鼠小僧白吉のうだうだ日記

2004年03月31日(水) 心の行方

負け犬にだけはなるんじゃないと耳もとの声くり返す

篠原美也子さんの「心の行方」という歌の一節。週末のライブで久々にこの歌を聞いた。美也子さんを知ってからまだ1年ちょっとしかたっていないのだけど、この1年、美也子さんの歌をさんざん聞いて過ごしてきた。20代ラストスパートに入ったおいらの耳に美也子さんの歌が痛く響く。
週末のライブで美也子さんは「心の行方」を今は鼻の奥につんとくる歌で無いと言っていた。けど、おいらにはまだまだこの歌がつんとくるのだ。
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スポットライトは夢の数だけ用意されてはいないけれど

今日も明日もずっとずっと生涯かけて問いかける
たとえ気に染まぬなりわいの中でも誰より高く空見ていても
明日を明日を待つ理由を 明日に魅かれる心のゆくえを
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難しいことが目の前にたくさんあるかも知れない。けど、その難しいことを何とかしたいのだ。


この週末はかなり充実。ライブ1本に芝居2つ。

美也子さんたちの出た東京百歌というライブイベント、その他の出演者は橘いずみ、奥井亜紀……他 橘いずみさんが尾崎の「路上のルール」を歌ってくれた。尾崎豊、彼との出会いはひょんなことからだったが、今、僕の考えの基本の基本はやはり尾崎にあるような気がする。30代の尾崎を僕達は聞くことができなかった。そういえば昨日は鈴木彩子さんの誕生日。彩子さんは30代にたどりついたのだから、30代の彩子さんのメッセージを紡ぎだして欲しい。

演劇2本。土曜日はキャラメルボックスの芝居を観劇。なかなか小劇場芝居って、行くチャンスがない。見にいきたいと思っても。今回たまたまさっそくれた人がいて、観劇に行った。率直な感想「面白かった」。芝居の内容うんぬんは、何度もキャラメルの芝居を見てる人の評にかなわないので別の角度から感想を書く。
 今回は最前列で芝居を見た。最前列という席は本来見にくい席である。しかし最前列という「別の」角度から見るからこそ見えるものもある。役者を間近に見えるから感じられること。汗が床に落ちる瞬間を見えるからこそ感じられること。そうしたもの考えながら芝居を見ていた。そこから伝わってくる迫力はものすごいものだった。

翌日、小さな劇団の芝居を観劇。こちらもそこそこの満足は得たのだが、この「迫力」が違った。ここで「迫力」をつけたものこそ、キャラメルのような大舞台へと歩いて行くことができるんだろうな。

おいらの仕事のことをここでは意識的にかかないようにしているので、ずっとうだうだを読んでくれてる人でも意味が通じないかも知れないけど、ちょこっと仕事のことを。

おいらの「デビュー」は恵まれたことに、いきなり「大舞台」だった。でもその世界はものすごくいろいろなことが大変で、正直おいらはその「大舞台」から逃げ出した。そしてその次に立った「舞台」は今までおいらが立ってた世界からくらべればかなり低いレベルの世界で、おいらを「お山の大将」でいさせてくれた。しかしその舞台がなくなってしまい、自分の持ってるポテンシャルだけで、舞台を渡り歩いていかなければなくなった時、その舞台の敷居の高さに翻弄された。今、おいらは迷い歩いてきたなかで、わずかながら自分の
立ち位置を確している。でもそれは本当に自分がいたい場所かと言われればそうではない。
自分が逃げ出し舞台で、一緒にやっていた同世代の連中は、その場に残り、その大舞台で自分の立ち位置を築いている。おいらが立っているその場とは比べ物にならない。
おいらは、その場所に戻りたいわけではない。けど、おいらのやり方で、いつか別の形でその場所にたどりつきたいと思っている。

あ、そうそう、別においらの仕事は、役者でもミュージシャンでもありませんよ。詳しく知りたい人は、今度何かの機会にお酒を呑んだ時にでも。



2004年03月18日(木) さくらの開花と谷間の世代のサクラサクと

東京は桜の開花宣言。国立競技場では歓喜の宴。

 「心配させてどうもすいませんでした」とは試合終了直後の山本監督。そりゃー心配しましたよ〜。バーレン戦の時はアテネはなくなったなと思ったりもした。やっぱり谷間の世代だーと思ったりもした。でも結果オーライ。なんかこの山本監督っていう人すごくいいな。UAEの時に続きまたもや涙腺ウルウル、今にも涙がこぼれそうになってる。ついついこっちももらい泣きしそうになる。東京サクラの開花宣言の日に、国立にサクラサク。おめでとうU23日本代表。

 で、18日東京ははやくもサクラの開花宣言。おいらの家から、最寄駅に向かう道は半分以上が桜並木になっていて、ここの桜を見るとおいらは春を感じる。開花宣言を聞いてふと桜並木を見上げてみると……ひとつ、ふたつ、早々と咲いた桜の花をみつけた。他のつぼみたちも今にもはじけそうになってる。
 この街の一年で一番美しい季節がもうすぐやってくる。

 文芸春秋問題にひとこと「ふざけるな」。どんな時代になろうとも、どんな施政者が日本を支配しようとも、わが国において言論の自由は守らなければならない。

 文芸同人誌の製作はほぼ決定か。いくつかの印刷所に見積もりをお願いする。予算も時間も限られているが、良いモノを作りたい。



2004年03月08日(月) イノセンス……それは〜2004年3月上旬のあれこれ

押井守、やっぱすごい。

なんかほんとドタバタしてます。イロイロと。しかしドタバタしてた方が、やっぱりいい。人生ドタバタあってなんぼでしょ。

2月下旬、久々に大学の恩師に会ってきた。久々といっても4カ月ぐらいぶりかな。でも大学卒業してからもコンスタントに会いに、もしくは呑みに行ってたのでこんだけ伺ってないと、「本当にごぶさたしてしまって申し訳ないです」っていう気分になる。「弟子」なんて公言できるほど、自分の(その恩師の専門の学問の面での)実力がないので、弟子だ師匠だと軽々しくは言えないが、師弟関係をいつまでも続けさせてもらいたいと、おいらは勝手に思っている。
昨年、その先生は病気になられて1年間授業を休んでいた。しかし4月から限定復帰するという。まだまだくたばってもらったらこまる人だ。まだまだ教壇に立って、まだまだたくさんの評論を書いてもらわなければ。

3月に入ってからの数日は、めまぐるしく過ぎて行ってる。仕事、仕事、仕事……たまにはそんな季節もいい。

そんななか、先週末は久々に完全OFFだった。と、いうことで土曜の夜、平和島の映画館へ。「イノセンス」を見に行った。

士郎正宗原作のマンガ「甲殻機動隊」。このマンガに描かれている世界がすごい。すでにインターネットが地球上を覆い尽くしているが、さらにその状態が進んだ時代におこる出来事を描いたマンガである。よく、こんな発想ができるなと思う。

その世界を見事に映像化したのが「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」(1995年)というアニメーション映画だ。公開後、日本よりもアメリカなどで絶大な人気を誇ったというこの映画。おいらがこの作品に気が付いたのは、マトリックスが攻殻機動隊の影響を大きく受けて作られたという話しを聞いてからである。

で、昨年DVDでGHOST IN THE SHELLを見たのだが、いやーはまってしまった。一つはアニメでありながらアニメを超えた映像の素晴らしさ。9年も前の作品なのに全然古さを感じない。そしてもう一つがストーリーの奥深さ。突き詰めれば「人間とは何か」ということを描いた話しの深さに驚愕してしまったのだ。

さらには昨年テレビアニメシリーズ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」がスタート。1年かけて放送されたシリーズは、もうアニメの域を超えていたし、実写のドラマを考えても、あれほど見事なドラマはないだろうという、素晴らしい出来だった。

こうして、すっかり攻殻機動隊の世界にはまってしまったおいら。

「イノセンス」の公開が待ち遠しくてしょうがなかった。

今回の作品も人間とは何か、生きるとは何かを考えるのに充分な作品だった。そして何よりも驚かされたのが映像のすばらしさ。アニメーションとCGの融合がこれ以上進化することはないだろう、という程の仕上がりだった。さらには押井監督の描き出す「無国籍感」はもう最高! どうしてこういう世界感がおもいつくのか不思議でしょうがない。

このうだうだ日記に映画のことを書いたのはすごい久しぶりなような気がする。久しぶりに映画に興奮しました。


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