りえるの日記

2007年01月30日(火) 英語

谷崎「美食倶楽部」を購入。

「魔の山」は下巻から面白くなる。
ハンス・カストルプの精神がだんだん強くなっていく。
人里離れた孤高の病人だ。
ナフタの描写も良かった。
生々しいピエタとみすぼらしい家の室内は絹づくし。
濃厚な言葉の応酬に読む時間がかかるのが難点。

今年は、英語力アップの年で、TOEICに挑戦するつもりだ。
700点目標で。
仏語の友人は900点目標って言っていた。
上には上がいる。
村上春樹訳で少し、がっかりしたから
自分で、ギャツビーを読んでみよう。




2007年01月28日(日) 仏検2次

仏検2級2次面接。
仏語モードに頭を切り替えるため、
朝、支度をしながら、仏語ディクテをし、
電車の中では、バルザック「谷間の百合」仏語版を
小声で読んでいく。

フランス人先生と日本人先生を前に5分程
簡単な自己紹介から始まり、
なぜフランス語を勉強しているか
どんな映画を見るか、最近読んだ本、
旅行は好きかという簡単な質問。
ロダン美術館のカミーユクローデルの彫刻を見たかったのに
スイスに展示されていたので見れなかったとか、
最近の好きな映画監督は、フランソワ・オゾン。
アルノー・デプレシャン等。
意思疎通は出来ているけど、相変わらず発言内容が
マニアックかな。
あと、問題は時制、活用、発音がどのレベルまで
許してもらえるかという所。

合格してますように。

不合格でも自分の気持ちは、仏検準1級に向かっているので
これからも地道に頑張って行こうと思う。



2007年01月25日(木) 谷間の百合

すっぽんに期待していたが、
翌日はあまり効果がみられず、
今日なんとなくお肌がぷりっとしているのを
感じた。これがすっぽんパワーなのか
定かではない。

今日から、バルザック「谷間の百合」の仏語版を
読み始めた。
さすが名作だけあって、最初からぐいぐいと
惹きつけられる。日本語で読んだ時は、
流し読みしてしまうが、仏語だと
1行1行を味わいながら読める。
カミュ、サガンとは違う重厚感。
トリュフォーもフランソワ・オゾン監督(8人の女達、まぼろしの監督)も
谷間の百合が大好きで、映画でも小道具として
使っている。
英国のインテリ女性を演ずるシャーロットランプリングが
海辺で仏語版谷間の百合を読むシーンは素敵だった。

母の愛に恵まれないフェリックスの子供時代を
彼が語ることから始まる。
親に見離され、誰も信じることが出来ず、
星に自分の悩みを打ち明けるフェッリクス。
情感たっぷり語る様は、涙をそそる。

これを読むと、まるでトリュフォーの幼年時代ではないか。
彼も、母の愛に恵まれない。
「大人は分かってくれない」でも、ドワネルは
ベットの横にバルザックの写真を祀っていて、
蝋燭をともし、ボヤをおこしてしまう。

バルザック。人物描写、心の機微を書かせたら
上手い作家だと再認識。





2007年01月23日(火) すっぽん

ワインの友達とすっぽん料理に。
北新地という土地柄、同伴の方が多い。
カウンターにはアブラギッシュなおじい様と
ホステスさん、常連も濃いキャラ。

すっぽんは初めて食べた。
生き血や心臓を食べ、スープ、揚げ物、雑炊へ。
日本酒によくあってとてもおいしい。
ご主人が目の前ですっぽんを調理し、
すっぽんの首を切ってもまだ動いているのは
グロテスク。

その後、ワインバーへ。
新世界のピノ・ノワールを飲む。
エレガントさはなく、するどい味わい。
妖しさがほしいところ。
二杯目は、グルナッシュの貴腐ワイン。
お店のおにいさんは、男前だが、説明は上滑りだ。
言葉を巧みに操るには人生経験がたりないのか、
それとも本を読んでいないからなのか。



2007年01月22日(月) ハンス・カストルプ

フランス語の後、軽く飲みに行く。
細い階段を登り、カウンター席へ。
焼酎のお湯割りと穴子の稚魚のポン酢付け
だしがしみこんだ上品な味わいの大根。
牡蠣と大根の柚子香煮。
最後にたこわさ茶漬け。
柚子胡椒が大根の味を引き立てる。
今回は、到着時間が遅かったので、ゆっくり飲めなかったが
じっくりと行きたいお店。

「魔の山」トーマス・マン上巻読了。
マンは狂ってる。知性あるテンションの高さが面白い。
最後、ハンス・カストルプはショーシャ夫人に愛の告白をする。

「愛とは、肉体、愛、死、この3つのものは一つのものなんだ
なぜなら肉体は病気と快楽であり、肉体こそ死を生じしめるもの
だからだ。

ああ、素晴らしい有機的油絵の具や石などで構成されたのではなく
生きた腐敗性の物質からなり、生と腐敗との熱性に満ちた美よ。

ああ、肘やひかがみの関節の内側の柔らかい部分、そして、その内部の
肉の褥に包まれた無数の有機的秘密。人体のこの甘美な部分を
愛撫するのは、なんという歓喜だろうか。
死んでも悔いのない喜び。
ああ、君の膝頭の皮膚の匂いを嗅がせてくれたまえ、
精巧な関節嚢が滑らかな香油を分泌する表面を。
君のまたの前面を脈打って、ずっと下方で二本のけい部動脈に分かれている
大腿部動脈に、ぼくの唇を敬虔に触れさせてくれたまえ。
君の毛穴の発散物を嗅ぎ、君の柔毛を愛撫させてくれたまえ。
水とたんぱく質から成り、やがては墓場で分解する運命を持った
人間像よ、君の唇にぼくの唇をあてて、僕を死なせてくれたまえ」

そして、ショーシャ夫人

「あなたは、とても深刻な、ドイツ式の口説き方を心得た伊達者ね」
「さよなら、謝肉祭のわたしの王子様、今夜は熱の線が大変よ
 予言するわ」

一本気で独りよがりのハンスカストルプを大人の余裕で
かわす。
笑えた。



2007年01月21日(日) 臨場感

いったい「魔の山」はいつ終わるんだろう
通勤時間が短すぎるのが読めない理由の一つ。
でも、もうすぐ、サガン「悲しみよこんにちは」仏語版を読み終わる。
先日読んだ場面は泣けた。
セシルの父の理知的な恋人が嫌いで、陥れようとしていたのに
実際計画が上手くはこぶと、冷静なアンヌが実は
少女のように純粋で取り乱したという場面。
原語で読む方が絶対、臨場感がある。
この小説がなぜ人気がでたか分かる



2007年01月20日(土) もうこんな時間

今日は日々の疲れと旅行の計画を練ろうと思いゆっくりとした日
仏検2級1次試験受かったし、フランスに行って
空気に触れたいと思い2年ぶりの旅行。
株価低迷で自分の貯金も少なくなっているが、
行ける時に行くが鉄則。
今回はブルゴーニュ。ディジョン、ボーヌ、あたりをゆっくり散策したい
パリではサンジェルマン界隈を心行くまで堪能する。

週末のお食事。
シャンパーニュのblanc de blanc
白葡萄だけを使っているから、すっきりとシャープな味わい

サーモンいくらパスタ
鶏肉クリーム煮
白菜キムチチゲ汁
レンコンの磯辺焼き
グレープフルーツサラダ

今日も完璧なまでの構成
すっきりとしたシャンパーニュにサーモンといくらがはえる
鶏肉クリーム煮はりんご酢と白ワイン、水で煮込む。
そしてさいごに生クリームに絡める。
ここでも鶏肉を30分塩、にんにくにからめ寝かせるのがポイント
チゲ汁は、豚肉をごま油で炒めとコクがまし、さらにおいしくなる
グレープフルーツサラダのドレッシングはオリーブオイルと蜂蜜、
マヨネーズ。意外に酸味と緑と甘いドレッシングがあう。
れんこんの磯辺焼きはとても簡単
レンコンをすりおろし、片栗粉を少しまぜ、海苔をまきつけ
ごま油で焼き、甘いたれで絡めるだけ。

これぐらい家で作れると、外食はおいしい所でないと嫌になる。
そこそこレベルだと、これ、家で作れるなと思う。
でも、外食のいいところは、大切な人と空間を味わえること。
居心地のいいお店に行きたいな。





2007年01月18日(木) サラバンド

ベルイマンの「サラバンド」をみてきた
芸術的作品は得意だけど、今回は、寝てしまいそうになった。
深すぎる愛の憎悪。父子で憎みあい、出口のない愛憎。
カフカ「判決」を彷彿させる。

帰って、フランソワ・オゾン「8人の女達」を見る。
カトリーヌ・ドヌーブ、ファニー・アルダン、イザベル・ユペール
大御所の演技、衣装、女同士の意地悪な会話。
フランス人独特の冷たい嫌味のやりとりが面白い。

媚びない美しさがいい。



2007年01月13日(土) 泡系

ロゼスパークリングワインを買った。
ぶとうはグルナッシュ。
チャーミングな味。
うすいチェリーピンク色の細かな泡が綺麗だった。

牡蠣のカリッとサラダ
タイ風つくね
パルマ産生ハムサラダ(トマト、モッツラレラ)
タラコパスタ

今日の組み合わせは最高だった
牡蠣は、塩をかけ30分寝かせると
さらに味が濃厚になる。大根と春菊サラダの上に
フリットした牡蠣をおく。
牡蠣は小麦粉をまぶしオリーブオイルで焼く。
このカリッ感と濃厚な牡蠣の味が美味。

タイ風つくねは、豚肉ミンチにパプリカ、レモンの皮
青唐辛子、にんにく、しょうが、ナンプラー、卵を加え
団子状にしたもの揚げる。
仄かなレモンの香りと、薬味のコラボレーションが
泡系のお酒にとてもあう。

生ハムもいつもより上等なパルマ産。
口に含んだときの塩味がまろやか。

タラコパスタはレモンとタラコとオリーブオイルでソースを作り
茹でたパスタにまぜ、最後に海苔の細切りをかけていただく。

週末の泡系にあわせる料理は私の楽しみの一つ。
来週は何を作ろうかな。



2007年01月08日(月) クンデラ

仕事のコツはつかめてきたが、
私の核となる文化活動ができていない。
おいしいものも食べたいから、自分で料理もきちんとつくって
お酒も飲み、そして勉強となると
効率よく体を動かさねば。

「魔の山」もまだ前半。
年末に本屋に行って、クンデラ「不滅」も恋愛小説として
読みたくなった。
その前に「存在の耐えられない軽さ」を読まないと
クンデラは語れないよね。



2007年01月06日(土) 原書

引越しで、慌しい毎日。
やっと、仏語版クンデラの「存在の耐えられない軽さ」を
あと10ページで終わる。
また、時々持ち歩いて何度も読もう。

次に待ち構えているのは、
カミュ「ペスト」
昨日、就寝前に数ページ読んでみた。
カミュの文章は、整然として読みやすい。

私の仏語小説を読む時間は週1日。
調子がいいときは、もっと読みたいけど、
ピアノ、読書、飲み会、仕事、家事を全部こなすとなると
強い意志が必要となる。

幸福とは、繰り返しである。
繰り返しに耐えられないから、
人は、新たな快楽を求め、彷徨う。





2007年01月05日(金) 再読の年

プルーストを読んでいると、
マルセルは、花を見ると、女性の艶かしい体を想像する。
美しい女性のくびれた腰の花々。
ノヴァ-リスの「青い花」のように花弁の中に
愛らしい乙女が潜む禁断の世界。

鏡花の再読も。
まずは「春昼、春昼後刻」
文字を追いながら、着物に色づけし、花の吹雪に包まれながら
神秘的な女性を創造し、そして、自分自身を
美しい言語のヴェールをまとうことができる。

こういう作品を時々読むのは必要だと思う
日々の生活は、人間関係ですさんだり、
つまらない会話にも楽しそうに参加したりと
気苦労が多いもの。
常に魂をゆさぶる人達に囲まれているわけではないから、
疲れたときに点滴を打つように、
美しい作品により、私の体と脳は快活になっていく。


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