時折、右側で音がする。 繋がれた機械で生命活動を 確認されているその命の こと切れた瞬間に響く あの機械の異常音に とてもよく似ている。
虚ろな夢をみている。 その最中に 異常音で眼が醒める。 健全になりきれない自分の 藻掻く音だ。 真っ当に生きてやれない それを思い巡ることへの 警鐘だ。
これで済んだと思うなよ。 幸せに生きられると? 紙一重の闇は真横。 あんなに慣れ親しんだ毒に 堕ちないで逸れないで 居られるか?
まるで警告。 もう大丈夫、だなんて。 おざなりに手当てをして 醜く残った傷痕と同じだ。 この身体中 染み付いた悪い癖だ。
静かな夜に 音が響く。 塞ごうとする右手は 傷だらけだ。
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