あたたかなおうち



 指輪

私の手は、子どもたちに負けないくらい小さくて、幼い。
化粧っ気のない指に
不釣合いなほどに輝くのは、一粒のダイヤモンド。

エンゲージリングが嬉しくて嬉しくて
何度も何度も左手で空を仰いだ。
昼も夜も飽きずに眺める私を
祐ちゃんは笑って、優しく包み込んだ。


あれから時を重ねて、思いを重ねて
いつの間にかなじんできた指輪を
それでも毎日ふと眺める。
もうすぐここに、もうひとつの指輪が重なる。

結婚式まで、あと半年。

2006年08月03日(木)



 発泡酒

夕食のときはいつも、小さな発泡酒を一本飲む。

ご飯が出来上がると、二人で席に座って
祐ちゃんは私のコップに、発泡酒をコポコポと注いでくれる。
お酒の飲めない祐ちゃんのコップには
私が冷たいお茶を注ぐ。

今度から自分でやろうか
そうしようか

そんなことを言いながら
結局、手を伸ばして注ぎあう。

今日も一日お疲れさま
お疲れさま

小さくコップを交わして
笑顔がこぼれる、毎日の儀式。

2006年08月01日(火)
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