この道を曲がった細い道の 角にある店で 赤と青の風船を2つ買ったよ
この風船に思いを込めて膨らませば そこに連れてってくれるらしい
あまり車の通らない道の 車道側を歩く 君は顔を赤くして風船を膨らませていた
「もう少しで朝陽が昇るね」と 君は笑って言った 「もう少しでお別れだね」 僕は心中で呟く
左手に温もりを感じる 確かに君の姿が見える 別れも近いのに 何事もないように君は笑っていた
車があまり通らない道 向こう側に何かが見えた 君を迎えに来た 別れの時が来た
青い風船を膨らまして 僕は 小さく囁いた 君に聞こえないように 小さく言った
車のドアを開けて君がくぐった 何も言わずに 窓を開けて君は言った 「また会いにくるね」 笑って言ってた
僕は顔を下に向けながら 小さく手を振った 涙堪えきれず笑えるわけもなく 小さく手を振った
君の左手が大事に持っていた赤い風船 青空に飛んでいくから 僕も数分前に膨らましたばっかりを 手を離してみた
車は発車して結局僕は何も言えなかった ただ君に見えなくなるまで 手を振り続けて
細い道を曲がった先のこの道を一人 僕の手には何もなくなった もう温もりさえない
僕は君は今も笑ってると思い込んでいた 車の中で君が泣いてることを 今もまだ知らない
寂しがり屋の太陽が 雲の隙間を抜ける
照らされる大地 どうかしてる 気が狂ったように響く
熱くなった心を 抑えられぬように 夏の風が通り過ぎて 目を閉じた
眠る僕の目に映った景色 色も形もない風景 目を開ける頃 何を覚えているのか
寂しがり屋の僕は 人ごみを抜けて 夢で見た何かを探してる 誰かを照らせるように
心を熱くする人へ・・・ 誰かを愛せるように歩く
桜の木が揺れる丘の上に 真っ暗な夜が広がる 明日の朝まで此処で待ってる
眠れない夜は長い 深い闇で押しつぶされそうになった 時計の音と木が揺れる音で リズムをとって唄ってた
夜空を見上げると いつの間にか星が閃めいて 手を伸ばせば届くような よんな気がしたんだ
気づけば唄うのをやめて 空を見上げている僕がいる いつまでもつづけばいいな 目が少し霞んできた
もぅ一度リズムをとって 星屑の唄を奏でる 時計の音と木の揺れる音 もう戻っては来ない君の温もり
もうすぐそこに朝が迫っている 震える身をこらえて 目が悪い僕にも見える明かり 朝に繋がりまた夜に繋がる
桜の木が揺れる丘へもう一度 君を待っている 来るはずないとわかっているが あの唄を歌えば帰ってくる気がするんだ
桜の木の下で揺れて落ちる花びらへ 時計の音と星空のリズム 霞んだ目の先は何も映らない 伸ばした手の先には温もりはない
このままどこかへ消えてしまおうか そう呟いた声が響いていた夏の空
何処に自分の居場所はあるの? 立ち止まって少し悩めば ほら 其処に見えるだろう? 苦しそうに悩む自分の顔が
大きな声は空の上で 新しい声に生まれ変わる もっと笑いたいと思う 君の笑い声は消えやしないから
立ち止まって悩みながら 確かに君が選んだ道を歩く 分かた道も別れの道も どっちが間違いとかはないさ 選んだ道の途中で ほら 自分の顔をもう一度見てみな 笑ってるだろう?
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