思い出の整理
撮った写真をずっとPCに保存していて、プリントアウトをしなかった。
私の持っているフォトアルバムは2000年で止まっていた。
テレビを買い換えるまで、PCを起動しないと見られなかった。
だけど、テレビの画面で見ても、wiiで見ても物足りない。
印刷したものとモニターで見るのとでは色が違う。
思い出なんか必要ない。今からが大切。
写真プリントして、何がしたいの!
何かほかのことで苛々していた彼に怒鳴られた。
子供のころからアルバムをみるのが好きで、撮った写真を
コメントをつけて、アルバムに貼るのが好きだった。
何冊も何冊も。
じゃ、なんのために出かけるたびにデジカメを持ち歩くの?
どうして、プリンターの写真印刷機能を自慢するの?
心の中で叫ぶことが多い。
必ず沈黙に入って数時間は口をきかない。
彼には絶対に話さない。
ネットで何時間もかけてフォトアルバムを探して注文したことも。
プリントアウトした数百枚の写真のことも。
私だけの思い出じゃないのに。
引越し直後、飾った写真立ても彼が何かで怒ったから片付けた。
彼はまるで私といる今を否定したいみたいだ。
だから、一人で整理して、私だけのものにして、彼には見せない。
2007年10月20日(土)
街灯03
彼と探偵ナイトスクープを観た。
画面に出ている「大阪人」の反応は、彼には驚きのようだ。
私にとっては当たり前の受け答えや、探偵=芸能人に会ったときの
平然とした態度。
何年も大阪を離れていて、私自身忘れてしまっている受け答え。
大阪以外では通用しないと痛感している。
彼と話していても、意味が通じない言葉の感覚はもう慣れた。
彼は
(大阪に帰ったら)、治るんじゃない?
とほのめかした。
聞き間違いかもしれないけれど。
だけど、私は自分のことを「うち」とも「あたし」とも言わないし
帰阪したときに乗った電車で、通路をふさぎ声高に話すオバチャンたちが
イヤだった。
きっと大阪に帰っても、それはまたそれで疎外感を感じ
居場所が見つからず、話す相手もおらず引きこもってしまうんだろう。
お医者さんが「しばらく引き篭もったほうがいいですよ」と言った。
原因は初診のときに話したものとは別にあるんじゃないかとも言われた。
彼は休日には出かけたい人だ。
だから、なかなか言い出せなかった。
言うと不機嫌になる。
言ってみた。やはり不機嫌になった。
言わなくてもいいことまで言ってしまった。
山と田んぼは見たくない。
だけど、本当に息苦しくなる。
昔から、山は押し寄せてくるし、田んぼは日本全国どこにでもある。
お米やご飯は大好きなくせに、罰当たりな人間だと思うけれど。
これはきっと、小さいときに無理やり引越しさせられて
水洗トイレが汲み取り式になったり、
アスファルトの道路を10分歩けば到着した学校が
舗装されていないでこぼこ道を、カエルやカメの轢死体や
蛇の抜け殻を見ながら、30分も山道を歩かされたり
テレビでしか見たことがなかった田んぼには、気持ちの悪い生物がいて
ウシガエルがすごい声で鳴いていた体験からだと思う。
2007年10月19日(金)
京都
ICOCAが欲しいから買いに行こう
清水さんから飛び降りるんでしょ
両方とも違うし。
ずっと拒否してたのに、行く気になった。
拒否してたのは、
大阪は行くところじゃない、帰るところ。
京都に行くなら、大阪に行きたい。
ICOCAを買いにだけ、行くなんていや。
行く気になったのは。
数日前に、大阪に帰ろうと思いつめたから。
一人で帰ろうと、新幹線の時間を調べ、宿の予約をしかけたから。
彼に泣かされたから。
京都駅で降りて、電車で伏見稲荷へ。
また戻って、今度はバスで五条坂へ。
電車の中で目をつぶってたのは、声が聞きたかったから。
京都弁、大阪弁。
行きかう人、車内の人、お店の人。
イントネーションが、本当の私と同じだった。
今日は現代建築には興味ない
私がいろいろ話しかけても、彼の関心はお稲荷さんと清水さん。
最高に幸せな気分になれた。
清水さんから祇園、四条川原町から烏丸へ。
帰ってきたい
叫びそうになるのをこらえた。
だって、来られたのは彼と一緒にいるから。
彼と一緒なら、電車に乗れる。
帰り、車の中で泣いてしまった。
少し前から、一人で電車に乗れなくなった。
薬を飲まないと動けなくなった。
お昼に食べたきつねうどんは、私の知ってた懐かしい味。
彼は、とても小さい招き猫を買って、テレビの両端に置いた。
日に2回もおみくじを引くのは、よくないと思うんだけど。
彼は意地になってるみたい。
2007年10月14日(日)
多度大社
以前、テレビで上げ馬神事を観た。
すごいね、かっこいいね。
で、行ってみた。
神事は5月の連休で、今日の参拝客はちらほら。
でも、お伊勢さんに行ったときみたいな、独特の静謐さ。
白い神馬が人参を食べていて可愛らしかった。
この坂を駆け上がるんだ
茶店に入ると、駆け上がった男の子の雄姿が飾ってあった。
みたらし団子を食べたのは、10年ぶりくらいかな。
彼はみたらし団子やおぜんざいがとても好きだ。
彼はおみくじを引くのが好き。
彼に勧められて、文句を言いながらくじをひいた。
出てきたのは一番の番号がついていた。
そしてもらったおみくじは、大吉だった。
私はとても驚いて、彼はとても羨ましがった。
2007年10月07日(日)
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