あたたかなおうち



 

時折懐かしさに目を細めながら
祐ちゃんのお母さんは楽しそうに昔の話をする。


まだ祐ちゃんも弟くんも起きてこない、朝のリビングで
私たちは冷たいコーヒーを飲んで友達のように笑いあう。

祐ちゃんの実家に来たのは、これで2度目だ。


10歳年下の弟くんのオムツを初めて換えた日のこと。
初めて『お母さん』と呼んだ日のこと。
反抗期のこと。野球のこと。
そして、私の話をした日のこと。


隣の部屋から大きく伸びをする声が聞こえて
私たちは思わず一瞬黙ってから
顔を見合わせて、声をひそめてくすくすと笑う。

祐ちゃんの実家は、私を宝物のように受け入れてくれた。

2005年08月13日(土)
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