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杉浦日向子さんが亡くなった。
江戸風俗研究家、漫画家、エッセイスト、文筆家…… 肩書きはいろいろつけられるけれど、 とにかく、江戸を身にまとっている人だった。
「お江戸でござる」に出演しなくなっちゃったんだな、 と思っていたけど、そういうことだったんだろうか。
『大江戸観光』好きだったのにな。 『一日江戸人』好きだったのにな。 あの、気負いを一切感じさせない、そして端正な文章が、 これからはもう生み出されることがないと思うと、残念でならない。
今頃あの世で、北斎と酒を酌み交わしたりしているだろうか。
2005年07月10日(日) |
(逆説の日本史3、西の善き魔女5巻、カザルスへの旅) |
久々日記。 そして、あまり本を読んでないな。むむむ。
***** 井沢元彦『逆説の日本史3 古代言霊編』 歴史の「推理」は面白いんだけどなあ。 「歴史学者の態度、考え方」への対抗意識の方が勝ってきて、うざくなってきた。 歴史学者にけんか売るのもいいけどさ、 井沢さんの推理に興味があるんだから、を純粋に楽しませてよ。
***** 荻原規子『西の善き魔女』文庫版5巻 外伝なのでフィリエルではなくアデイルが主人公。 「お嬢様」は自分の非力さと、武器と、なすべきこととを知る。 それから、優れた仲間を得る。 人が生きる強さを学ぶ。 フィリエルがだんだん深刻さにはまっていくのに反して、 こちらは冒険あり、戦闘あり、恋愛ありで、なかなかに面白い。 ん? フィリエルの物語もそういう意味では要素は同じか。 でも、「自分の本来あるべき世界でないところ」でトラブルに巻き込まれる場合、 野から宮廷へ行ったフィリエルより、 宮廷から砂漠へいったアデイルの方が、「何もできない」加減が面白いのかも。
谷山浩子の「岸を離れる日」はフィリエルにぴったりだなあと思い、聴く。 って、アデイルの話なのになんでフィリエル。
***** 伊勢英子『カザルスへの旅』 実は前に読んだときも、感想を書けなかったのだけど、 今回ものばしのばしになってしまった。 読むと、最終的に打ちのめされるんだ(でも好きだ)。
そして伊勢さんの新刊『ふたりのゴッホ』。 エッセイの新刊は久々かしら。 発売日前日に入手して、ちょびっとずつ読み中。 表紙(カバーにあらず)が黄色! 鮮やかだけど、ちょっと渋い黄色! ゴッホなだけにね。 その装丁に、まず胸が躍る。
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