Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2006年10月29日(日)  Please, I just got to talk to you

夜、yer-bluesさんから恒例の酔っ払い電話。これは出来ることなら一度録音してここにリンクを貼りたいくらいだ。愛情3割、'Fuck!!'3割、弱気1割、ロック5割、・・・えっとたして何割だ?
放っておくと今いるロックバーの音楽をえんえんと聴かせたり、バンドとスタジオに入ってギターをえんえんと弾いたり、家に帰ってピアノをえんえんと弾いたりする。携帯をつながったまま放置するとか、途中でぶちっと切るくらいのことは出来ないと、とてもこの数年つきあってはいられない。

そのくせかけてくるなり、「怒ってないか?」と訊いたりする。いつも「ううん、まだ」と答えているけどw

今夜はドミンゴにブルースハープを吹かせるから聞いてくれという。・・・電話の向こうでドミンゴの「きゃんきゃん」という困った鳴声が聞こえている。
ドミンゴよ・・・きみに会ったことはないけど、yer-bluesさんの飼い犬をやっている大変さはお察しするわ。
yer-bluesさんが言うには、ドミンゴは私との電話に出させようとすると、息が荒くなるんだとかw

いつも通り「朝までこのまま話していいか?」と言われたので、いつも通り「いや」と答える。

Please, I just got to talk to you (ただ話がしたかったんだ)  *Sick As A Dog / Aerosmith (1976) の歌詞。



2006年10月28日(土)  To understand the scheme of things. Just in time the scene has changed

私のベスト1ミュージシャンはレオン・ラッセルだ。これはある時からそう決めた。

私は子供の頃からずっと、周りは音楽を聴く人間ばかりだった。特に16歳でバンドを始めて以来、要するに好きになる男も友だちになる女も全部ロックつながりなわけで、そういう環境を自分でつくってきた。だから、好きで普通の会社に入っておいて、「ロックの話が出来ない」なんて不満を言う人間もどうかと思う。
で、そういう人生で、いやになるほど繰り返されてきた質問がこれ。「誰が一番好きなの?」
ベストワンのアーティストまたはバンドなんて、自分だってまず答えられないだろうに、人は何故かこの質問を繰り返す。そして訊かれた方が答えに手間取るのは、本当に迷っている以外に、どう答えるのが自分を最大限にアピール出来るかと考えてしまうからだ。
で、面倒になったので答えを決めた。「レオン・ラッセル」と。以後20年間、この選択を後悔したことはない。

実はこの答えは非常に便利でもある。何故なら相当のロック好きしか、レオン・ラッセルをちゃんと知らないからだ。ビートルズと答えても、レッチリと答えても、「ああ、そういうの好きなんだ」と物凄く粗雑な納得をされる恐れがある。(ビートルズが「どういうの」だか言ってみろ!!) だが、レオン・ラッセルなら大丈夫だ。
高円寺のCROSS ROADに一年間勤めた間、女がロックバーのカウンターに立っていると値踏みされるのか、たまに「君、何が一番好きなの?」と試すような口調で言われることがあった。そういう時、「レオン・ラッセルです」と即答すると、たいてい相手がふっと黙ってくれる。語るだけの知識がないか、または知っていればこの名前に気圧されるのだ。

今夜、まちょ(g)に渡すXeroXのコピー用音源を焼いていて、一緒にレオン・ラッセルの2ndも焼いてあげようと思ったら、つい録るのも忘れて自分が聴き惚れてしまった。久々にイヤホンで大音量で聴いたので、血管に注射しているかのように音楽が入ってきて、あまりの衝撃にへたへたとなる。
私は1stがレオン・ラッセルの真髄だと思っているが、2ndを聴いている時はその判断が揺らぐ。1曲目の'Stranger In A Strange Land'の出だし、ピアノの一音一音、'Wow-oh'というひと声、そして歌に隙間なく圧倒される。"He shares a simple secret with the wise man."の"w---ise"という部分に揺さぶられた時には既に泣いている。この間わずか50秒。以後2曲め以降もびっしりと感動が続く。
B面のトップは'The Ballad of Mad Dogs and Englishmen'で、私は昔この曲を聴いて詩を書いている。B面ラストの'Beware Of Darkness'にはっきりとロックの危険性を告げる警告を聞き取り、しかし既にその「車」から降りる気がない自分、降りないで連れ去られることの快さに慄き、悲痛な覚悟を書いた私が、そのすぐ後に'The Ballad of Mad Dogs and Englishmen'を聴いて、全く趣の異なる、いわばあたたかい詩を書いている。私はこの曲に、自分を駄目にすること、生きる能力がないこと、何も持たないことへの優しさを感じ、慰められたのだ。
───歌詞の内容ではなく、曲そのものの話だ。歌詞自体は殆ど意味のつながらない言葉が並べられていて、ひたすらその音が美しい。"Union members. Leo Fender's pride and joy. Electric toy."といった具合だ。R.E.M.のマイケル・スタイプは、「イエローページを読んでも人を感動させられる」と言われているが、レオン・ラッセルは「全ての単語を感動的な発音で歌える」のではないか。

と、すっかりひたりきっていたら、ちょうどまちょからメールが来たので、2ndを焼こうとしていることを言ったら、既に買ったとの返事。
────────エクセレント。

To understand the scheme of things. Just in time the scene has changed (ちょうど私が我にかえった時、あなたが理解の手をさしのべる)  *The Ballad of Mad Dogs and Englishmen / Leon Russell (1971) の歌詞。



2006年10月21日(土)  Beautiful garbage

"Shirley, who's probably the best rock star I can name right now. Just the DNA on her. Sure she's just born rock star. I have to actually try. She's just it."

YouTubeでたまたま見つけた、たった8秒のコメント映像。
コートニー・ラヴが、ガービッジのシャーリー・マンソンを絶賛している。
私は音楽雑誌どころかCDのライナーノーツすら読まないので(そもそも輸入盤好き)、アーティストの基本的背景も全く知らない。だから、コートニーがシャーリーと知り合いかどうかさえ知らない。おそらくこの感じだと、友だちなのかもしれないが。
何か感動的だな。何だか嬉しい。

私がコピーする三人の女性シンガー。ホールのコートニー・ラヴ、ガービッジのシャーリー・マンソン、キルズのVV(ヴィヴィ)。
私は彼女たちとばらばらに偶然に出会い、それぞれの人となりも全く知らぬままに、勝手な共感を抱いている。

コートニーは、何しろ話題性が高いので、三人の中では一番情報量が多いが。私の知る限り、この世で最も可愛い女だと思う。彼女が何かのライヴのMCで、「エリック(g)は私のことを彼女にしてくれないのよ・・・私があんまりにもブスだから」と言っていたが。私は彼女がこういう発言をするのを見ると、涙が出そうになる。多分本気で言っているんだろうなあ、と思う。哀しそうにきれいな顔で微笑んでいる。───いいから誰か、行ってあの女を抱きしめてやれ、と言いたくなる。
彼女の書く詞は、いつも何かに魅せられている。彼女はベタニヤのマリアだ。ぽかんと口をあいて、キリストの端正な顔をうっとりと見ている。

VVは人間だと思えない。歌うお人形だ。彼女自身がそう思われたがっている。ステージでひと言も喋らず、化粧どころか髪をとかすことすらしない。前髪を全部前に垂らして顔を隠し、歌いながら煙草を吸って、口に含んだ水を床に吐きだす。
ライヴの最前列にいた私を、「殺すぞ」といわんばかりの眼でにらみつけていった時は、腰が抜けそうなほどぞくぞくした。
最高のフェイクのお嬢ちゃん。どうせあんたが本当は純粋で一途だってことは見ていればわかる。ホテル(g)しか眼に入ってないんだよね?
かっこいいお嬢ちゃん、あんたには負けないよ。

シャーリーは、見ていて冷静ではいられない。不幸な歌詞、挑戦的な歌詞、諦めた歌詞、自分を食い荒らす歌詞。助けを求める歌詞。
彼女が子供の頃から外見をからかわれてすさんでいたと知って、自分のことのように感じたのは何故なんだろう。私はそんな体験はないのに。
シャーリーがライヴで幸せそうに笑ったり、少しでも救いのある歌詞を書くと、私は心底ほっとする。

だからそんな彼女をコートニーが手放しで誉めるのを見て、何だかとても嬉しかったんだ。

Beautiful garbage (美しいガービッジ)  *Celebrity Skin / Hole (1998) の歌詞。



2006年10月09日(月)  And if you listen very hard, the tune will come to you at last

ロックに笑いを持ち込むのは嫌いだと、以前この日記にも書いた筈だ。粗野で下品なのも、汚いのも嫌いだ。
で。
フー・ファイターズ
去年このバンドに出会い、雷に打たれたように恋に落ちてから、私の美学は滅茶苦茶である。どうしてくれるんだ、デイヴ・グロール。
ライヴ中にマイクの前で音をたてて痰を吐くような、むさくて鼻の穴のでかい男の演奏に、うっとりしている自分が悔しい。

なんて言ってたら、今日YouTubeでこんな映像を見つけた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ははははははははははははははははははははは。ハラいてーw

あまりの感動にいてもたってもいられず、これを世間に伝えなくてはと、自分のbbsに貼り、もじょきちさんとこのbbsにも貼る。お次はmixiで最大のツェッペリンのコミュニティに貼り逃げしてきちゃえと思って行ってみたら、何と管理人がカシミールうっちーさん(b)。でもひるまずしっかり貼ってきた。勿論mixi最大のフー・ファイターズのコミュニティにも貼る。
後でコメントをチェックしてみたら、フーファイの方は「やるなよ」「ひっでー」「最悪」と絶賛の嵐w
意外だったのがツェッペリンの方。最初こそ戸惑った風な反応だったが(「そういう時代なんですね、今は」というコメントに、思わず「ちゃいますよ! フーファイがアホなだけです!!」とレスしそうになった。ちなみにこの場合の「アホ」とは賛辞の意味である)、次第にツェッペリンへの理解や尊敬に裏打ちされた演奏との見方が多くなってきた。「むしろそうやってもゼップへの愛情感じることに文化の成熟度に差があるのかなぁ」という意見は、まさに我が意を得たりという感じ。
・・・しかし途中から、「もしかしたらあのバンドは本当は上手いのでは?」という疑惑が出て来たのはかなり可笑しかったなあw

そんなフーファイが12月に来日するという情報がまるちゃんから入った。速攻で先行予約する。今日の時点ではウドーだけなのだが、これだとスタンディングかスタンドかが選べない。
スタンディングだといいな。そしたら死ぬ気で最前取るから。

And if you listen very hard, the tune will come to you at last (よーく聴けば、そのうち理解出来るはず)  *Stairway To Heaven / Led Zeppelin (1971) の歌詞。



2006年10月08日(日)  What position should I wear?

まるちゃんとNariさんと表参道で15時に待合せ。の、筈が。
家を出たのが16時近く。遅刻魔脱却の道は険しい。

本日はマイナス5のライヴ。え、知らないって? でしょうね、私もよく知らないものw(まるちゃんに音源2枚もらったけどね)
何だっていいわ。要はそのバンドのギターがR.E.M.ピーター・バックなんだ。
今や私の美学の代名詞であるR.E.M.を初めて聴いたのは12年前。アルバム'Monster'の1曲目'What's the Frequency, Kenneth?'の出だしのギター一発でくらくらとなった。あのギターを弾いたひと。
そのひとに、「私だってこれより大きなところでやったことあるわ」っていうくらい小さなライヴハウスで会えるのだ。

今日は来日公演の三日目にして最終日。聞けば今日だけフロアの真ん中がスタンディングになったそうで、私としては大喜び。ピーターの立ち位置が左と聞いていたので、左最前に立つ。
で、マイナス5登場。(元モット・ザ・フープルのキーボードであるモーガン・フィッシャーが最初に出てきたのでぴっくり)
CDよりライヴの方がぐっと良くなるバンドだろうなと思っていたが、予想通り。(このハコの小ささもあるが) 殆どの曲がCDで聞き覚えがある。ギターボーカルのMCもわかりやすい英語で楽しい。ジェリー・ガルシアのような長髪ヒゲ面サングラスのギター・ボーカルは、見た目に似合わぬ可愛い声を出す。もう一人のギターも結構私好みの音を・・・って。ギターが2本?
・・・そう、目の前で見るピーター・バック、二歩で手が届く距離にいるピーター・バックが、ベースを弾いてる
・・・・・・・・・・しかも。特に上手くもなんともない。
どう受け止めればいいのか、よくわからんな・・・・・・・・・。
けれど本当にバンド自体が良かったので、かなりきちっと楽しめた。それと、「R.E.M.のピーター・バックだ・・・」と思うとそれだけでもう涙ぐみそうなので、あまり考えないようにしていたよ。

休憩を挟んで、次はロビン・ヒッチコック登場。知らないって? うん、私も全く知らなかった。しかしこれが結構な逸物で。
恐ろしく低い声で喋ったと思うと、拍子抜けするくらい高くて甘い声で歌いだしたので呆気に取られた。何だ? このフレキシブル過ぎるしなり具合は。歌声はルー・リードの低音とジョン・レノンの高音、しかし全体的には、この目つきといいこの変な腰の動きといい、デヴィッド・バーンだ・・・!
そう思っていたら、トーキング・ヘッズに捧げる曲だのジョン・レノンに捧げる曲だのをやったので笑った。やっぱり好きなんだな。アンコールではルー・リードの'I'm Waiting For My Man'もやった。彼がやると、どのアーティストも声から何から生き写しだ。
彼のバックもマイナス5が担当し、この時はピーターもギターを弾いた。しかしこれがまた、何とも「肩の力の抜けた」演奏で。ようやく気合が入ってきたのがラスト曲の中盤だし。

しかしこの時の演奏、マイナス5をロビン・ヒッチコックが見事に引っ張っていた。いきなり来たリクエストの曲をその場でコード確認してやったりもするのだが、それでも全ての進行がおそろしいくらいぴたっと決まる。アイコンタクトだけで、全員がキメは絶対にはずさない。いやもう、プロとはこういうものですかと心底感心してしまった。音の厚さもクオリティも、小さいハコだけに、アマチュアの演奏との差が歴然とわかる。
正直この日の圧巻は、ロビン・ヒッチコックで決まりだったな。この日に限って言えば、ピーター・バックの30倍の存在感があった。たいしたもんだ。

ライヴ終了後に物販の前にいたら、ピーターが普通にふらっと現れたので、つい知り合いにでも会ったような気になって、反射的に笑顔で「ハイ!」と言ってしまった。そしたらピーターも普通に「やあ、元気?」だって。
・・・・・・・R.E.M.のピーター・バックなのに。ピーター・バックなのに。メッチャ普通w

モノに興味のない私は、サインなんかいらないやと思っていたが。物販に、ピーターがかなりかっこよく写っている紙ジャケのCDが売っていたので、一枚買って、ピーターとスコット(vo,g)にサインしてもらった。スコットは、写真のピーターの腕に「今すぐヤクきめろー!」と落書きしていた。
Nariさんに携帯で写真も撮ってもらった。

何だか期待した部分と違うところでしっかり満足させられたライヴだったな。とにかくすごくいいもの見たわ。うんうん。

What position should I wear? (どう受け止めればいいんだろう)  *Crush With Eyeliner / R.E.M. (1994) の歌詞。(アルバムは'Monster')



2006年10月07日(土)  Hermit of Mink Hollow

今からものすごく衝撃的なことを書くので、普通の神経のひとは気を落ち着けるようにw

ちょっと前の話になるんだけど。10/1に私は大阪からの帰りの新幹線の中で読書していた。で、ふと顔を上げたら、電光掲示板のニュースのヘッドラインが目に入った。「日中関係筋は、安倍首相が7日から北京を訪問することで調整していると語った」か何かそんな内容。
え・・・・・?
・・・・・・安倍首相?

その瞬間私が感じたのは、「・・・とうとうやったわ!」というアホみたいな満足感だった。
私、日本の首相がかわったのを知らなかったんだ・・・・・・・!

(書いてみたらそれほど衝撃的でもないような気がしてきた。少なくともScreaming Bunny的にはw)

2002年7月に、残った有休を一気に消化してニューカレドニアに行き、その直後にKDDIを辞めた。PCを買って、届いて40分後に自力で繋いでネットを始め、そのままPC中毒となって、TVを一切完全に見なくなった。毎日ぶっ続けで7、8時間チャットをするようになり、ネット時間は実に一日20時間。たまにPCの前でうとうとするだけで、ベッドに行って寝ることはほぼなくなった。
新聞も読まなくなったので止めた。だからといってネットのニュースも見ない。

以前は、新聞は毎日チェックしていた。仕事柄もあるが、国際政治や経済などの時事問題に精通していないのは恥だと思っていたのだ。それと、今この世の中に何が起こっているかを知っておくのは義務だという気持ちもあった。
それが、いきなり完全にメディアから離れ、しまいにはもう、どう言い訳しようとも思わなくなった。
消費税が変わった時も、現場で値札を見て初めて知った。台風が来たことさえわからなかったりする。

逆にここまで何も知らない自分が面白くなってしまい、「いつか日本の首相がかわっても多分気づかないよ」と周りに言っていたのだ。

なのにダイムバッグ・ダレルが射殺されたことは数時間後には知っていたし、レッチリメタリカがフジやサマソニに出る情報は、メディア発表のはるか前に知っていたり。
どうして知っているかというと、ひとがそういう情報を与えてくれるからだ。で、誰も私には、日本の首脳が交代という情報はいらないと思ったとみえるw

実はYutakaさん(vo)のブログに、「同級生から初の閣僚が出た」とあるのを見て、「第4次小泉内閣・・・?」と漠然と思っていたのだ。

私の政治情報が途切れたのが、小泉改造内閣だもんなあ。今、ちょっとチェックしてみたら、2002年11月にはこんな日記も書いているので、まだぎりぎり政治に関心があったらしい。同じ頃に書いた本のレビューには、メガワティなんて名前が出てきたりする。
あの頃は、ロシアの歴代の首相(大統領ではない)の名前が言えるのが自慢だった。'98〜'02年の間で6人変わっていたし、名前自体が覚え辛いから。ヴィクトル・チェルノムイルジンなんていうのを覚えて得意になっていたのだ。
今は、'Lola versus the Powerman & the Money-Go-Round, Part One'、'Arthur or the Decline and Fall of the British Empire'というキンクスのアルバムタイトルを言えるのが自慢だ。・・・いや、これは前から言えるか。

とにかく。久々に安倍なんていう名前を聞いて、「官房長官?」と思ったところまでは合っていたが、下の名前を考えて「晋太郎」が出てきたのがもう間違いである。それは父親だ。
ついでに他の国の首脳も変わっていないかと思い、ロシアの首脳って誰だっけと考えた時に、即座に思い出したのが「フルシチョフ」だったのには我ながら笑った。・・・そこまで歴史的に遡らなくてもw

Hermit of Mink Hollow (ミンク穴の世捨て人)  *Todd Rundgren のアルバム。(1978)



2006年10月06日(金)  Cat Claw

明け方にBLACKに現れた女性客二人。今お店が終わったところらしく、若い方が荒れている。職場の大ベテランが腹にすえかねるらしい。やがてそのベテランからかかった電話の「今から来い」というひと言に、「行かねえよ、ババア!」と言い返した。
か。かっこいいw
猫が毛を逆立てたようになっている。なんだろうな、このかっこよさって。男なら絶対にあり得ない。同じことをやっても、単に「・・・粗暴なひと」と顰蹙を買うだけだ。細くて綺麗な子だが、そうでなかったとしても多分同じようにかっこよかっただろう。
連れは、明るいハスキー・ボイスの子で、コケティッシュな顔立ちと雰囲気が、お店じゃ人気なんだろうなあと思わせる。この子もまたかっこいい。

思えば、男でこれほどかっこいいと思う相手なんて、特に最近は全くお目にかかっていない。女のほうが単純に生き物としては美しい場合が多いが、そういう問題なんだろうか。
・・・うーん。真面目に女とつきあうことを検討するのもいいかなあ。私は美学が大事で、男は美学を損ねるとは言わないが、女と一緒にいるほうが、その美学を保ちやすいのかもしれない。

あ・・・勿論「女」って、美人限定ねw

Cat Claw (猫の鉤爪)  *The Kills の曲。(2003)



2006年10月05日(木)  Watch out now, take care. Beware of the thoughts that linger

夕べは久しぶりにバングラデッシュの'Beware Of Darkness'で涙してしまったから。やはりDVDが欲しいなあと思う。見たことはあるが、持ってはいないのだ。結構値が張るけど、見たいのはレオン・ラッセルの演奏だけだし。
そこでふと、YouTube検索を思いたつ。やってみて驚いたことに、何とDVD1枚分まるまる(Part1からPart9に区切って)アップされていた。・・・ここまで来ると、有難いと同時に後ろめたいなあ。と思いつつ、全部ダウンロードする。

早速、'Beware Of Darkness'を見る。そして不思議なことに気づく。この演奏に限っては、音だけの方が、感動が大きい。
或いは私があまりにも長い間、あの音に浸りすぎたのか。
そしてもうひとつ。ジョージ・ハリスンの歌が、心にしみる。

私はずっと、美しいもの、圧倒的なもの、熱に浮かされたもの、引きずられるようなものが好きで。
レオン・ラッセルの2ndで、'Beware Of Darkness'を聴いた時、これがある意味、私の一生を決定した。ひとはよく、「〜の曲が俺の人生を狂わせた」などと気軽に口走るが。傲慢を承知で言うが、ふざけるなと思う。そう言う人間が何を犠牲にしたと言うんだ。
私は、はっきりと「まともな人生」を手放した。明日が見えないのが普通になった。
不思議だ。これは警告の歌なのに。
この曲を聴くたびに泣いた。レオン・ラッセルの提示しているものの恐ろしさ、併せ持つ美学の引力、それに引きずられる自分の哀れさ、引きずられて降りてしまうことのぞっとするほどの快さに。
鬼才とは、こういうひとを言うのだと思った。

だから、初めてジョージ・ハリスンのオリジナルを聴いた時は拍子抜けした。これはひんやりしたシルクだ。光沢があってきれいだが、ひとの人生を動かすような重みは持たない。何て弱っちいんだろう。

バングラデッシュのバージョンでは、そのふたつが奇跡のように寄り添う。全体はジョージの雰囲気が支配しているが、そこにレオンが、いわば暴力的なほどに圧倒的な才能と力を示してくる。そしたらジョージが、軽く哀しげにあえぐのだ。
この、迫害された哀しさに震えるような声、この声の美しさにようやく今頃気づいた。

何だか今初めて、ジョージ・ハリスンというひとが死んだことを、心から悲しいと思った気がする。

まっすぐなひとだったんだろう。だから皆に愛された。
あなたが、もう何も恐れず、何も警戒(watch out)しなくていいことを、神に祈ろう。

Watch out now, take care. Beware of the thoughts that linger (気をつけて。頭の中にこびりついている考えに)  *Beware Of Darkness / Leon Russell(1971) / George Harrison(1970)の歌詞。



2006年10月04日(水)  Talking 'bout my hummingbird

まちょ(g)から携帯メール。オーダーしたレオン・ラッセルの1stが届いたので、今聴いているって。「ピアノも声も曲も最高」で、「こんな凄い人を知らなかったなんて!」と絶賛している。
・・・・・・あ。嬉しい。

忘れてた。そうだった、私、一週間前のセッションの後で、まちょを相手に、自分のベスト・ミュージシャンであるレオン・ラッセルを熱く語ったんだ。普段私は自分の好きな音楽や小説をあまり人に薦めない。私の愛する素晴らしいものが、本心から欲しない相手に適当に読まれたり聴かれたりするのが嫌だからだ。
でもあの時はいつになく勢いこんで語っていた。

「レオン・ラッセルは知らないのは損失だよ。彼の素晴らしさをわかりやすく説明すると。1970年に、それまでジョー・コッカーのバックなどをやって既にベテランのセッション・ミュージシャンだった彼が、自分のレーベル『シェルター』をつくって初のソロアルバムを出す。その時の参加ミュージシャン達が、エリック・クラプトンジョージ・ハリスンリンゴ・スタービル・ワイマンチャーリー・ワッツスティーヴ・ウィンウッドなど。後にミック・ジャガーが参加したバージョンも出たりしたけど。こういった大物アーティスト達が、全員レオン・ラッセルには一目置いている。例えば1971年のバングラデッシュ難民救済コンサートにレオン・ラッセルも出たんだけど。その映像を見ると、そのそうそうたるメンバーの中にレオン・ラッセルが現れるだけで、全員が黙って道をあける感じで。ジョージ・ハリスンと一緒にやった'Beware Of Darkness'なんて、まずジョージが歌って次にレオンが歌うんだけど、レオンが歌いだした時の客の歓声がジョージより遥かに大きいんだ・・・ジョージの曲なのに」

こういったことを一気に語ったんだ。
私ったら、どうしちゃっんだか。

実は。上に挙げたようなことはどうでもいい。実際私は、レオン・ラッセルの1stに衝撃を受けてはまり込んだ後数年間、この参加ミュージシャン達を知らなかった。当時18歳だった私は、そもそもジョー・コッカーやスティーヴ・ウィンウッドが誰だかもよくわかっていない。(ビートルズだけは既に血肉であったが) 私は、一切の知識なしに、レオン・ラッセルに心酔していたのだ。
参加ミュージシャン達はあくまでレオンの凄さを端的に示す小道具でしかない。

今この面子を見渡すと、全部イギリス人なのに気づく。レオン・ラッセルこそは、品のいいブリティッシュ・ロックの大御所たちが束になってもかなわない、アメリカの土着の底力を持っていたんだと思う。
──私が上記のことをまちょに語った時、「レオン・ラッセルに迫力負けしないただ一人のひと」と言ったのがボブ・ディランだったのも当然だ。

まちょと何度かメールをやり取りし、すっかり嬉しくなって、レオン・ラッセルの1stを聴く。更に、バングラデッシュの'Beware Of Darkness'も。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
泣いちゃった。

そのこともまちょにメールする。
けれど、何度語っても、言えないことがひとつある。
1stでは、'Hummingbird'って曲が一番好きなんだ、って。
言おうとすると、喉が詰まるんだ。

Talking 'bout my hummingbird (私のHummingbirdのことを語る)  *Hummingbird / Leon Russsell (1970) の歌詞。



2006年10月02日(月)  We're not the greatest when when we're separated but when we're together I think we're going to make it

私は荷物が多いのが嫌いだ。だから昨日までの旅行も、バッグの中身は財布、ポーチ、着替(下着と靴下とキャミソール)、本だけだった。帰りの時点でも、例えばるみの通勤バッグの1/3の軽さだと思う。(るみは、いわば「一緒に遭難したい人No.1」だ。バッグには常に、水、食物、バンドエイド、頭痛薬、その他何もかも入っている)
移動中は必ず本を持つが、旅行中は英語のペーパーバックが多い。日本語より読むのに時間がかかるから数日もつし、何より軽いからだ。

今回持っていったのは'Xenophobe's guide to the English'───イングランド人の気質をかなりシニカルかつユーモラスに書いている。この本が嘲笑しているイングランド気質こそ、私がロンドンを愛してやまない理由であるから、笑って読んでいたが。
'Clubbability'という項目にふーんとなった。曰く、'They are never happier than when they are surrounded by a group of people with whom they either have, or affect to have, everything in common. For this reason English life is enriched with clubs and societies,' (後略)
ふーん?という感じ。イングランド人は、全てが共通する人々に囲まれているのが最大の幸せだから、やたらとクラブを作る? 言われてみればそうかな?くらいの認識だった。
ところがその次の項目'Class'の冒頭を読んで、あっとなった。'Their class is the largest club to which they belong.'───階級こそは、最大のクラブである。
ああ!そうか、そうなんだ。階級って、身分の違いはきっかけでしかないんだ。どうしてイングランド人たちが、中産階級と労働者階級で、これでもかというくらいに使う単語から読む新聞から見るTV番組から変えるのかが不思議だった。好きにすりゃいいじゃないかと思っていたのだが。あれって好きこのんでわざわざやっていたんだ。自らのクラブの特徴にのっとり、他のクラブ構成員達との共通点を強調すべく。自分の属するクラブをことあるごとに知らしめたいんだ。
・・・うわー、目から鱗が落ちた。
以前にオアシスのノエル・ギャラガーが、ブラーを批判して、「奴らは何だかんだ言ったって結局中産階級だ。ホンモノのふりは出来ない。俺達はホンモノの労働者階級だから魂が純粋だ」と言っているのを聞いて、さすがノエルって(純粋な)アホだなあ・・・と思っていたのだが。
きっとこれを聞いた殆どの労働者階級が、我が意を得たりとうなずいていたに違いない。

この後に続く'Placing Each Other'という項目にはこうある。'Nothing upsets an English person so much as not being able to 'place' another ─ or worse, making a mistake about someone's social position.'
誰かの階級を見分けられない──まして間違うのは最悪の事態だ、って。
・・・うわー。

このシリーズ、何と'Japanese'もあるのだ。
・・・絶対読もうっと。(おお怖)

We're not the greatest when when we're separated but when we're together I think we're going to make it (一人ずつだとたいしたことないけど、皆一緒ならやれるさ)  *The Conternders / Kinks (1970) の歌詞。



2006年10月01日(日)  Without dollar one to spend

8時起。シャワーを浴び、コーヒーを入れる。実はこの時間──ホテルに泊まって、一人でゆっくりくつろぐ時間──がかなり好き。なので、旅行中はしょっちゅうこうやって時間を無駄にしている。
私は片づけ魔なので、我が家は相当がらんとしているが、ホテルの部屋はそれ以上に何もない。そのすっきりした空間で、シャワー後にタオル一枚まとっただけの格好で、デスクの上に足を投げ出してコーヒーを飲んだり本を読んだり。こういうのが大好きなのだ。

今回の旅行は、ふと思いついて10日前に予約した。そしたら一緒に行きたいというひとがいて。一度はOKしたけど、やはり考えてやめにした。前回、天使と一緒に来て、どういう結果になったのか思い出したのだ。
彼は天使とは違うから、ああいうことにはならないとは思う。でもまだ知り合って間もないひとだ。うかつなことをして、嫌いになりたくはない。
とにかく今は、一人で幸せだ。旅は本当は、一人が一番いい。

12時にみーこちゃんと難波で会う。昼間から居酒屋で串カツで一杯。その後甘味処に移動し、コーヒーと桜のお萩とわらび餅。みーこちゃんは何だか物凄い盛り沢山の和風パフェのセット。
買物(ヘアピン2種)した後、ロケット広場でハーゲンダッツを食。大阪に来ると、よくここでみーこちゃんとアイスの立ち食いしてるなあ。そして何故かそのたびに、隣のひとがどん引きするようなきわどい話をしてる。今回も近況をかいつまんで話したら、みーこちゃんに「悪魔のような女やな。悪女・・・じゃなくて悪魔や」と言われた。何でやねん。
そういえば以前STにも、「小悪魔・・・じゃなくて悪魔だな」と言われたっけ。何でだよ。私はただの可愛い女だってばさ。

16時にみーこちゃんと別れ、新大阪駅へ。買物(フレームがカーキの水玉模様の、素通しのメガネ。1,000円)して、マネケンを買込んで18:23の新幹線に乗る。
お隣の男性が窓際の席を譲ってくれたのでゆったり。コーヒー飲みつつ読書。

23時帰宅。今回は全然お金を使ってない。元々ホテルもわけあってタダだし、交通費は往復2万ジャスト。旅行中使ったお金は、2日間一切合財で2万かかっていない。一日で4万とか使った前回(しかも2泊)とえらい違いだ。でも前回より気分がいい。特に節約したわけでもなく、前回同様みーこちゃんと、ファニー・メイのマスターにも一杯おごったしね。

それにしても最近は本当にお金を使わなくなっちゃったな。お金がないからということではなく、物質的に欲しいものが何もないのだ。おかげで恐ろしく収入が少ないわりには、特に困ってもいない。
いつでも買いたいものは本とコーヒー。それだけあれば幸せ。

Without dollar one to spend (全然お金を使わずに)  *Daydream Believer / Monkees (1967) の歌詞。



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