のおじいさん、マイクをにぎりしめてうたってる、

ほほほほほほほほほほほほほほほとほほえみをほほほほほと、

からっけつな穴が海の底にしづんでるねー、

づんだったー、だんららったー、はげあたまをぴしゃぴしゃり、

口をすぼめてちゅんちゅんちゅんと鳴いた、だって酔っているからさー、

こわいなあ、あなたのその白さってばとてもこわいなあー、

とんでもないねー、とんでもないよー、えらいこったー、

なんもかもがもまっさっさおさお、まったく海だなー、

今日はぼくの誕生日、うふふふふっ!


2006年01月10日(火) 永遠に聞けないのだなあ、と急に自覚してしまったよ



ラララ、ララララ、ラララララァ〜♪

ちゃ〜らら〜ら、らーららら、らーららーらら〜♪

ラララちゃららら・・・


2006年01月01日(日) サラリーで買えぬ物たち

ピンクの耳あてにも負けぬほど赤くふっくらと丸いほっぺの子供がにっこりほっこりほがらかにぴょんぴょん飛びはねて転がりながら慈しみのまなざしをたたえる母親と手を取り合いながら遊ぶ様子を見つめているうちに、胸の隙間すべてが塞がるという、どうしようもなくとんでもない情感に全身を呑みこまれてしまって、息をでたらめに詰まらせ、あえぎ、恥も外聞も溶けうせ、鼻水も大量に流し、おいおいと長いこと泣きじゃくったため、横隔膜もすっかり痙攣してヒックヒックヒックといったしゃくりあげが止むことのないサラリーマン。


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