Title / Place of peacefulness(安らぎの場所)
◆Thanks◆
 music by Are you
picture by LOSTPIA



思い出の貝殻をお気に入りの小瓶に詰めたら・・・
耳に近づけてそっと・・振ってみてください
懐かしい音が聴こえて来ませんか!?



古城のフーガ

 

picture by 月とサカナ




焦がれる 揺れる 流される
古城に秘めたる爪弾きの吐息
顔を見せない幽玄の
エキゾチックな陰影(かげ)

繋がらない一枚一枚の
調べ折り返しながら
タンバリンのリズム足元に刻む

月明かりのその向こう
キミの深層描かれし古裂(こぎれ)
既に泣き出しそうな気配の
舌足らずな綻び見つけた

時の狭間で
キミの苦悩と理由(わけ)
今更尋ねてみては
愚かな道化者だと一笑(わら)われるだろうか

報われなくてもいい 
打ち捨てられても構わない
ただ輪廻(りんね)の掟に
奪われてみたいだけ

もう一度キミに逢えるのならば
その掟にこの身預けてみたいだけ

キミに もう一度 巡り会いたい




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残花  / Promiseに寄せて

 

photo by はなこまち





淡く萌黄に絹染めて
 
薄く紅さす季節(はる)は

香り高く あなたを慕う



緋毛氈の夢枕

指を絡める いつもの仕草


一片(ひとひら) 紫紺の花 帯に置き

ついて行くわと 帯締めに

ひとつ まるい誓い結んだ



彼方時の向こう

幻の小波が鳴(うた)うのか

去り行くあなたの呼び声なのか


慟哭と諦めの影絵 空ろに揺れ
 
遠い誓いは 影を引いて溶暗する



あの波動がもうこの胸を打つことはない

咽び泣く鴨居に掛けられた帯の色もない



過去を着て花が舞う

一片(ひとひら)の花が慟哭を舞い降りる



淡く萌黄に絹染めた季節(はる)

いつしか色変え遷りゆく

紫紺を愛でた形見帯

ありがとうと白へと変わる



夕べにあなたを見送(おく)ったら

朝(あした) 新たな文庫紙(たとうし)ひろげ

この帯手折りて仕舞いましょう


夕べにあなたを見送(おく)ったら

朝(あした) あなたの幸(みゆき)織り

秘かに袂に仕舞いましょう


過去を着て花が舞う

一片(ひとひら)の花が慟哭を舞い降りる



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Are you /鮎様の「A promise」を

聴かせていただいてこの詩が生まれました


 


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