勝手なことばかりを云っているね。 結局は私が悪かっただけなのに。 もうすぐ3回忌がくるよ。 貴女のことは未だ、 何か長い夢を見ているようだ。 痛み続けるのは何処か たとえ其れがほんの時折 一瞬感じる程度のもので在ったとしても 是程迄に誰かの中に傷みを残せるのなら 私はもう 死んだっていいと思う。
祖母が、精神関係の本を買って読んでいるそうだ。 あの理解の無かった祖母が 精神関連の物事をすべて、狂気のように 恐ろしい物事のように云っていたあの祖母が。 この傷痕を見て、この行為を知って 怖ろしい、と眼を背けたあの人が。
彼女を変えたのは何だろうか。 僅かずつでも、解き解していっているものは何なんだろうか。 幾度に及んだ自殺未遂のせいだろうか。 母がいなくなったからだろうか。 私が、この行為が、私の周囲が、彼女を変えていっているのだろうか。
もう少し早く あと2年早く 貴女が私の味方で在り続けてくれていたなら。 今くれた言葉を、あの日かけてくれていたなら。 私はあれ以上誰も、傷つけずに済んだかも知れないのに。
私は、誰も―
会いたい
会いたいよ
何であの人だったの
何であの人じゃなくちゃ駄目だったの
ねぇ
永遠の約束をしたの
そんなもの無いと笑いながら
でも
永遠の終わりすら見てないの
この世界が終わった瞬間さえ
還して
還してよ
あの温もりを
声を
笑顔を
眼差しを
あの人のすべてを
還して
楽しかったことも 嬉しかったことも どんなに幸せだった日々も すべて忘れてしまって構わない
たったひとつ あの日の記憶さえ 消してくれるのなら
言葉を叫ぶ
君が戻れば
何一つ飾る必要も無い
いつか、の日を夢に見ていた
飾るばかりの部屋で
夢に見るより容易く
手を掴むより難易で
アナタの名を呼ぶことは
そうそう上手くはいかない
|