1年
4カ国にまたがった津波の犠牲者が、日を追って
増えていく。
最初に地震の速報を見た時、身体が硬直した。
津波の映像が繰り返し映し出される。
身勝手な私は、なるべくテレビを観ないようにしていた。

ここの空気は悪く、水は不味い。
だけど、気持ちが元気になった。
風邪は治らないままだけど、毎日が楽しい。
ようやく落ち着いてきた気持ちだから
少しでも、このままの状態を続けたい。

どこで何があるのかわからない。
どこにいても、何が起こるかわからない。
ニュースを観て、自分を振り返り、思う。

今夜は、部屋で焼肉をした。
 この1年、ありがとうございました。

君に言って、乾杯した。

あっという間の1年だった。
去年の今頃を思い出すと、本当に早かった。

1年前の12月、私は一人でいた。
年末年始と働いて、休みを取ったのは2月に入って
からだった。 
いつもと同じようにPCに向かい、テレビもつけずに
年越しをした。

明日の大晦日も、私は一人で過ごす。
君は実家に帰ってしまい、私は悲しいとも
寂しいとも感じない。

初雪の日、私はウキウキと歩いて通勤した。
そして、また明日、雪になるらしい。

2004年12月30日(木)

あの頃と今と
彼から突然電話。

 出るの、早かったね。

 すぐ傍にケータイ、置いてるから。

仕事の問題点や悩みを話すと、即座に反応してくれる。
同じソフトを使っていることがわかったので
話が早かった。

 ようが元気そうでよかった。

彼は何度も嬉しそうに言った。

 ように逢えると思うと、他の女性をくどく気が失せた。

もうすぐ逢えると思うと、気持ちが弾む。
こんなささやかな幸せを糧に、数年間過ごしたんだと
あの頃が甦ってくる。
常時続くイライラと悩みと、瞬間的な幸せを
天秤にかけ、あの頃は、耐えることを選んだ。

 ようはどうなの?

きっと、君のことを聞いているんだとわかりながら

 私が男性をくどくのは、変かな。
と、答えた。

お互いが、誰にも渡さない、誰にも触れさせないと
言っていたあの頃と今は違う。
今は、言いたくても言えない立場なのはお互い様。

だけど、彼に逢うために美容室へ行って
彼に見てもらうために、今できる限りの最上の
私を準備したいと願ってしまう。

辛かったあの頃に戻りたいとは思わない。
彼に追い詰められてるようだと思わせた
あの頃に戻りたくない。

この数日、君が外出している隙を見計らって
彼にメールを出し続けた。
あの頃と違うのは、突然途絶えても、気にしなくなったこと。
謝ることも心配することもない。
お互いがお互いだけを求めて、それでいて我を張っていた
あの頃とは違う。

やまが言った。

 いい人見つけてやるって気持ちもいいと思うよ。

遠慮のような距離感が、やまと私に当然のようにあり
彼との間にも生まれてきた。
元に戻らないよう、自分に歯止めをかけている。

2004年12月28日(火)

風邪
風邪が悪化。
今度は鼻に来た。
例によって君は同じセリフ。
 早く治してね。
言ってる君も鼻声。
頭痛もするし、早目に寝るとしましょう。




2004年12月27日(月)

生活の場
気が緩んだのか、人ごみを歩いたせいか
久しぶりに喉が痛くなった。
話すと咳き込むのに、電話で長話。
相手は、部屋をシェアするのにいいなと思っていた
Sちゃん。
シェアの話をすると、
 言ってくれたら、すぐに飛んで行くのに
と、残念そうだった。

東京に行きたくて行きたくて
今も行くことを夢見ているSちゃんと
とりあえず1回は住んでもいいかなくらいに
しか思っていなかった私。
私のほうが先になるなんておもしろい。
年明けに遊びにおいでと約束した。

イタリアに住む友達からメールが来た。
 ようが遊びにきてくれたら大歓迎。
 観光は車かバスになると思うけど、のんびりできるよ。
 美味しいワインと食事は保証する!

このお誘いも、なかなかいいかな。
東京と同じで、遊びに行くにはいいけれど
 山と海とカーニバルで有名な高級リゾートで、
 確かにいいところだけど、ここも物価が高い!
らしい。

学生の頃、地方から出てきた人の中には
遊びすぎで、親からの仕送りでは足りなくなり
バイトを始め、単位を落とし、身体を壊した人もいた。

いくらでも楽しめ、遊べる場所を
生活の場にするには、それなりの覚悟と開き直りが
必要なのかもしれない。






2004年12月26日(日)

なんだかね
毎夜、PCのふたを開けてああでもない
こうでもないと悩むのに疲れた。
なので、クリスマスに秋葉原初探検。
グラグラのグラフィックボードもどうにかしないと。

イブの夜、君は半分眠りながら
買ってきたお惣菜をつまみ
半眼でシャンパンを飲み
夢の中でケーキを食べていた。
きっと何も覚えてないはず。
さっき、昨日のこと覚えてる?と聞いたら
仕事の話をしたくらいだから。 

洗濯機を購入
LANアダプタを購入
ホットカーペットを購入

君からのプレゼント?
秋葉原までの電車の切符でしょうか。

彼からはグリーティングが届き
やまからはAAのようなメリークリスマスメールが来た。
私からは今日、鬼の目を盗んで作ったカードを
添付して送った。

一人きりで何年も過ごしてきたクリスマスだけれど
今年みたいに妙なものなら、一人のほうがいいかも
しれない。



2004年12月25日(土)

忙しい?
やまからのメールにあった。

 自分だったら、というか一般的には
 一緒に住むと思うけどなぁ。

確かにその通りだと思う。
部屋が狭くても、仕事が忙しくても。
一緒に暮らさないとわかった時に
私は全くがっかりしなかった。

そういえば、今の部屋に合鍵はない。
作りに行くのに、どこへ行けばいいかわからないし
探せばいいのに探そうともしない。
君も忘れてるし、私も忘れてる。

ここに来て、1週間経った。
やることはたくさんあるみたいだけど
合鍵を作る優先順位は、とても低いらしい。
まるで他人事だけど、そんな感じ。
失ったらまずいから、合鍵は必要なのに。

夜中過ぎると挙動不審のPCと格闘する。
なぜか、毎日夜中過ぎると、本体をいじりたくなる。
彼が作ったPCだから、彼にメールを出す。
君は自作機とは無縁な人だし、毎日徹夜で
それどころじゃない。

叔父や叔母に電話して年始の予定を詰める。
叔父が
 困ってることはないか?と聞いてくれた。

 困ってることばかりで
と、答えて笑ってしまう。
だけど、ほんの一言の心遣いがうれしい。
どこかの血の繋がった親が
 貧すれば鈍する 
と、言ってくれたのとは正反対だ。

忙しいのか、なんなのかよくわからない。
今日はクリスマスイブ。
さてどうなることやら。

合鍵を作ってくれる店より、ケーキの美味しい
店を探すほうが先な私。
ホールで買わないけど、気分だけ。

2004年12月24日(金)

雑踏を歩く
今必要なのは、100BASEのアダプタと洗濯機。
それと、もしかしてPC本体。
ネットに繋げられないし、起動自体がおかしい。

年末の雑踏を歩いた。
商売上手な店のお兄さんに呼び止められる。
 どっから来たの?
 
 この辺から

 この辺?

 そう、この辺。

 学生さん?

 それ、言いすぎ。

 違うの?

 少し前に越してきた。

 じゃ、これとこれオマケだよ。

帰省の乗車券を買い、奮発してクリスマス用の
シャンパンも買う。
気分が高揚する。

君に手袋をプレゼントした。
私へのプレゼントは、PCでも洗濯機でもいいよ。






2004年12月22日(水)

劇的な変化
高湿度から低湿度に移動した結果、顔が痛くなった。
鏡を見ると皮膚がボロボロ。
湿度60%に慣れていた私は、喉が渇く以上に
肌に潤いがなくなった。
素顔で生活していたのに、また化粧をすることになった。

自転車で走る光景に全く違和感がない。
誰も私を見ないし、自転車や徒歩が当たり前の暮らし。
とても嬉しい。
人、人、人そしてどこを通っても店や家。
夜、ライトを点けても見えにくかったのに
ライトを点けなくても街全体の照明で明るい。

朝、隣の部屋の目覚ましの音に起こされた。
こんなことも今まではなかった。
人の気配を感じない分厚い壁は、よかったけど。

たばこ屋のおばあさんと話した。
 あったかかったのに、今日は寒くなったね。
 
 ・・・私、もっと寒いところから来たので。

 そう、大変だったね。大丈夫だったの?

 はい、もう大丈夫です。

初めて会う人との何気ない会話が嬉しい。

部屋は、段ボールを片付けないと座るスペースもないくらい
狭かったので、その日のうちに開いてしまった。
24時間営業のスーパーに行く。
役所に行く。
薬局を探す。
あちこち走り回っても不安を感じない。
人がいて、店があって、電柱には町名が書いてある。

不思議なのは、ほとんどの人がダウンを着ていること。
そんなに寒いの?と思う私は、少し北国にいたからだろうか。
気温6度から16度の場所へ。
人のいないところから、人のあふれるところへ。
最高にうれしい。

2004年12月19日(日)

深夜の散歩
深夜零時から3時頃に、夜空を見上げる。
この数日のお気に入り。
目を凝らし、星を探そうとする。
寝静まった通りを歩く。
深呼吸をして、冷気を吸い込む。

昔、訪れた北の果ての大地は、気温が低すぎて
空気は乾燥していた。
ここの空気は、水分を多く含んでいる。

ここへ来てすぐに、炊いたお米のおいしさに
驚いたことを思い出した。
どこにでも売っている米で、赤錆の混じる水だったのに。

1年程前に撮った証明写真が出てきた。
黒のスーツに、流行の髪型だけど
尖った顎、疲れた目。
今はどんなふうに写るだろう。

前の場所では、たくさんの人にお別れを言い
送別会を開いてもらい、餞別を頂いた。
ここでは誰にも知られず、無言で旅発つ。

夜空を見上げるのは、何故だろう。



2004年12月16日(木)

正夢
彼からメールが来ているのに気づかなかった。
風邪が長引いているようで、元気がなかった。
少し話して、ファイルをもらった。

以前はよく、こんなふうに貰っていたなと
懐かしくなった。
違ったのは、一から私は彼に尋ねないで
自分でなんとかしようとしたこと。
少しだけわからない部分を聞いた。
彼のほうは相変わらず簡潔なアドバイス。

君から電話がなくなって何日経つだろう。
私もかけようとしなかった。
前の引越しの時とは全く違う。
電話して開口一番聞いてみた。

 私が誰か、わかりますか?

君は笑いながら、当たり前じゃないと言った。

嫌な夢を見た。
君が私に迫ってくる。
さぁ、今すぐ仕事を始めろ
PCの横に立って、私が仕事するように睨んでいた。
話すと、それは正夢だよと言われた。
すぐにやってもらわないといけないものが山積だよ。

彼に引越しまで、もうすぐだと言っても
ぴんと来ないらしい。
彼にとっては、遠くにいる私が、自分に近づいてくる
くらいにしか感じないのだろう。
他人事なのは仕方ないけれど、前の時もそうだった。

私は仕事したくないし、ここにはいられない。
彼から貰ったファイルで、少し現実逃避してみよう。





2004年12月15日(水)

星空
深夜、外に出た。
何気なく空を見上げると星があった。
すぐに顔を伏せた。
「約束」を思い出したから。

思い切って、もう一度空を見上げた。
ここへ来て、初めて見た星空だった。
満天とまではいかないが、この数年で
初めて見る星の近さだった。

子供の頃、覚えた星座を見つけた。
両手を広げ、深呼吸を一つして
ゆっくり顔を前に向けた。
少しだけ嬉しくなった。

2004年12月14日(火)

危険なのは 身近な人間
また友達からメールが来た。
内容はさておき、彼女からのメールはOEの初期設定だ。
以前の私なら、真っ先に、テキストに設定しなおせと
設定変更の仕方を書いていた。

html形式のメールが何故嫌がられるか
それを知るには、ネットで調べるか
誰かに教えてもらうしかない。
だけど、メールが書けるよ、インターネットで遊べるよ
だけで、PCを手にとった人が大半だと思う。
そんな全くの初心者なら、何故?という疑問すら
持たないはず。
メールソフトやブラウザという言葉すら知らない。

これまで、私はお節介ではなく自衛のために
書ける範囲で、彼女たちに設定変更を教えていたが
この友達には、面倒で教えてなかった。

今回やっと、また書く気になったのは
彼女が頻繁にメールをくれること。
ウィルスが怖い事は知っているのに
セキュリティソフトの類を知らないこと。
・・・・etc
書くとキリがないほど、全く何も知らない状態。
そして、周囲では「みんな光にしてるから、私も
光にしようかと思ってるの」と
接続環境だけは最高なこと。
あれこれ考えて、書くことにした。

以前、イタリアに住む友達から
CCでアドレス変更通知を受け取り、私のアドは
世界発信されてしまった。
その結果は、散々だった。

プロバイダのメアドを、彼女たちに絶対に
教えてはいけないことを学んだ。
ネットで知り合う人たちより、もっと危険なのは
昔からの友達だと改めて思った。


2004年12月13日(月)

身の程知らず
昨夜遅く君が来た。
久しぶりに会った。

 少し痩せた?

 体重は変わってないよ。


親の不機嫌の理由に気づいた。
私たちの部屋だと思っているんだろう。
違うよ。
私だけが暮らす、私の部屋だ。

君が持ってきた洗濯物を洗濯した。
乾かす暇もなく、君は東京に戻った。

君は会社の一角に折畳式ベッドを置き
銭湯に通い、食パンを齧って、毎日を送っている。

私だけのための部屋を探し、仕事をし
私を生かすために奔走している。

親は知らない。
だから不機嫌になったんだろう。
二人で暮らす部屋のために、何故自分がと。

いくつか部屋を内見して

 あの部屋は、ように合わない。

そう言って、次を探してくれた。

自分は会社の一角に寝泊りする。
懸命に働いて、私を生かそうとする。

 ようが言った条件の部屋が必ずあるから
 だから来て

私のために何軒の物件を見てくれただろう。 
あのとき、私が言ったことを覚えているから。

惨めな暮らしはしたくない。
爪に火をともすように暮らして
たった数年、生き長らえる値打ちなんてない。

私には守るべき子供はいないから。
誰かのために生きなければならないわけじゃないから。
何も欲しいものはないし、したいこともない。
だから、こんなふうに思ってしまうんだろう。

例えば、千万単位の毛皮や、億単位の宝石を見た後で
数十万の毛皮や、数万円のアクセサリーはいらない。
いっそ、何も持たないほうがまし。

私はきっと贅沢で身の程知らず。

2004年12月12日(日)

違い
プリンターの調子が悪い。
1年以上使っていなかった。

買い換えたのは、彼といたときだった。
なんのために買い換えたのか、忘れてしまった。
一緒に買いに行くことが楽しかった。
部屋に運んですぐに繋げて、彼は新しいおもちゃに
夢中だった。
楽しそうな顔を見ているのが嬉しかった。

テレビでロード・オブ・ザ・リングを観た。
君は一緒に観たとき、主人公にイライラすると言った。
邪悪なものに魅せられて、惹き込まれそうになる。
破滅しかないと理性ではわかっているのに
惑わされ、魅せられ、破滅への道を選びそうになる。
君はきっと健全なんだね。
私は吸い込まれそうな気持ちがするよ。




2004年12月11日(土)

血液製剤
彼からメールが来た。
旧ミドリ十字の、またもや薬害問題。
 ようは大丈夫?
 
厚生労働省のサイトに行って、公開された
血液製剤「フィブリノゲン」の納入先医療機関pdfを見た。
あのとき、どんな薬剤を使用されたか
引越し荷物に紛れて書類が見つからない。
だけど、数年前の術前の血液検査でも
最近の胃カメラ検査のための血液検査でも
陰性だった。

薬害エイズ問題が表面化した時も
私は引越し前で、バタバタしていた。
だけど、あの頃のような悲壮感も焦燥感もない。
あの時は新聞社にまで電話したんだっけ。
病院に電話しても、不親切でぶっきらぼうな対応だった。
今回のpdfにあったその病院のコメントも、イヤイヤ
書いたような感じ。
相変わらず、人をバカにしている。
私の医者嫌い、病院不信、役所嫌いは
この頃のせいかもしれない。
ミドリ十字のせいで製薬会社も嫌いだから
薬を飲むのも嫌いだ。





2004年12月10日(金)

きっかけ
滅多に覗かないWebメールを覗いた。
50通以上のスパムの件名を見て、何かおもしろそうな
内容がないかと何通か読んだ。
最近のスパムは凝っている。
思わず返信しそうになる内容もある。

今日もそんな1通を見つけた。
偽装されているらしいけど、ナマのメアドで
内容も普通。
そして、昔からの友人と同名で結ばれていた。

ヘッダーを見て笑った。
友人には、ありえないリモホ経由。
それにプロバイダを変えたとも聞いていない。
確かめるには、本人に電話するのが一番だ。
それに、久しぶりに話せる。

30分ほど話した。
もちろん彼女からのメールではなかった。
来週、みんなで集まるらしい。
いつも私のことが話題になると言っていた。
今度はいつ会えるかな。

あのスパムが届かなくて、
「どうしてる?」の件名に惹かれなくて
そして、友人の名前でなければ。
偶然が重なったことで、久しぶりに彼女と話す機会を得た。
スパムも、たまには役に立つ。

2004年12月09日(木)

現実
ここに来て、初めてタクシーに乗った。
行きは、60代のおしゃべり好きな運転手さん。
年配の人の話す方言を聞き取ることは
なかなか難しかったけれど、共通の話題で
君以外と、初めて話せて楽しかった。
帰りは無口な運転手さん。
見納めになる町並みを目に焼き付けた。

最も頼りたくない親に結局頼まなければ
ならなくなり、簡単に入居審査が通った。
こんな親を持つことを、本当なら喜ばなければ
ならないけれど。
予想通り、山ほど嫌味を言われた。
経済的に頼らないことが、残ったプライド。
今回は、気紛れに高額の要求をしてみた。
逆襲された。
そうでなくてもギリギリなのに、また支出が
増える結果になった。
 オマエのためにわざわざ時間を割いて
 私は動かなければならないのか。
いつもそう。
  この私が・わざわざ・動いてやっている。


帰ってきて、彼にメールした。
すぐに返事が来る。
昨夜、彼の夢を見たことを伝えた。

 どんな夢?

 楽しそうに笑ってたよ

 よかった ケンカしてなくて。


彼は君があてにならなかったのを
 
 なんだかな…

と、不満そう。
だけど、今まで実際的なことで、あてにならない
ナンバーワンは彼だった。
君は、部屋の内寸を測り、写真を撮り
仕事の合間に歩き回ってくれる。
私のライフラインであり、私の感情の波に付き合い
私を失うことを恐れる。

望む相手は、全くあてにできず
望んでくれる相手は、精一杯動いてくれ
最も接触したくない相手が、実力の上で
最上だという現実。
現実とは、こんなものかもしれない。

2004年12月08日(水)

ギャップ
友達からメールが来ていた。
電話で話したとき同様、一方的にまくし立てている
印象を受けた。
相手が知らなくても、理解できなくても
自分の言い分だけを言い通し、すっきりしたい。

内容は彼女にとっては重要で
私にとってはどうでもよいことだった。
そこでメールの内容に触れず、受けた印象を
書いたメールを送った。

すぐに返事が来た。
 どうして私の悩みがわかったの?
 ようは理解してくれたんだね。
 愚痴を言える相手ができて嬉しい。

最後の一行で、へこんだ。
私は彼女を理解したんじゃない。
彼女が告げた内容を別の表現で言い換え、
望んでいるであろうことの本質を、推測して書いただけ。

  誰でも悩みはあるし、
  (私はあなたにかまってられないから、)
  それぞれやれるだけやっていこうよ。
と、書いたつもりだった。
括弧内を汲み取って欲しかったけど、無理だったらしい。

誤解して感動したメールに返事をせずにいたら
とんでもない件名のメールが来た。
『事件』
何か大変なことが起きたかと、驚いて読んだ。
がっくりきた。
それは彼女にとっての一大事であったけど
やはり私にとってどうでもいいことだった。
誰かに言いたかったんだろう。
電話でなくてよかった。

自分が思い悩んでいる重大事は、
世間や周囲にとって瑣末なことだ。
このギャップに腹を立てたり、気づかない場合が多い。

2004年12月07日(火)

相性
その行為において、相性があるとすれば。
彼は以前、相性がいいと言った。
言われるたびに、それだけかと消沈した。
付け加えるように、性格の相性もいいと言った。
反対なら受け入れやすかった。
性格が一番で、ついでのように言われたかった。
君との行為を知ってから、彼の言葉が正しいと思った。

技術云々ではない。
愛情の多寡かもしれない。
行為の後で幸せだと、噛み締めるように言った。
何度も無意識に口にしていた。
今は、何もない。

今日、彼は言った。
誰としても満足できない。
ようとでなければ満足できない。

彼の言う「満足」が、私の言う「幸せ」だと思う。
カラダだけでなく、心から充実感を得られた行為。

抱き締められて胸が痛い。
鳩尾が詰まる。
そんな切ない想いは、彼との場合だけだと知った。

知るために、お互いが別の人との行為を経なけれ
ばならなかった。
知ったからこそ、お互いをまた求め合う。

瞬間的な充足と充実だけれど
あの感覚は忘れがたい。

私は彼を求め、彼も私を求めている。




2004年12月06日(月)

年下の友人
テレビを観ていると、Sちゃんの従兄弟が出ていた。
Sちゃんには、以前の職場でとてもお世話になった。
歳はずいぶん下だけど、色んなことを教えてもらったし
食事に行ったり、飲みに行ったりした。
今も、私の次の部屋に遊びに来るのを楽しみにしてくれ
ている。

従兄弟を見て、顔もそうだけど生真面目なところが
Sちゃんに似ているなと思った。
「芸能人になると、とたんに親戚や友人が増える」
誰でもそうだろうけど、有名人と知り合いだとか
親戚だとか言ってみたいものだから。

Sちゃんは吹聴するより、その従兄弟に負けたくない
頼りたくないと、東京に行く時も黙っていた。
 そこまで意識しなくていいんじゃない?
と、Sちゃんに言ったけど、そんな私も滅多に話さない。
Sちゃんが東京にいる従兄弟の話を、誰にも言わないで
と前置きした時、
 そういうココだけの話っていうのは、絶対にココだけの
 話にならないものだよ
と笑って、止めたんだっけ。

部屋を探しているとき、シェアする手もありだなと
浮かんだのは、Sちゃんだった。
プライベートな空間や、生活の時間帯を考えて
結局、言い出さなかったけど。
一緒に暮らすなら君よりSちゃんのほうがいいなと
思った。






2004年12月05日(日)

声の違い
彼と電話で話した。
彼は会社を辞めたので、これからますます忙しくなる。
家での様子を尋ねる。
仕事しているほうがいいらしい。
家にいるとイライラが募ると言った。

私が会いたがっているから
私を気遣って会ってもいいと言ってるなら
嬉しくないと言った。
本心を聞かせてほしいと頼んだ。
○日に会おう。
彼は、きっぱり言った。

君から電話があった。
街の様子や銭湯に行った話。
これからの展望。
荷解きの最中にいきなり仕事が入ったこと。

私の声のトーンが違う。
彼に対する話し方、声。
君と話すときのそれ。

普段何も気にせず、友達とざっくばらんに話す声が
君と話しているときの声。

恋しい相手に、胸が詰まりながら話す声が
彼と話しているときの声。

話の中で、二人に同じことを言った。

どうでもいい。
俺のために生きていてと彼は言った。
どうでもいいことないでしょ?と君は言った。

楽しくない。
俺に会うのを楽しみにしてと、彼は言った。
楽しくなってよと、君は言った。

君との会話は、生活感溢れるもので
彼との会話は、恋人同士のもの。

2004年12月04日(土)

距離感と厭世観
今日も昨日と同じようにメールのやり取り。
短いものばかりで40通を超えたから、
チャットのようなもの。

去年の今頃まで同じようなことをしていたのを
思い出した。
前は、彼専用のフォルダを作っていた。
数ヶ月前に、電話でケンカした時に、フォルダごと
捨てたので、それ以降のものは、他の友人と同じ
フォルダに振り分けていた。

楽しい話題が続くわけでなく
お互いの今の環境・状況から少し距離を置いた
会話のようなメールだった。

君から電話が入り、私の第一候補だった物件に
既に申し込みがあったことを聞いた。
それから一気に気分が落ち込み、彼に出すメールも
ひどいものになっていった。

近い過去のお互い様気分が消え、遠い過去の始まりから
振り返ってしまった。
初めてだと思うが、
 ○○のせいで、私の人生はこうなってしまった。
と書いた。
今までは意識して「せいで」と言う言葉を避けていた。
誰にどう言われようと、二人の間に起こったことだから
どちらのせいでもなく、
どう進もうと彼だけに責任を押し付けないつもりだったのに。

きっと少し前に、周囲の雑音に負けてしまって
自分の意志を押し殺したと聞いて、
あぁ、またか。
それなら、私が待ったのはよくなかった。
もっと強く押せばよかったと感じたからだ。

君が私の生命線なのは確かだ。
私を思って、実際に私のために動いてくれる
人は、君以外にいない。

私が君といるのは、愛情のなくなった夫婦が、
情や惰性や経済的理由で別れないのと一緒かもしれない。
ただ、私はいつもそれを卑怯だと思っている。
だから今回の移転で、何度も別れを告げた。
別れようではなく、一人で行って下さいだったが。

私はどうするのかと、そのたびに問われ
答えはいつも同じだった。
帰って、一人になって、何もせず、終わりを待つ。

今日、彼にも聞かれた。
 なくなったらどうするの?
 何もしない、おしまいにする。

こんな答えを聞いて、じゃさよならだねと
君が言うはずがない。
それをわかっていながら、嘘をつく気になれない。
君のしてくれそうな返事を期待して
わざと拗ねてみせているわけではない。
そんな駆け引きをする気はない。

  生きていればいいことあるよ。
  じゃ、帰るね

これが、彼の今日最後のメール。
暗くなったメールに、とことん付き合う義理はない。
そう思い直して、
仕事中に重いメールしてごめんねと謝った。
付き合っていた頃から、彼からはこんな調子のメールが
多かったけど、それに対して、今の私が怒れる立場じゃない。

いいことあるよ?
いいことなんか何もない
それが私の本音で、ずっと付き纏って離れない気持ち。
そう彼に言わないのは、二人の今の距離感。

2004年12月03日(金)

いつかのように
以前と同じようにメールのやり取り。
深刻なことは書かず、年末年始の予定や
会ったらどうするか。
そんなことを冗談交じりに書いていく。

ほぼ30分おきにメールを受信する。
  どこか行きたいところある?
  ないなら、ホテルに直行するよ。
(笑)や顔文字入りで、どこまでが本音か
お互いわからない。

特定の場所は浮かばない。
だけど、果たせなかった以前の約束を思い出した。
  星空が見たい。
  ドライブしたい。
彼が何度も言っていた満天の星を見てみたい。



 

2004年12月02日(木)

疲れ
久しぶりの肉体労働でヘトヘト。
身体は埃っぽいし、帰りは雨。

彼はストラップを外せないと言っていた。
私も一度捨てたのに、また引き出しに。
彼に言ったら笑ってた。

こうやってまた日記を書いていることも話した。
だけど探さないでほしいと頼んだ。
もう嘘やごまかしをしたくない。

明日の午後、君は一足先に行ってしまう。
私は当分の間、本当に一人っきりになる。
いい機会かもしれない。

2004年12月01日(水)

初日 最新

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