2006年09月28日(木) |
ささやかなことですが、それなりに良いことをした日 |
自分の足元を見つめながら夜道を歩いていると、
かさり、かさかさ、と
千円札が足元に落ちてきました。
拾い上げて前を向くと、若い女性が財布を小脇にはさみ、
携帯電話をいじっていました。
あきらかに彼女が落としたらしい。
でも全然気づいていない。
どうしようかな?このままもらっとこうかな?
と思ったけれど、
落としものを拾ったら、落とし主に返してあげなきゃ
の法則により、声をかけてみることに。
落としたのが女性でなかったら、深夜だったし
そのまま声をかけずにもらっておいただろうけれど。
落としましたよ。と声をかけたら
「わぁ、すみません。ありがとうございますぅ。」とお礼を言われた。
家に帰って夫に話したら「自分やったら、もらっとくけどなー」とのこと。
いやぁ、今日はいいことをしたなぁ。
電車が川を越える時、土手に彼岸花が見えた。
朱色に流れていく。
もうそんな季節なのだなと思う。
季節の流れていくその様子に、気づくことなく過ぎていくことが多くて、
ときどき、風や木や空に、視線を向けよう。と思う。
*
山崎ナオコーラさんの「浮世でランチ」を、噛締めるように読了する。
デパートの屋上にあがって、ベンチでお昼ごはんを食べながら
すーんとする心をあじわう。
またひとつ好きな小説に出会ったなぁと思う。
【8月と9月の読書】
「説きふせられて」ジェイン・オースティン
「重力ピエロ」伊坂幸太郎
「終末のフール」伊坂幸太郎
「浮世でランチ」山崎ナオコーラ
現在進行形→「まほろ駅前多田便利軒」三浦しをん「ハリーポッターシリーズ」、「ジーヴズの事件簿」(まだ・・・)
さるすべりの花があちこちで咲いています。
ピンク色の小さな花びらが集まって、ふぁさふぁさした丸っこいかたまりになって見えるところがかわいいです。
秋の風に散らされて、アスファルトにいっぱいピンクの水玉をつくっているところもかわいいです。
昔はなんとも思っていなかったというのに、今ではすっかり目で探してしまいます。
街のあちこちで見つけては、にんまりしたり。
こういうのも、歳を重ねるってことなんでしょうか?
*
11月に友人の結婚式があります。
招待状が来たので、へたな字ですが、出席に丸をして、おめでとうと書いてだしました。
ポストに投函するついでに、ちょっと遠いけど好きなパン屋さんまで足をのばしたら、
いつもほにゃにゃ〜としていて優しい先輩にパン屋さんで会いました。
なんとなく、うれしいことのひとつ。
*
山崎ナオコーラさんの「浮世でランチ」をとうとう購入。
小さい本屋ばかり4軒ほどまわったけれど見つからず、ついに大きな本屋へいってきました。
入り口に一番近いところに他の文芸書の新刊ともども平積みにされていて、
なあんだ、あるやん、よかったねぇ。なでなで。となでる。
ちらりと読んで、
乾いていて優しくて、でもすこし沈んだ色をしていて、
それでいて明るい、秋の曇り空のような小説だなぁと思う。
11階の窓からみえる海を私もみたいなぁと思う。
*
前々からおもしろいと噂の「のだめカンタービレ」をついに購入。
夫とともにがははと笑う。
昔好きだった海野つなみさんの漫画のことを思い出した。
平和な夜。
○パンを焼く
パンっていうと思い出すのが、小学生のころ学校の中庭で
木の棒に生地をぐるぐると巻きつけたものをアルミホイルで巻いて
焚き火の中へぶすりと突き刺して焼いた、あれ。
おいしかったなーって。
少し炭くさくって、でも香ばしくて、
ふわふわの代わりにしっとりしっかりしたパン。
あれが私のパンの原点。
先日、お料理教室で焼いたパンは、メロンパンとベーグルでした。
メロンパンの生地は最初から先生が用意してくれていて、
私たちは、上からパリパリぽろぽろするクッキー生地をのせて焼くだけ。
ベーグルは、一生懸命こねたけど、おいしかったのは焼いてすぐまでで、
次の日は堅くなってしまった。
○夕焼けにスイング
予定のない休日。夫と共にゴルフのうちっぱなしに行ってきました。
いつもたびたび驚くのだけど、私の人生にゴルフが登場してくるなんて。
ああ、びっくり。
二人で三箱打つ。
私はまだ4回目くらい。すごいへた。
夫もまだ初めて数ヶ月だけど、どうしたらあんなに飛ぶんだろう?というくらい飛ぶ。
でもスライスしてるけど。
夫にねだられて、アマゾンでDVDまで買ってしまった。
「やるからには、うまくならないと。」と言って、すっかり凝り性の性格をあらわにしている。
やれやれ。
2006年09月10日(日) |
休日の過ごし方、あれこれ |
○DVD「高慢と偏見」(1940年 アメリカ)を観る。
白黒の映画を観るのは久しぶり。
時代を感じさせるオープニングテロップがいい感じ。
早口でしゃべりながら登場する女たちの帽子にまずびっくり。
これがジェーンでこれがエリザベス!といちいち驚きながら観る。
エリザベス役の女優の顔のでかさがなんだか気になったけど、まあいい。
小説を読んでいたおかげで、ストーリー展開の速さになんとかついていけた。
小説を読んでいることが前提のような映画、といえばダヴィンチコードだけど、
あれと同じくらい2時間でおさめるのに無理があったよね。と思う。
でもダンスパーティーのシーンやガーデンパーティーの様子は一見の価値ありだった。
いっせいに同じステップで踊る男女の軽やかな動きに見入ってしまう。
そしてダーシー。とても魅力的な俳優さんだった。
プライドが高そうなところや、実は情熱的で実直、家族思いな優しい心がにじみ出ていた。
これは惚れる。。。
逆にエリザベスは、ただ頭の回転の早いそこそこプライドの高い女の人という感じで、
家族思いなところや、正義感の強いところ、芸に秀でていて明るく快活なところ、というのが
あまりに早足で物語がすすんでしまったために、うまく表現しきれていなかった感があった。
○炉辺焼きがんこ
夫と、そのご両親と4人でがんこへ。
ゴルフをしてきた3人と待ち合わせて一緒に夜ご飯。
夫のご両親がこの炉辺焼きがんこを気に入っていて、
ゴルフのあとは決まってがんこで飲むことに。
「来年の秋ぐらいは豆ごはんさんも一緒にまわれるかなぁ。」とお父さんに言われる。
おうっと。真剣にゴルフの練習しなくちゃ・・・。
そりゃ、4人でまわれたら楽しいけど。
○結婚記念日前夜祭
レストラン「よねむら」へ行く。
約三年ぶりのよねむら。
創作フレンチだけれど、フレンチの枠を大きくはみ出している。
3年前はビストロだったのに、いつの間にかレストランになっているし。
白ワインのハーフ、赤ワインのハーフと順にあけて、
夫と二人でちどりながら帰る。
至福の2時間半。
途中「前に来たのは10月だったよね」と夫にいわれ、
なんで来たか覚えてる?と聞かれる。
??なんだっけ??
さっぱり思い出せずにいると夫に「普通逆やろ・・」と言われてしまう。
そうよね、普通記念日とかなんとかって女性が覚えてて男性が忘れるのよね。。。
あっはっは、なんだっけ?と笑い飛ばしていると
「付き合って1年記念で来たんでしょーが」とにらまれる。
そうかそうか、そうだったねぇ。と笑ってごまかしつつ
よく覚えてるねー、かしこいねーと褒めておく。
また口実を作って(誕生日とかクリスマスとか)来たいねーと言い合う。
いやー、付き合った記念日(私が勝手にこの日と決めたくせに)のことなんてすっかり忘れてたよ。
わっはっは。
2006年09月03日(日) |
肯定してしまうくせ。ヨガの日曜日 |
夫は広場へ野球をしに、妻はよそ様のお宅でヨガをしに、
それぞれ出掛けていきました、とさ。
日曜の午後は、それぞれ別行動でした。
午前中にふたりで約一週間分の食材を買いにスーパーへ。
ほんとうに幸せだなーと、夫といるとたびたび思うのだけど、
今日もまた、その幸せをかみしめつつお買い物。
好きでいる間って、ありえないくらい盲目というか従順というか
その人を全肯定してしまうくせがあって、
今は夫のことを、冷静に判断した上で(だと思い込んでいる)、
ものすごく素晴らしい人だと思っている(思い込んでいる)けれど、
たぶんきっと、好きでなくなるその時がきたら、
そうでもなかったよなーなんて、思うんだろうな。
そうは思いつつも、別行動をする日は(特に夫が先にでかけてしまった日などは)
サビシイナー。。。なんて思うのでした。
自分は普段から夫を残してよく外出をするくせに・・・。
でもいざヨガが始まれば夫どころではなく、
約一月ぶりのヨガはたいそう体にこたえました。
ただ体が硬くなっていて痛いとか疲れるとかいうならまだしも、
体力が続かないせいか息苦しくなってきて、
呼吸がとりづらく、ヨガでここちいいを通り越して、ヨガで疲れ果ててしまいました。
翌朝(つまり今朝)は筋肉痛で体がばきばき。
たいそうたいそう辛いです。
今月はあと一回しか行けませんが、来月はまたヨガ強化月間なのです。
2006年09月02日(土) |
光と闇の対称(プラド美術館展へいく) |
大阪市立美術館で開催されているプラド美術館展へいく。
16世紀〜18世紀にかけてのスペインで活躍した巨匠たちの作品が数多くおさめられたプラド美術館。
エル・グレコやルーベンスなどの絵を興味深く眺める。
宗教画や肖像画が主だったのだけど、その顔の表情のひとつひとつ、衣装のひとつひとつが興味深かった。
特におもしろいなーと思ったのは、「ボデゴン」と呼ばれる静物画で、
一般的な静物画と違って、独特の神秘的な雰囲気を漂わせているものが多く、
どこまでもリアルに描かれた植物や果物、花器などが
深い闇を思わせる黒い背景の中から美しく浮かび上がっているその姿は、
静物画であるのに、どこか宗教画のような神聖さを感じさせる。
そして面白かったのが、絵を見終わった最後に、絵葉書や図録を売っている場所が
お決まりとしてあったのだけれど、そこに、
メレンデスという人の描いたボデゴンの中のパンが、再現されて売られていたこと。
あれは何パンだろう。フランスパンのような、ミルクパンのような。一個800円もしていた。
京都の美術館だったら絶対ないだろうなーと思うだけに、大阪人の商売人魂にあっぱれを送りたい。
でもまぁ確かに、その静物画に描かれていたパンと葡萄と陶磁器でできた水差しは
私が今までみた静物画の中で、一番リアルかもしれないと思うくらいリアルで、
葡萄の、表面が白くけぶる感じや、陶磁器のつるっとしていてすこし厚みのある感じ、
いまにも触ることができそうなそれらは、写真以上にリアルに、こちらに訴えかけるものがあったから、
再現してみようという試みも、頷けるのだけど。(でも一個800円はないよな)
パンのまわりには描かれていたのと同じような水差しや葡萄のレプリカが置かれていて、
そのパンを買って食べてみたい衝動にかられたけれど、これからお昼を食べにいくところだったので
ぐっと我慢をする。
お昼はそのまま天王寺のアフタヌーンティーでランチセットを食べる。
土曜日だったけれど、ランチセットがあったので嬉しい。
そして久しぶりにゆっくりと、温かいミルクティーを飲んだ。
温かいミルクティーがおいしい、飲みたい、と思うような季節になってきたんだなぁと
しみじみ嬉しく思う。
両手でカップを持って、まずは香りをいっぱい吸い込んで、それから飲む。
その後、梅田へ戻ってお買い物。
トゥモローランドでダークグレーの服を買う。
最近は積極的に男の子色(とヨガの先生に言われた)の服を買っている。
昔から暖色よりも寒色、ビビッドな色よりも基本色を好んでいたけれど、
最近はそのことを自分自身で肯定して、積極的にそういう色の服を買っている。
そうすることに、特に深い理由はないのだけれど、
周りの意見や好みに流されずに、自分の好みを(服装においてくらい)貫いてもいいような、
貫いたほうが格好いいような、そんな気がしてきたから。
黒、白、茶、ベージュ、紺、グレーなどなど。
好きなんだからしょうがないよね。
ダークグレーのV字ニット(Vの片方に小さなボタンがついている)のほかに
紫紺のカーディガンも買おうかと悩む。
(でもこのカーディガン、肩のところが微妙に丸くなっていたのでやめる)
トゥモローランドの水色の紙袋をもって歩いていると、
なんとなくうきうきした気分になる。
買い物をした後っていつもそうだけど、好きな服屋の好きな紙袋を持っていると
それだけでかなり満足してしまう。
秋の服なので、まだしばらくは着れないけれど、
新しい服がきちんとたたまれたまま待っているかと思うと
とてもうれしく、早く秋がこないかなーと、思うのでした。
2006年09月01日(金) |
てのひらのとゆびさきの温度を |
9月になりました。
久しぶりに、朝から雨です。
朝目が覚めたときに降っている雨の、その気配というのがなんだか好きです。
ひさしぶりにその気配にふれて、いい気持ちになる。
今日から9月。少しだけ、秋にちかづきました。
私にとって夏というのは、毎日が現実的な楽しみで満ち溢れている季節で、
毎日汗をかいてシャワーをあびて、さっぱりして冷たいものを食べて、
生きてるなーって感じられる季節なんです。
でも、秋はそうではなくて、もっとふわふわした楽しさと心地よさに溢れていて、
ちょっとすると、いつのまにか終わってしまって、なくなってしまう季節なんです。
そしてそのどちらが好きかというと、
どちらも捨てがたいのですが、やはり秋は、「なくてはならない」季節なのでした。
実は昨日、ちょっとした悲しいことがあったのだけど、
まだ、夏だ!と思っていたせいか、それほど深刻にはならずにすみました。
心のもちようの問題というか、季節に引きずられずにすんだというか。
*
「説きふせられて」読了しました。
おもしろかった!高慢と偏見の方が、登場人物の魅力からいっておもしろさでは勝つけれど、
これはこれで主人公の思慮分別のある、なんともいえない物腰のやわらかさを堪能できて、また面白かったのでした。