しばらく放置していたのに、変わらず見に来て下さっていた方、ありがとうございます。 実は、ある、自分に課していた「やってはならないこと」を破ってしまいました。いろいろ考えました。それ以降の自分の気持ちがどう変化するのか、なんとなくリアルタイムで綴って行く気持ちになれなかったのです。それに、今迄散々偉そうなことを書いているくせに、ある意味卑怯な手段を使ったことが、読んで下さっていた方に対して恥ずかしい気もしていました。 少し前(といっても月記以下なわたしのここでは、昨年の話でしたが)に書いた、最近仲良くしている人。彼女もまた仕事やプライベート、家族や恋愛など色々重なっていて、機会があり、ある人にオーラリーディングを受けてきたのです。いわゆる、オーラをみてもらうというもの。彼女はそれまでも簡単な霊視のようなものをうけた体験があったりなどして、私から見ればすごくよく知っていました。その彼女がものすごく興奮をし、それがまた当たっているということで、すっかり巻き込まれた形で「じゃあ私も行ってみようかな」と行動を起こしてしまったのです。で、普段の私にはあり得ないくらいに迅速に電話をし、また予約があっさり取れてしまったことに自分でも驚きました。私はスピリチュアルなことに興味がないわけでもないですが、特に真剣でもないタイプです。所謂、某「オー○の泉」は放送していれば見るけれど、ビデオに予約するでもなし、某E氏の本を買うこともない。数珠をしているのも流行の石のパワーが欲しいわけではなくて、石の名前が彼にちなんでいるとこじつけて何か身につけたかっただけ。そんな感じです。 実際は、仕事のことでかなり悩んでおり、かなり外的要因、内的要因からも岐路に立っていました。そのことについて、知りたい。あくまでそちらがメインでした。その人が霊視もするということも知っていましたが、仕事についてとにかく聞きたいのだと、おそらく心の底ではそちらがメインだったのかもしれないのですが、あくまで今噂のオーラとやらを見てもらって、この先一人で生きて行くだろう人生の指針のようなものを得たい、興味半分、藁をつかむ気分が半分、そんな気持ちでした。 仕事についてのことは詳しく書きませんが、仕事や家族、そのほかの生活についてなどは勿論絡み合って、悪影響が色々出ていて、状態が思わしくなかったということだけ。鬱の人の色、濃い灰色が出てるとのこと。仕事のことなどを話し、かなり思い当たる内容と、こちらの想像もつかないけれど一般の人からは出てくるとは思えない業界の有名人(それも私が特に強く意識しているわけでもない)の固有名詞が出てきたりもし、まだ少し半信半疑ながらも心にすとんと落ちる話しをしました。一段落して「その他に聞きたいことは?」と聞かれ、一瞬考えましたが、彼のことを口に出してしまいました。 (以下、所謂”スピリチュアル”なことに嫌悪を抱かれる方はご注意下さい) 簡単に彼にまつわることを説明し、やはり話していると泣きそうになるのをぐっとこらえていると、「でも、もう居ないですよ」と。正直いって、彼がこの瞬間も後ろに居るのではないかと、ずっと思っていました。少々の恐れも含めて。そんなはずはないとばかりに食い下がる私に、「テレビやなんかで色々やってますけれどね、そうそう生前のままの状態の霊がうじゃうじゃいたら大変ですよ。死後の世界なんて、悪いわけないでしょう。ものすごくいいところだって言うのは魂がみんな知っているんです。たしかに、それを振り切るほどの怨念とかで残る霊だっているけれど、大概はある程度の期間が来たらさっさと成仏するものですよ。だって成仏した方が楽に決まってるんですから」と、ばっさりと。なるほど確かに、と思う自分もいますけれど、3年以上ずっと悩み続けたのがそうそう簡単に解決するわけもなく、禁断のワード、「でも私が殺してしまったようなものだから」、これを口にしてしまいました。 すると、ふと宙を見てある特徴を口にし、「もしかしてこんな人ですか?」と。ほぼあたってたので、「そんな感じです」と答えると、「一瞬すーっと来て『もう成仏してるからー』って言って、すぐ行っちゃいましたよ」と。そのときの私はハトに豆鉄砲みたいな顔をしていたと思います。そう、”そんな風に言いそう”な人でもあったのです、彼は。ものすごくナイーヴでずっといろいろなことを引きずる反面、どこかで吹っ切れると、そんなふうにあっさり言ってのける部分がある人でした。コメディだったら、たぶんわたしはズッコケていたことでしょう。なんだか、ちょっとおかしくなってしまったのでした。 「そんなものですよ」 「そんなものですか」 「あなたが殺したと思っていても、彼はそんな風に思ってないですよ。彼の寿命だったんです。そして、成仏している今は、彼はとても幸せなんですよ」 なんというか、拍子抜けしたような、寂しいようながっかりしたような、そんなもんかなとか、幸せならよかったなあとか。そしてとても、心が軽くなったことも、スッキリしたことも本当です。 ただ、 「そんなにかたくなに周りの人からガードしていたらいけません。今後、色々な出会いがあるし、仕事がうまくいけば更に世界が広がるのだから、どんな人と出会うのかなんてわからないでしょう?」 それはそうなんですけど、彼が私を憎んでいない、それについて納得したとしても、「俺以上に君のことを好きなヤツなんて、今後も絶対いないから」その言葉が覆されるような出会いがあるとは、私には思えないのです。たぶん、その私のどこかで納得できていない気持ちも見えていたとは思います。単純に顔に出ていたでしょうから。「今はまだそう思えなくても、出会うものは出会うんですよ」。 そんな感じであっという間に時間が過ぎ、外に出ると、素晴らしく天気のよい午後でした。何時以来だろうというくらい、明るい空気が気持ちよく感じられました。食事がまだだった私は無意識にか、吹き抜けのガラス張りの明るい静かなカフェを選び、サンドイッチと、普段ブラックコーヒーの濃いのを好む私がグレープフルーツジュースを注文しました。グレープフルーツジュースを飲むと、体のなかまで明るい光が入ったような気がしました。そんなことを考える他愛の無い少女のような自分がまた、おかしかったり。 ああそうかー、なんて思いつつ口が綻んでいたのですが、お腹も満たされ少し落ち着いてきてみると、今度はムカムカしてきました。ずっと悶々と苦しんで、苦しいほどに泣いていたこの年月、周りの人も同じように苦しんだというのに。「成仏したから〜♪」(♪は彼が言いそうな感じのニュアンスを再現してみました)だって!? たったそれだけ!? せっかく気持ちよく食事していたのに、と、ズッコケから反転、怒りがむくむくと。そんな自分にもおかしくなり、スッキリしたりムカついたりニヤケたりを繰り返しました。そして、最終的には「そうか、もう、いないのか。私のそばより幸せなところに、行ってしまったのか」。とても悲しくなりました。私とは違う世界に、絶対に手の届かないところにいることを、あらためて気がついてしまったのですから。 ずいぶん影響されやすい人間だとお思いかもしれません。ころっとだまされやすい人間だとも。そう思います。でも、言われたことのすべてを信じられているわけではないのです。懐疑的だということだけでなく、信じたくない気持ち、こういう体験が初めて、等色々あります。ただ、ものすごいタイミングが重なった、これはそういう時期だったのだろうと思います。楽になりたい、解放されたい。罪の意識の一方、いくらここできれいごとを書き連ねていても、ずっと楽になりたいと思っていたのです。忘れたいわけではないけれど、解放されたいと、どこかできっかけを求めていたのでしょう。自分の気持ちの状態と合わせて、仕事の状況の悪化、いままで周りにいなかったタイプの友人ができ(オーラを見てもらおうなどと思う人)、その人がこのタイミングでオーラを見てもらった。そんなことが重なったことは、偶然ではないのではないかと。彼女ともお互いそんなことを後で言いあいました。 彼が亡くなって間もなくの頃、ある友人に、もしその気があるのなら紹介するよと言われてはいました。その友人のお兄さんが(職業ではないけれど)霊能者ということは前から聞いていて、なんだかすごいらしいことも漏れ聞こえていたのですが、断っていました。彼は話したくないから、死を選んだのだろうからと。そして、自分が、何を言い出すのかわからなかったので、「やってはいけないこと」の筆頭のひとつにしていました。それなのに、オーラを見てもらうのだという名目で、私は、破ったのでした。 気持ちのある部分が、びっくりするくらい軽くなった一方、相変わらず「やっぱり私が」も、「新しい出会いなんていらない」も、あります。単純に彼のいない寂しさは、気持ちが軽くなったからといって無くなるわけではないのですから。でも、「髪をそろそろ切ってもいいかな」と、考え始めている私もいます。 ------------------- 実はもう、2ヶ月近く前の話になります。 時間がたつと、高揚も治まり、また違った気持ちになったりしていますが、長くなるのでまた改めて整理してみようと思います。
|