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2005年05月30日(月) My House

460万円。
上京してから今までの、アパート代の総合計金額。

家賃もつもれば山となる。
1999年に頭金があれば、マンション生活(ローン)で
今の家賃と同じ額を払い続けるなんて選択肢も。ないか。


今日は家賃を払う日。
今の生活でいいから、旅行したい。


2005年05月26日(木) 隠し芸

夜、いつものJR中央線下り
特別快速に乗って新宿〜中野駅を
過ぎたタイミングでアナウンスが流れた。

「お客様にお知らせします。ただ今、中野駅でご乗車頂いたお客様の
スーツが自動ドアに挟まれている模様です。挟まれましたお客様は決して
動かないで、そのまま次の三鷹駅でドアが開くのをお待ちになって下さい。
繰り返します、絶対にスーツを引っ張らないで下さい。ムリに引っ張りますと
電車の緊急停止装置が作動する恐れがあります。三鷹駅到着までお待ち下さい」

満員電車ではよくあることだろうが、ただならぬムード。
緊急停止装置という言葉が、先日の脱線事故を思い出させる。
車掌もあの大惨事を意識してか、妙に取り乱した言い方だった。

会社帰りのサラリーマンが、いきなりFBIに爆弾の解除コードを
任されたような、不本意な緊張感に押しつぶされそうになっているハズ。
車内で本を読みながら、ぼくはどこかの車両で突っ立っている男性に
無責任な思いを巡らせた。頭の中のBGMは映画『SPEED』。


このサラリーマンが堺正章だったらな。


2005年05月25日(水) ジブリ美術館

アニメーションの原理や制作過程は、
大学2年時までにさんざん勉強したつもり。

それだけに三鷹の森ジブリ美術館の展示は
度肝を抜かれた。


コンテ段階に描かれたラフスケッチが最高に美しい。
宮崎駿は子供と老人を描く天才というのは本当だった。
アニメーターの脳みそを覗き見るような感覚が楽しい。

アミューズメントじゃなく美術館なので、
押しつけがましさも過剰なサービスもない。
着ぐるみのトトロがいたら興ざめだっただろう。


そういや愛・地球博のキャラクターもジブリデザイン?
なんて話が出て、やつらのグッズを探してみた。
それは勘違いの始まりに過ぎなかった。

「なんて名前だっけ?モリッコロ?」
「ちがう、キクゾーだよ」「ラーメンかよ」

勘違いは果てしない。
当然、モリゾーもキッコロもいなかった。


2005年05月24日(火) 中島信也氏

久々にお酒を飲んだ。
カシスオレンジを2杯。

CMディレクターの中島信也さんを囲んで
麻布十番で飲み会が行われた。そこで2杯。


「相手のプラス思考」という名言を披露してくれた。
言った先の本人が「ええこと言うなぁ」ってメモしていた。

相手のために何をするのがベストか考えること。
ただのプラス思考じゃなく、相手のプラス思考。
そこが広告とアートの出発点の違いだが、何をするにも大事な視点。


本題は「いいCMのつくりかた」で、かなり突っ込んだ内容だった。

いいCMとは、いい企画を考え、通し、作る。

その過程で最難関とされるのは「通す」ことだと力説された。
この話はCMに限らず、他者を相手にすること全てに当てはまる。
写真を撮る場合も無意識にやっていることかもしれないなぁ。


通す術は驚くほどシンプルでかっこいい解答だった。
とにかく誠実であること。信頼関係を築けば通る、と。

めっちゃシンプルやん。でも簡単ではない。


2005年05月23日(月) 状況デザイン部

土曜は久しぶりに大学の研究室へ。

東大の院へ進学した友達にWeb制作のコツを
教えることになっていた。Dreamweaver MX 2004で。
初めて触るMX 2004は使い勝手がよくなっていて衝撃。

お礼に東大チョコレートをもらった。校章入りチョコ。
天下の東大、こういうグッズを作っても違和感がない。
気づいたら半分くらい助教授に食べられていたけど…。


雑談を挟みながら、ああだこうだと教えるのは楽しいが
1分の雑談もなくレクチャーできる人はプロだと思った。
プロの話には無駄がない(無駄を無駄と思わせない)。


Web制作講習(?)が終わっても、来月に個展を控えるシムと
広告デザインの話で盛り上がった。状況をデザインする、状デ。
いつの間にか23時で、今後3週間でやるべきことが見えてきた。


日曜は寝た。
多額の借金をする夢を見てうなされた。


月曜、今日はCMディレクターの中島信也さんに会いにゆく。


2005年05月22日(日) 木村太陽展



横浜ポートサイドギャラリーにて
木村太陽展を見た。
鼻の作品、目の作品、長縄のインスタレーション。

壁から突き出た無数の鼻のオブジェが、ブルブル震える。
ファッション誌を切り抜いて、モデルの目だけが露わに。
会場に長縄を回すマシンを埋め込んで、タイマーで回る縄跳び。
もちろん、誰も跳んでいない。

いたずら好きの子供がフザけて描いたようなラクガキを
ストレートにカタチにしたかのような、乱暴で繊細な作品。
2000年に見た『低温火傷展』より温かみすら感じさせる。


アイデアで生きている人。素敵。


2005年05月20日(金) WHITE or DEATH

ある女性とユナイテッドアローズで春服を見ていた時のこと。

おもむろに「どっちがいい?」と、
二枚のTシャツを目の前に差し出された。

同じ柄で同じかたち、違うのは色で、ピンクと白。
ぼくは直感で「ピンクかな」と答えたら、間髪入れず

「えーっ?!」

ピンクは却下だったらしい。


やっぱり、女性というのは問題の答えを知っているのだ。
分かった上で「どっちがいい?」などと訊いてくるのだ。

それはもはや質問ではなく、確認なのだ。
そうだ、そうだったんだ。なのに俺は…。

この場合の模範解答は、「あなたはどっちだと思う?」。
質問に質問で返すというのは反則だろうけど、分からない方は
相手じゃなくてこっちなんだから、訊くしかない。お手上げだ。

「えー?!」の直後、もう一回見せてと付け加えたぼくは、
やっぱ白かなぁ、あ、白だね、まちがいない。と復旧に奔走した。


2005年05月17日(火) 雨。

駅前のTSUTAYAでCDを物色していたら
にわか雨がザーっと降ってきて。

ぼくは4階の店舗から、
地上で慌てふためく人の姿に見とれてしまった。

あぁ、洗濯物が濡れてゆく…
と思った時すでに遅し。

色とりどりの人が、蜘蛛の子を散らしたように走っている。
井上陽水の『夕立』が頭の中で流れ出す。空の水が全部落ちてる♪
なんだか知らないけど地上の光景がおかしくて、こういうのを
高みの見物というんだろうなぁと、意地悪な気持ちに浸っていた。

そんな自分にはぐずぐずの洗濯物が罰として待ち構えているのだが、
しばらくは、駅前のコンコースで雨粒に果敢に立ち向かうOLたちや
新聞紙でせめてもの抵抗をしながら走る背広の男を見守ることにした。


2005年05月15日(日) 片腕カンフー

友達のイチ押し映画
片腕カンフー対空飛ぶギロチン
1975年 台湾 93分

一人で見るのもアレだなと思い、レンタルして数日間
彼女を誘ってみたが「ギロチンはちょっと」と拒否され、
返却日の昨日、やっと見た。一人で。

この手のB級カンフー映画は、出来ることなら
複数で見たい。それで「あのシーンは無茶すぎ」とか
口々にツッコミどころを笑って楽しむべき物だと思うから。

でもまぁ、一人で見た。見終わった。
むしろ一人で見た方がいい映画だなぁこれ。

敵がダルシムばりに腕を伸ばしたり、見るからに怪しい侍が出たり、
敵討ちするために人違いの殺人をして「まあよい!」と言い切ったり。
いいのかなぁ…と、無用な心配をしながら最後まで見入ってしまった。

いちばんの驚きは、片腕カンフーが最後の方はあんまりカンフーで闘わない!

飛び道具を鍛冶屋に作らせているし。罠とか張り巡らしてるし。
そんなところを突っ込むのは無粋だ!と言われている気すらしてくる。
闘う男たちの真剣な姿を、ややズレながらも身体を張って表現している。


これはもしや、生活をドキドキさせる作品なんじゃないか。


いや、違うな。


2005年05月14日(土) まじめに物欲

いま、喉から手が出るほど
欲しいと思ってやまないプリンタや
Mac G5は、以前に持っていた物だったり
年と共にスペックアップしただけのものである。

つまり、買う前から「知っている」ものだ。
これが生活に組み込まれることでどんな新しいことが
起こるんだろう?というドキドキするような期待は持てない。

そんな商品は、そうそうない。
この年代でワクワクする新しい物なら、クルマはいいと思う。
生活のスタイルや時間の概念を変えるだけの力があるだろう。
けど、そんなものを買う余裕も必要も今のところ無い。

PX-5500という新型プリンタは、以前所有していた4000PXの
3倍のスピードで印刷が出来るらしい(4000PXは遅い理由で売った)。
最新の2.7ギガG5の処理能力は、うちのPowerBookなど相手にならない。

新機種を買うというのは、より美しい処理を買う以上に、
より速い処理を買うという側面が強い。時間を買うということ。

とは言っても、遅い印刷時間には風呂に入ったりコンビニに行ったり、
レンダリングに時間がかかって仕方ない時には食事や仮眠を取ったり、
それなりに他の用事を済ませることに時間を割けていたのも事実。

…て考えると、どうなんだろ。
日々の生活がワクワクする物に金をかけた方が楽しいんじゃないか?
と思うのは当然の流れのような気がする。


そこで、
クルマ以外でワクワクする物って何だ?
という問いに呆然とする。


:今日買った物:
『CM』小田桐昭 岡康道対談集
『デザインノート』Vol.1
エクセルシオールのココア(s)
3パック680円おそうざい



どのみち、プリンタは今持っていないので買うだろう。
同じ金額で食器洗い乾燥機を買った方が感動するのかな。
すげー!カレーもごはん粒も落ちてる!とか思うのかな。


2005年05月12日(木) 山崎隆明氏

クーポンマガジンのホットペッパーや
タウンワーク、キンチョールのCMを手がけた、
CMプランナーの山崎隆明さんの講義を聴いた。

あの「ケチャップ付いてるやん」「食べました!」の
ナレーションの声そのままに、アイデアの発想法を伺えた。

もうちょっとひねくれた感じの人かと思っていたが、
かなりまっすぐで真摯な(それでいて面白い)人だった。


2005年05月11日(水) 2 meaning

TV『トリビアの泉』で、高層ビルは
60m以上になると「超」がつく。と言っていた。

高層ビルと
超高層ビル。

圧縮されたWeb写真。
ハイビジョン出力の超高解像度写真。

どっちも画像といわれれば同じ。
見え方や情報量の違いは作品の性格をも左右するが、
撮る段階では左右されるべきものではない。

だから日の出ているうちは撮りまくっている。
日が暮れてからが実験。と回り道と読書。

Webのざらついた写真も好きだったりする。
Webなのにざらついたと表現するのはナンセンスだろうか。

graph追加。


2005年05月08日(日) つらつら

彼女が、友達のべーやん

「テイ・トウワってトウ・テイワに改名したらしいよ」

と嘘をつかれたんだとか。
だまされる方もどうかと思う。

___

Webに写真をアップすると、
サーバの容量や見る側の回線速度を考えて
どうしても1枚当たりの容量を軽くしたい。

表示を速く、軽くサクサクと見てもらうには
Photoshopで画質を下げるしかない。

なので、Webに上げている写真は
どこかザラついた質感になってしまう。

でも、例えば音楽もCDよりレコード派の人も
まだまだいるだろうが、Macを介してiPodに収めることで、
大量の楽曲を外へ持ち出すことが出来る。

デジタルは圧縮されることを前提に作られているのだから、
それによって受ける恩恵を考えた方が賢明というものだろう。

レコードを新幹線の中で聴くことは(多分)出来ないし、
うちにある2000曲ぶんのCDを持ち歩くことも難しいのだから。


そんなことを思いつつも、新幹線の中でレコードを聴くような
大がかりなバカをやりたいと考えている自分がいる。

写真をハイビジョンで投影するにはどうしたらいいんだろう、と。


2005年05月07日(土) 瀬戸内海



帰郷の道のり
新幹線で岡山下車
特急『しおかぜ』で瀬戸大橋を渡り
ひろがる瀬戸内海。


中国の桂林と西湖を見てから、
風景を見る目がたしかに変わった。

そこに在るものの成り立ちを想うようになった。

こんなものが目の前にある世界で
18年間も育ってきたことにありがたく思う。


それにしてもこの写真、
手前の島が王蟲(オーム)にみえる。


2005年05月06日(金) ホームグラウンド




短いながらも実家ライフを満喫し、
いつもの夜行バスで帰京を果たしました。

地元の同級生とドライブに出かけたり、
祖父と共に母校の陸上総体を観戦したり、
実家の会社を大掃除したり、充実した五日間でした。

とくに、高校の美術部仲間の3人と
面と向かって話が出来たのは念願叶ったりで。
メールや手紙のやり取りは絶やしたことがなかっただけに、
社会人になりたての3人に地元で会うのは楽しみの一つでした。


なんの取り柄もないド田舎だと思いながら高校卒業と同時に
上京しましたが、意外に発展もしているし、ビジネスチャンスも
なさそうでありそうな、素敵な街に変貌していました(人口微増!)。

でも本当のところは、自分のものの見方が変わったからでしょうね。
その眼を培ってくれたのは東京という土地だったり、大学だったり。

そこにいる人と直に話をしたり。マニュアル車をエンストさせたり。
経験は常に人を変えます。成長しているか?は怪しいけれど。


祖母のお見舞いにもやっと行くことが出来、
帰ってやりたいことが全部できた五日間でした。

trash更新。


2005年05月02日(月) 禁句

帰省してすぐに、
家族全員から「太ったね」を
言われまくり、適度に凹んでいます。

「しかし太ったね」
「それにしても太ったな」
「あれ?太った?」

へいへい。




「どんどん食えよー」
祖父に焼き肉をご馳走になりました。


2005年05月01日(日) 悩みの続き

悩みの話の続き。

「女性は悩みの解答に気づいているし、
話を聞いてあげるだけで満足するもの」

とぼくは言いたいのではない。
そんなこと言ったら話を聞かせてもらえなくなるばかりか、
友達が半減しかねない。それじゃ「カネで買えないものはない」と言って
いろんなところから反感だけを買ってしまった、どこかのIT社長と同じだ。


なにかしらの助言がほしいだけなら、
「俺が的確なアドバイスをしてあげるとなぜか怒られてしまう」
という事態にはならないと思うのだ。そこで「俺」は学ぶ。

”なぜか”の中に「聞いてよ」というメッセージをさりげなく、
かつ確実にくみ取ることができるかどうかだ、と。
どんなに的確なことも、適切でない場合もあるのだ、と。

そういうことです。


今日からGO BACK TO 田舎。
しばし羽を伸ばしてこよう。子供の日まで。




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