私は深読みする。

１つ聴けば１０の先を予想する。

１つ聴いて１０理解するといった賢いものじゃない。

ただ、１０通りの先を予感するだけの話だ。

稀にハッピーエンドも含まれる。

本当に稀に、だ。

殆どはマイナスだ。

上手くいく先を予想できる程、プラス思考でもない。


私は深読みをする。

人の心理を読むのが癖だ。

それでいて、理解できていないフリをする。

１つ聴いて１つも理解できていない、

若しくは

１つ聴いて、相手が望むだろう答えを判っていながら

わざと外して１通りだけの答えをしてみせる。

まるでそれしか浮かびませんでしたとでも云うように。


何て理解力の無い。

そう云われたらこっちのもんだ。

物分りの悪い。

そう云ってもらう為の伏線のようなものだ。


私は尽く答えを外してみせる。

外せるのは意図しているからだ。

相手の望む答えを既に理解しているからだ。


何でそうなるよ、と

話を繋げてもらうことが願いだ。

違うよ、だから、と

本当は判りきった答えの説明を聴きたいが為の演技だ。

馬鹿な奴だと笑ってもらえるならそれが望みだ。


私は

深読みをする。

常に１０通りの先を予想する。

そして

相手がいちばん望むだろう答えを知っている。

敢えて知らないフリをするのは

理解のない様を演じるのは

アナタと

少しでも長く

他愛ない会話を続けたいだけの話だ。


マイナス思考が多分に含まれる先読みの中でも

決して

アナタが諦めずに説明してくれることを知っている。

うたた寝をした。
夢をみた。
クラスメイトが、友達が笑ってる。
その中であたしも笑ってた。

醒めた瞬間、痛かった。
こんなにも現実が辛い、と
やっと実感になってあたしの胸を潰した。

何て哀しい夢をみたんだ。
もう二度と一緒に笑い合えないいつも通りの輪の中で
あんなにも楽しそうに笑った自分が

行きたかったよ、本当に。
初めて思った。
なりたい、叶えたい、だけじゃくて
初めて。
皆と一緒に行きたい、って。

さて、

夢の欠片を拾いに。