2004年09月30日(木) |
インテリっておもしろい |
「幻想の画廊から」澁澤龍彦
やはり、ポオル・デルヴォー、レオノール・フィニの絵が好きだ 芸術新潮で特集してくれないかな。 幻想の画廊より 詩人ポオル・エリュアールがデルヴォーに捧げた詩の一節
裸の貴婦人たちが荒廃の街を空しくする 輝かしい肉の支配下にあるこの世界 空虚な鏡のなかのドレスの反映とともに すべてが一瞬にして孤独に突き落とされるのだ その乳房の形と重みを知るために 朝、いちばん美しい女は その双腕でみずからをかき抱く
デルヴォーの絵の美しいろうそくの蝋のような白さの女。 自分の無感覚さの哀しみにくれる姿を感じられる。 いい詩だ。
「エロスの解剖」澁澤龍彦
オルガスムについて インテリっておばかねと少し笑った 栗田勇、大江健三郎、澁澤等と性科学の薀蓄をかたっている話題。 栗田氏は性交の回数を自慢するが、ノーマン・メイラーによると 性交の回数を自慢したり、ドン・ファンぶりを誇ったりする男は、 それだけでは完全なオルガスムの能力に欠けるというのだ。 過程だけに自分の喜び、征服力を見出し、あとは、快感をともなわない。 回数を誇るものは「オルガスム不能」説 インテリっておもしろい。定義付するともっともらしい。 相手をギャフンと言わせてやろうと、ああでもない、こうでもないという 語りの場に同席したいものだ。
先日、出かける前にテレビをつけてみると、時代劇をしていた。 白い太ももに刀をあてておどし、うら若い乙女を悪人達が襲っていた。 散々いたぶって、朝になると、娘を神社の境内のなかに残し 悪人の一人が「女はどうしますか」 すると、ボス「辱めをうけた女は他言はすまい。」 と言って去っていった。
時代劇って、すごい。女無宿人・半身のお紺 この話のタイトルが「さだめが憎い」
朝から濃いなー。
今日は、お休みなので映画に。
2作とも一人舞台映画。
「エルヴィス・オン・ステージ」 エルヴィスについては、あまり知らないけど、 油っぽい感じがおもしろい。 派手なシャツが似合うことといったら。 ラヴミーテンダーを歌いながら、女性フアンたちにキスの嵐。 エルヴィス好きにとってはたまらない映画だ。
「フオグ・オブ・ウォー」 睡魔に襲われて、ほとんど見ていない。 あとは、あきらめて休養だと思って目を閉じてしまった。
映画の合間にデュラス「モデラート・カンタービレ」読了。
淡々とした言葉が交わされる。 この映画では、アンヌ・デパレードはジャンヌ・モローが演じた。 適役だ。 情痴殺人事件の現場。酒場で知り合った男。 胸の半分あいた黒い服の谷間に、庭に咲く木蓮をピンでさしているアンヌ。 それぞれの場所で青い月に照らされる二人。 朦朧とするほどの木蓮の強い香り。 カフェの女主人の赤い編み物。波止場のモータボートの赤。 ひとつひとつのディテイルが映像として印象に残る。 デュラスの描写は、人生の諦念を感じさせる。
「愛さないと言って、愛し続ける」
「熱情(passion)というのは、知性よりもその動きを抑制しにくいもの」
解説を読むと、Passionは、情熱という意味と受難という意味があるらしい。 知らなかった。
竹酢をいれてお風呂に入る。 炭の田舎の匂いを思い出せる。 この匂いが体についたら嫌だなと思いつつ、試してみる。 髪を洗うと、いつもよりとおりがいい。 顔もつるんとなる。 そして、湯冷めしない。 真夏だと湯冷めしないということは、灼熱地獄だが、 これから冬、冷え性の私にとって必需品になりそうだ。
「怖るべき子供たち」ジャン・コクトー読了 「大股びらき」の方が数倍おもしろかった。 はずれ感は否めない。
朝の音楽 マリア・カラス「Millennium Best」 オペラを全曲とおして聴くと、時間がかかるので こういうベストはありがたい。 プッチーニを久しぶりに聴いた。 「ジャンニ・スキッキ」よりわたしのお父さん(プッチーニ)が 今日のお気に入り。
2004年09月26日(日) |
フードプロセッサー到着 |
フードプロセッサー到着。(クイジナート社) 無駄な装飾がなくシンプル。 少しだけ料理人になった気にさせてくれる。 いわしのつみれを作ってみた。 すごい。あっという間にいわしがペースト状になる。 色々挑戦してみよう。スープもおいしいそうなものができそう。
夜は江戸川乱歩の地獄風景。 遊園地での惨事。血がどろどろと流れる。 フードプロセッサーの刃を想像して、ぞーとした。
日帰り帰省。 新幹線のサイレンスカー車両に乗った。 静かで快適。 うっかり寝られないから、意地でも読書してしまう状況。 実家の私の本棚を再チェックすると、 ジャン・コクトーが2冊あったのでもって帰った。 「恐るべき子供たち」「山師トマ」 ポー小説全集もなぜか1冊あった。 「椿姫」デュマ・フィス、「モデラートカンタービレ」デュラス 読むのが楽しみ。
「ドリアン・グレイの肖像」読了。 所々、記述が難しいところがあるので、読みにくいところもある。 純粋な心をもった美しい青年が、悪の道にどんどんはまり 醜い顔が自画像にあらわれていく。醜さを絵画が全部吸収し、 本人は美しい青年のまま。不気味だ。
悪人といって思い出すのは、なんといっても 「カラマーゾフの兄弟」の父フョードル。 父フョードルの悪行をもっともっと書いてほしい。 カラマーゾフは大好きな作品なので、私の年末年始の再読本。
毎日、なんとかこなしている程度のピアノ。 いい音がでない。 ゆっくり弾いて音を体に組み込んでみる。 ラフマニノフを弾くと腱鞘炎になるとよく言われるが、 数回弾いただけで、右手の筋肉がこわばる。 先生の病気の為、レッスンを中断している。 自分で曲を仕上げているので、どうもうまくいかない。
「ジャンヌ・ダルク」が放映されているようだ。 この作品は見ていないのに、なぜか カール・ドライヤー作品の「裁かるるジャンヌ」は映画館でみた。 人間の醜悪な顔のアップの連続。一番醜悪なのが修道僧というのは皮肉だ。 映画の中でのジャンヌ・ダルクは決して勇敢な女性ではない。 スクリーンに広がる彼女の涙が忘れられない。
講談社の現代美術第8巻レオノール・フィニの 画集も欲しくなってきた。 レオノール・フィニ自身美しいのも気に入った。 独自の美意識を感じる。
検索してみると、絶版。うー、残念。 図書館に行ったらあるかな。
「誰も知らない」見てきた。 つらくて、疲れた映画だった。 もしかしてと思ったけど、私の肌にはあわない。 見終わった後の口直しが必要。 「ドリアン・グレイの肖像」ワイルドを 貪るように読んで帰る。
「女はすぐ永遠という言葉を語りたがる」
恋人から永遠という言葉を得たい気持ちは分かる。 女のエゴなのか。 永遠という言葉を得たとしても、 気休めにすぎない。 本当に大切な人が増えると、 喪失した時の哀しさを考えるといたたまれなくなる。
夜、江戸川乱歩全集第8巻 「目羅博士の不思議な犯罪」を読み始めた。 おもしろい。
2004年09月22日(水) |
レオノール・フィニー |
「幻想の彼方へ」澁澤龍彦
レオノール・フィニー 好きだな。白黒の写真だから、イメージがわきにくいが 絵画に吸い込まれていく。 どうしてもカラーで見たくて、ジュンク堂へ行く。 シュルレアリスムの画集は少ない。がっかり。
ポール・デルヴォーの描く女 「永久に現世の恋の快楽を味わうことができず、つねに イリュージョンだけで満足していなければならない、 不幸な女たちである。
分かるな。美しい裸体のフランス人形のように、 血が流れてない冷たさ。 冷徹さに惹かれる。
帰りにまつげパーマへ。 1時間ほど、爆睡。ほとんど記憶がないから、 いつもいびきをかいていないか不安。 目をなるべくあわさないで、逃げるようにして帰る。 今日は、おいしい餃子屋さんで餃子を買い、 ビールを飲むつもりが定休日。 朝からずっと楽しみにしていたのに。。。
青色の深さを感じた一日 「青い花」より
青い花に目を奪われると、花の中にほっそりとした顔が現れた。
人の身体は、心情からみると結晶体で、透明な自然なのですね。 ああ、マティルデ。 いうなれば、きみは素晴らしい澄みきった青玉(サファイア)だ。 大空のようにくもりなく透明で、こよなくやさしい光をはなってあたりを 照らしている。
美しい白いうなじに浮かぶ静脈の青。
ハインリヒとマティルゲの、あなたがいて、僕がいるという 永遠の愛を語り合う章は、これでもかというほどの 愛のハーモニーである。少し、笑った。
今日のメニュー 生鮭の豆豉醤ソース ポトフ トマトサラダ グラスワイン(赤)ボルドー
キャベツを消費したいため、ポトフにする。 生鮭をかりっとフライパンで焼き、ソースにつける。 このソースが色々入っている (豆豉醤、豆板醤、にんにく、しょうが、しょうゆ、ごま油、酢) 調味料さえあればできる簡単料理。 彩りに、わけぎのソテーを添えて。 私の料理は、有元葉子さんの、料理本をいつも参考にしている。 お酒飲みには丁度いい味付け。 ポトフは好みでブラックペッパーをあとから入れると、 味が引き締まっておいしい。
友人とウィンドーショッピング。 細身のブーツを履いてみた。 最近の細身は自分のふくらはぎとの戦いで、 おなかのように引っ込めるわけにいかず、 お店の人も売ろうと皮ふが食い込むほどファスナーをギューとあげてくれる。 そして、極めつけの一言。 「革はのびますから。」 その前に血管がとまって、頭がくらくらしそうだ。 一つ素敵なブーツがあった。 シルエットがエレガント。 黒の革が足にすいつくように美しい。 私の頭の中はブーツがぐるぐる回っている。
歩き疲れ、紅茶を飲みに行く。
紅茶のおいしいお店は少ないが、ここは最近のお気に入り。 丸くて愛らしいポットの中にたっぷりの紅茶。 FILS DE FRANCE (フランスの貴公子) ほのかなジャスミンの香りに、しっかりとした紅茶の味わい。 体内が浄化されていく。
おいしい紅茶を飲むと、本を一人でゆっくり読みたい欲求にかられる。 さらさらと流れる砂時計を眺めながら、 時の流れを感じる空間が好き。
休日は、少し手の込んだ料理を作り、だらだらと飲み続ける。 今日のメニューは、 あじ干物のトマトグリーンサラダ えびとイカのフリッター あさりのスープ カマンベールチーズ お酒はスプマンテBELLENNDA ぶどうシャルドネ フルボトル1800円
スプマンテの少し柔らかさはあるが、辛口気味でおいしい。 家で飲むと、安くて楽しめる。
住宅事情、我が家は電子ピアノのアップライトなのだが、 先日、ヘッドホンの少し高めのものを購入(2万ほど) 全然違うぞ。今までの自分の演奏が自然な音に聞こえる。 技術の進歩を感じる数時間。明日からのピアノの練習が楽しみだ。
「青い花」ノヴァーリス第1部第3章
若さと美しさのもつ美しさのすべての魅力で飾られ、汚れない気高い魂が 透き通ってみえるほどの、王女。
高貴な顔立ちにみなぎる、神秘にみちた様相をもつ、森の中に住む青年。
王女は森の中に彷徨い、偶然にも青年と出会ってしまう。
王女は森の中に紅玉(ルビー)を落としてしまう。 それを拾った青年の詩。
この石のもえる血汐に深く、 謎のしるしが刻まれてある。 この石は見知らぬ女性の姿を宿す、 人間の胸のようだ 石をめぐって閃光が飛び交い 胸をつつんで明るい潮がたぎる 石に光の源が埋まっているように、 胸もいずれ心の核心を得るだろうか。
石の魔力は以前から気になる。 深い森の中に煌く愛する人の紅玉(ルビー) 苔むしたビロードの緑に咲く赤い花。 見知らぬ愛する女性が落としたものを 拾ったときの、喜び。 想像するだけでも、鳥肌がたってしまう。
そして、二人が結ばれたときの 表現のほのめかしがにくい。
「ふたりはおよそ地上の限りある命の男と女が享けることのできる 至上の陶酔へと、いざなわれたのでした。」
出勤前のモーツアルトソナタK570第3楽章
少しずつ音が聴けるようになった。左手の音を聞き取れるようになったのは 収穫だ。 この軽やかなモーツアルトの3楽章は、天才モーツアルトが 「どうだ、弾いてごらん」 「君の弾き方は肩に力が入って笑っちゃうね、もっと楽しもうよ。」 と言われている気がする。 私は、まるで、映画アマデウスのモーツアルトの前のサリエリだ。
もう一つの収穫は ラフマニノフ前奏曲OP3no2を弾く際のイメージが決まった。 今、読んでいる「青い花」ノヴァーリス著の第1部第3章。 身分の違う愛を描いた章。どう曲に色づけするかは、また明日考えよう。 せつなくて、美しい箇所がたくさんある。 抜粋はまた、明日。
いつもの酒屋さんで、ワインまとめ買い。 シャンパンとスプマンテも。 この酒屋さんはあなどれない。ご主人は、職人肌風で無愛想。 奥さんのお酒に対する愛情を感じながら、丁寧な説明を うけるのが心地いい。 家族で経営されている酒屋なので、一見、ワインがありそうには見えない。 こちらで季刊誌「ワイナート」も紹介して頂いた。 奥さん曰く、「桃のジュースをシャーベット状にして、 イタリアのスプマンテで割るとおいしい」とのこと。 やってみよう。 おいしいお酒を買うと、それにあう料理を作りたくなるので 料理本をぱらぱらとめくる。 フードプロセッサーが欲しくなった。 いわしのつみれにごぼうをまぜて、揚げる。 シャンパンにあいそう。 鮭をグリルにし、ナスのソースを添えたり。 あー、食べること、作ること、飲むことは楽しい。 もちろん、食事での会話も。
シャンパンとスプマンテの違いは、硬度らしい。 シャンパンの方が硬度が高いから、のどごしがスキッとする。 スプマンテは柔らか。 個人的にはシャンパンが好き。料理にも気合がはいる。
全然読書がすすまない。そんな日もある。 「青い花」ノヴァーリスを読み始めた。 夜の楽しみ江戸川乱歩も眠くて断念。
ヴィスコンティの作品を映画館で見たいと思っていたら、 「山猫」が上映される。嬉しいな。
関東では、ヴィスコティ映画祭があり、関西にくることを 望んでいるけど、どうだろう。
もう一つはずせないのは WALKABOUT 美しき冒険旅行
いつ映画を見に行くかを前もってスケジュールをたてないと すぐ終わってしまう。 ミニシアター系は通常2週間ごと。
私なんて、まだマニアの段階ではないが、 本当のマニアは体力仕事。 映画も見に行き始めると、癖になる。
「ステップ・イントゥ・リキッド」 レイトショーで鑑賞。 波が雪崩のように美しかった。 が、私の両隣の若者は、ずーっとポテトチップスを ボリボリボリボリと、食べていた。 気になる。君らはビーバーか!って叫びたくなる。 おもむろに、鞄の中から二袋目がでてきたときは、 「オイオイ、そんなにスナック菓子好きか。」と心の中で呟く。
スナック菓子食べている姿って馬鹿っぽくみえるなー。 家でこっそり、漫画を読みながら食べてほしい。
フランス語の前に少し時間があるので、カフェで軽い食事をする。 ライ麦パンにサーモン、卵、スライスした玉ねぎをサンドし、 野菜ピクルス、ポテトの付け合せ。 おいしいカフェでの食事は参考になる。 素材に少しの手間を加え、見た目も美しく。
仕事で疲れた体をここでリセットする。 紅茶を飲みながら、本の世界に集中。
「東西不思議物語」澁澤龍彦
毎日新聞日曜版に掲載されていたエッセー。 内容が表面的すぎで、不完全燃焼。 早く読み終わりたい為、猛スピードで読了。
「文学的パリガイド」鹿島茂 昨晩読了。 ノートルダム大聖堂、リュクサンブール公園のお話がよかった。 ノートルダム大聖堂で私がまず思い出すのは、 「ガーゴイル」ヴィンセントギャロ主演の映画。 愛する人の大切な部分を噛みきることによりエクスタシーをえてしまう。 周辺が血の海に染まる。 異常な愛情表現をもつが故に、愛したいけど、愛せない。 ノートルダム大聖堂に恋人とのぼり、彼女がつけていた深い緑のスカーフが パリの空をひらひらと舞い落ちるシーンが印象的だった。 灰色の空に緑のコントラスト。綺麗だ。
「永遠の語らい」マノエル・オリヴィラ監督
この監督。侮れない。 「家路」の時もそうだった。 睡魔に襲われながらも、心にひっかかるものがる。 地中海を航海する船が水しぶきをあげながら、進んでいく。 船のレストランでフォークやナイフの重なる音を聴きながら、 ゴージャスな女性達と船長の会話。 カトリーヌ・ドヌーヴ、ステファニア・サンドレッリ イレーネ・パパスがレストランに現れたときの、重厚な空気。 着飾ることを忘れていない女性を見るのは、楽しい。 美しい歴史学教授と娘がそれぞれの都市で、出会う人々との会話。 アテネの青い空が綺麗だった。 万人にうける作品ではないが、私は好きだ。
覚書程度に始めた日記だけど、なんとか続いている。 えらいな。自分。 書くことは、自己満足だけど、ストレス解消になる。
8月初旬飲み会で、ワインをがば飲みして、 悪酔いし、少し飲むのを控えていたが、やっと回復。 今日もほとんど正気。
「サロメ」ワイルド読了
J’ai baise ta bouche. Iokanaan. お前の唇がほしい。
ヨカナーンの唇。そして、存在そのものを征服したいために 銀のお盆の上に彼の首をのぞむサロメ。 月夜。月は素敵。小さな銀貨。小さな銀の花。 冷たくて純潔。月は生娘。 一度も汚されたことがない。女神のように。 流れる血液。赤色にまつわる様々な表現が連なる。
踏み潰す葡萄の汁に濡れ輝く、娘の足よりも赤い。 象牙の刀をいれた柘榴の実。
赤という色は、神秘的な色だ。 深い赤色が似合う女性にあうと目でおってしまう。
今年の冬は、深い赤色の洋服が欲しくなる。
どうして、職場のおじさまたちは、腰に万歩計をつけているのだろう。 パカッと開けた瞬間の「**歩!」という自己満足感を味わいたいのか。 時々、今日は何歩ですか?とおちょくるとおもしろい。 満面の笑顔で、「まだまだ3000歩ですわ」 え!朝一番で3000歩!いったい、君はどこから来ているのか。 体力温存しすぎ。 「生きる気満々ですね」という言葉を心の中に飲み込む。
「サロメ」ワイルド 読み始める。やっぱり、ワイルドの表現はいい。 すぐ読み終わりそうなので、谷崎「蘆刈」も鞄に入れておこう。
「文学的パリガイド」鹿島茂著
寝る前本として、ゆっくり読んでいる。 シャンゼリゼ通りの話にプルースト「失われた時を求めて」が 書いてあった。 この作品は、先入観がありすぎて、一度も手にとったことがない。 エロティックな場面があるとは知らなかった。 シャンゼリゼの公園で少年と少女が手紙を取り合い、戯れている場面
「はげしい体操の真っ最中に、筋肉を働かせ、遊びに熱中したあまり はあはと息をきらした私は、いちだんと大きく喘いだかと思う間もなく あたかも力を出したために数滴の汗がしぼりだされるように、 つい快楽をもらしたのであったが、その快楽の味をゆっくりと味わっている 余裕もなかった。たちまち私は手紙を取り上げた。するとジルベルトは 好意をもってささやいた ねえ、もしよかったら、もう少し取っ組みあいをつづけたって いいのよ」
おしゃまな少年少女だ。 「無邪気さとエロスは隣あわせ」とは、さすが鹿島先生。
凱旋門で思い出す光景といえば、 アランドロン主演の「冒険者たち」 シャンゼリゼ通りを小型飛行機でとおりぬけるシーン。 アランドロンのナイーブさがにじみ出ていて好きな作品。
今週はまだ映画を1本もみていないので、 少し中毒症状が出始めている。
朝は、地震。午後から台風。 何だか落ち着かない。 いつもなら、映画を見にいくところだが、 真っ直ぐ家に帰る。 最初は、強風でドキドキしていたが、ぽっかりあいた 時間を読書にあてた。 どこにも出かけられないという諦めが、読書にもってこいの状況。 「江戸川乱歩全集第1巻」読了。 好きな作品は、「赤い部屋」「人間椅子」「双生児」 全30巻となると、我が家の本棚はどうなるのだろうと 不安がよぎる。 「ダヴィンチ」のジャパニーズエロティシズム特集を読み、 途中でやめていた、谷崎「源氏」も少し頭をかすめる。 「春琴抄」「外科室」あたりが掲載されていたのは、納得。 「外科室」よりも「高野聖」の方が分かりやすいエロティシズムを感じる。 嫉妬しないで、嫉妬したフリをする。という難しい技をしろと書いてあった。 私だと、プライドが邪魔して、平静を装ってしまう。 恋愛も職人技だ。そんな、ノウハウもあてにならないものだけど。
最後の締めは、嵐の中でラフマニノフを弾いてみよう。
昨日のビオワインのビオをフランス語の辞書で 調べてみると bioが自然のとか、有機という意味だった。 なるほどね。フランス語そのままなんだ。 知らないと銘柄に思える。
ジャン・コクトー「大股びらき」読了
この作品にもヴェニスの描写があった。
「粉々に砕けた豪華な盛り場の射的小屋、それが昼間のヴェニス。 夜のヴェニスは、安物の宝石で肌身をかざり、浴槽で死んだ恋する 黒ん坊女である」
きらびやかな表舞台と背後の頽廃の香り。 太陽の光できらきら光る水の波も、 その影には、病巣の塊がある。 そして、いつか沈むかもしれない都。 一度、ベニスに訪れたときは、若すぎてここまで感情をもって 散策することができなかった。
もう一度、再読してみよう。 気になる箇所がたくさんある。
ワイナート秋号到着. 美術出版社からでている季刊誌。 冒頭の40ページほどは、芸術的用語もりだくさんで おもしろい。ワインなんて関係なく楽しめる。 写真もとても綺麗。 今季号はブルゴーニュのビオワイン。 ビオワインとは、自然に帰れということがコンセプトらしい。 化学薬品を使わないで、自然を敬い、人を愛し 自然との結びつきを考えるなら、ビオに向かうのは 当然とのこと。 ワインを語るにあたり、異常性愛をとりあげ、 ワインへの愛情は、対象の異常のひとつであるフェティシズムである等。
ただ、おいしい。ただ楽しい。 なぜなら人間は本来的に正直だからだ。 正しいものを、快という感覚を通じて 掴みとることができるのだ
と、書いてあったのが、一番しっくりくる。
ダンテ「神曲」の解説を読んでみた。 神曲はまだ未読だから、流し読みで解説を読んでも 駄目だ。 ドレーの挿絵がいいな、とかこの表現が好きという 感情にとどまる。
「悲惨な森のいたるところで私たちの肉体は それをさいなんだ自分の魂の茨の木にぶらさがるのだ」 ドレーの描く人間の茨の木が おどろおどろしてくていい。
人生の道の半ばで 正道をはずした私が 目をさました時は暗い森の中にいた
この表現好きだな。時々見かけて、記憶に残っている。
朝から変な人目撃。 ダンベルを片手にパッチのようなスパッツ。 ボロボロのTシャツにスポーツ新聞。 目を合わせないように急いで通り過ぎる。 が、背中では彼の動向がすごく気になる。
澁澤龍彦「世界悪女物語」読了。 エルゼベエト・バートリ ハンガリの陰鬱な森の中の城で、若い美しい女の血を あびる光景が生々しい。拷問も残虐だ。 ブランヴィリエ公爵夫人の革の漏斗での水攻め拷問も 怖いな。挿絵がリアル。
明日は、ジャン・コクトー「大股びらき」澁澤訳
月2回のフランス語シャンソンのクラスで カトリーヌドヌーブ主演の「シェルブールの雨傘」を歌った。 この歌詞が直球ストレート。 若いっていいね。うんうんって言ってしまう。
サビの部分
je ne pourrai jamais vivre sans toi Je ne pourrai pas,ne pars pas,j’en mourrai Un instant sans toi et je n’existe pas Ah mon amour,ne me quitte pas!
あなたなしでは生きていけない 行かないで、あなたなしでは死んでしまう あなたなしでは存在してないも同じ 私から離れないで
ざっくりと訳すとこんな感じ。
平日のお休みと丁度日程があうから、行っている 歌よりも、このクラスメイトのキャラが濃い。 60代かと思われるおばあ様方。 先日なんて、いきなりrの発音を聞かせて 首を振りながら歌い始めたから、笑いをこらえるのに 苦労した。 一緒に歌うときも、どうもキーが全然違うおばあ様がいて これも、笑える。 歳をとるとわが道を行くだから、全然気にしてないみたい。
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