2010年02月15日(月) |
1つだけ言わせてほしい |
今週のワンピースに関する重大なネタバレが書いてあります。 知りたくない方は画面を閉じて下さい。
ポートガス・D・エースが死ななければならなかった理由を誰か教えてください。
先々週だっけ・・・?エースを助けたの。 あの喜びは何だったの。ぬか喜び? これまでずっとずっと長い物語を語ってきたのはエースを助ける為だったのに、ここにきて、何でこういう展開なのか。
ちゃんと助けて貰えなくてごめんな、の台詞が痛い。 サブタイトルの時点で痛かった。
この話を昼休みにスーパーで立ち読みして、読むんじゃなかったと思った。 立ち読みするには辛い話でした。普通に涙目だったよ。
2010年02月14日(日) |
村上春樹「1Q84 BOOK1」 |
お久しぶりです、こんばんは。 最近毎日寝て起きて食って本読んで生きてます。平日は仕事もしてます。 読書時間の確保の為に、オンラインする時間と、ゲームをする時間を削っているので、ここしばらくオンラインするのは日曜のみになると思います。 面倒だとしない可能性もあるけど、1週間に1度くらいオンラインしとかないと、ウィルスバスターとかの更新時間が長くなる一方なのでね・・
何かを買うたびに薄桜鬼が何個買える、という計算をするのが自分でも嫌になったので、思い切って買いました。 送料込で3200円でした。 オクで落として即決価格だったので、この値段。 開始価格1000円だったけどどうせ上がるだろうなって思ったし、他のオク見ても大体3000円は超えてたし、密林価格が3890円だからそれ以下なら何でもいいと思って買った。 ゲームをする気分じゃないのでまだ起動はもとより説明書も読んでないけど、これでもう薄桜鬼換算をしなくて済みます。 もうお前そんなに欲しいなら買っちまえよ、と何度思った事か・・! 本当は、イオンで買いたかったんですが(イオンでしか使えない商品券があるから)イオンに行く気力がありませんでした。 先週の水曜に佐野のイオンに行ったんだけど、ゲームショップを探す気力がなかった。あそこ広すぎだぜ・・! 今週の火曜も行こうと思えば行けるんですが、行く気ないので行きません。
絶対迷宮グリムもアニメイトで限定版を予約してきた。豪華版だったかな、名前は。 アニメイトの独自特典に絵本があったので、それに釣られました。 昔から、絵本の特典に弱いという自覚はある。 君のぞのDVDも絵本が付いてくるからという理由で買ってしまったからな。 紳士同盟クロスも絵本ついてくるから特装版予約しちゃったしな。 買ってもあまり読まないんですけどね。
車検を受けてきました。10万かかりました。 車を持っている人間は、持ってない人間より、余計な出費が増えると思う。これ真実。 しかし、田舎に住む人間にとって車のない生活というのは、はっきり言って無理です。 就職すら、車ないと無理と言われます。車っていうか、免許ね。普通車免許必須の所多いから。 そもそも、通勤自体車じゃないと無理って所が多いんだよね。 私が今通っている所は、行こうと思えば公共交通機関でも通えるし、実際に金曜日に公共交通機関を使って帰宅しましたが、車だと20分で済む所が1時間かかりました。 値段も車だと片道100円かからないんですが(ガソリン代換算。車検とか入れるともっと上がる)公共交通機関だと340円かかりました。 ランニングコストは車の方が高いのかもしれないな・・ そもそも、会社は交通費を出してくれるけど、それはガソリン代であって、車検代などの整備代は含まれていないわけだし。
まぁそんなこんなで、2年に1度の車検のたびにブルーになる、という話でした。 10万ってでかいよ。 ああ、あと、任意保険の更新が年に1度あって、それも数万かかるからね。 約4万かな。今年から30歳以上に出来るから、もう少し安くなるかも。 最初に任意保険入った時なんて6万くらいかかったぜ! 年齢進むと安くなるんですよ、自動車保険って。多くの人にとっては周知の事実だと思うけど。
井上和彦さんのブログを見てたら、FCの旅行で佐野インターを通ったらしいですね。 佐野インターで休憩中、と書いてあったけど、佐野SAじゃないの?って思った。 インターで休憩は出来ないと思う。してると邪魔だよ。 それに、インターの場合、正確には佐野インターじゃありません。佐野藤岡インターです。SAの場合は佐野のみで合ってるが。
そんな私は先週10日に佐野藤岡インターにも佐野SAにも行きました。 今週の火曜も行きます。 13日の昼頃にはここに和彦さんがいたんだわ・・という妄想でもしようと思います。 そうでもしなきゃやってられない。1日往復200kmの運転なんて。道に迷うので移動距離が増えるんですよ。ふふふ。
村上春樹の1Q84を読んでます。 BOOK1を読み終えたので感想を。 4月にBOOK3が出るらしいですね。借り物なので、3も借りて読むと思う。 まだ2も読み終えてないけど。
以下ネタバレもあります。
ものすごく続きが気になる、早く先を読みたい、という気にはならない。 けれど、飽きさせない作りになっていて、途中で止めようとは思わず、最後まで読もうという気にはさせられる。 最初はミステリーに近いファンタジーだと思っていたんですが、物語の骨格自体は冬のソナタも真っ青な純愛物語なんじゃないかと思ってきた。
村上春樹作品って初めて読んだんだけど、文章がすごく特徴的ですね。 一番うざいな、と思ったのが、「私の言った事が分かりますか?」「はい、分かります」といったような会話のやり取りが頻繁にある事。 一人称が「私」から変わったり、「分かります」が「分かると思います」に変わったりもするけれど、こういう相手の理解を確認する会話のやり取りが、もう本当に、ものすごく頻繁に、しつこいくらいに行われる。 他の作品もそうなのか、この作品だけそうなのかは分からないけど、はっきり言ってうざいです。 またかよ、しつこいよ、普通の会話でそんなに頻繁に分かったかどうか確認するのは教師くらいだよ、って思う。 医者とか歯医者も患者の説明に関してそうする事があるか。
確かに、仕事の説明に関する会話も多いから、そういう確認作業が必要なのかもしれない。 けど、会話としてそう何度も登場させる必要はないと思う。 それとも、これも何かの伏線になってるとか? 作者の文章の癖にしか思えないんだけど。
次に思ったのは、この作者は女性蔑視か?って事。 男性が書いているというのはすぐに分かる。作者の名前だけじゃなくて、文章や内容読んで、あ、これ男が書いてるなって分かる。 有川浩は女性の文章っぽいんだよね。名前を見て最初男性だと思ってたんだけど、本を読んで女性だと思った。 逆に村上春樹は名前見ても男だなって思って、文章読んでも男だなって思った。
女性蔑視かなって思ったのは、はっきりとはそう言えないんだけど、文章や記述や描写の細かい所から受ける印象が、男性優位で女性を軽んじてるような気がしてならない。 はっきりと言葉には出来ないんだけど、そういう印象を受ける。 内容として、女性蔑視の内容も出てくるんだけど、物語としての必要性とは関係ない所で、この作者は女性を軽んじてるんだろうなーっていう事を思う。
あくまで私の勝手なイメージなんですが。 少なくとも、この1Q84という作品を読んだらそう思った。他の作品を読んだ事ないので他だと違うのかどうか分からないけど。
軽んじてるとかじゃないのかな。 同人誌の18禁本を例にするなら、女性の描くBL本は作品の受けに対してかなりひどい事をするし、男性の描く男性向けエロ本は、女性キャラに対してかなりひどい事をする。 それと同じ事なのかもしれない。 自分と同じ性別の者には無意識のうちに優しくし、自分と違う性別の者には無意識のうちに冷たくする。ひどい描写も平気で出来る。そういう事なのかもしれない。 同じ男性向けエロ同人誌というジャンルで、レイプ物の場合、男性の描く物は前戯もなしに無理やり突っ込んだりするけど、女性が描くと必ず濡らしてからとかイカせてからとか突っ込む。 女性の場合、自分がそうされたら嫌な事を何となく避けてるんだと思う。男性物というジャンルを描いていても。 商業だと編集の意向が入るから違うけど、同人の場合大体これで見分けられるよ、男が描いてるか、女が描いてるかは。
女性に関する扱いが軽いっていうのは、作品の中でも少し描写されてるよね。 DV被害の女性が出てきたり、女性蔑視のギルヤーク人に関する書物を引用したり、宗教団体の教祖が生理前の少女を強姦しているという描写があったり。 これらの描写は、ギルヤーク人はともかく物語として必要なんだろうと思う。 ギルヤーク人を何でそこに出したんだ。ふかえりに例えてるのかもしれないけど。
上手く言葉にできないんだけど、一番納得いかないのがね、DV加害者の男性を殺す女性の話を書いているのに、その殺し方がすごい理想の殺し方だっていう所。 理想の殺し方っていうか、理想の死に方。そうやって死ねればいいのにっていう死に方。 痛みも苦しさも恐怖も味わわずに、一瞬であの世に送る事が出来る殺し方。 非人道的なひどい加害者を殺すやり方にしては、すごく甘い。甘いっていうか、それ普通に良い理想の死に方じゃないか。 殺人だとばれるわけにはいかない、自殺にも見せかけられない、あくまで自然死にこだわるというデスノート使ったのかよってくらいの自然死に見せかける必要があるからこその殺し方なんだと思うけど、ちょっとこれ納得いかないわ。 被害者の無念を晴らせてないじゃん。 これから先の未来、加害者の影に怯えずに暮らせるだけでいいのかもしれないけど、何でそんなひどい加害者に穏やかな死を与えてあげなきゃならないのか、それが不思議です。 これならまだ、スーパージャンプで連載されている小手川ゆあの漫画「君のナイフ」の方が納得できる。
小さな伏線はちゃんと回収されてるという点は好き。 ちょこっと出てきた描写で、あれもしかしてこれって●●なのかな?って思った事が、ちゃんと当たってるというのは、読んでて気持ちいい。
最初の方のちょっとした描写で青豆が殺人をしている事が分かったり、天吾の手を握った女の子って青豆なんじゃないのと途中で気付いたり、つばさはふかえりと同じコミューンにいたんじゃないのって思ったり、そういう細かい事を予想して、それがちゃんと当たってるというのは良い。 天吾と青豆という同じ年の男性と女性が主人公で、それぞれ1章ずつ進むという話の作り方から、この2人多分知り合いなんだろうなーというのは、最初の2章を読んだ時点で思ったけどさ。
純愛だというのは、この2人が生涯好きになった相手がお互いしかいない、っていう所。 20年間一度も会ってなくて、関わったのは理科の実験でかばったのと、放課後一度手を握っただけ。 それだけでずっと、20年間一度もずっと会ってないのに、ずっと好きでいたらしい。 まぁそれぞれ、体はキレイなままではないけれど。 この純愛(?)の結末がどうなるのかも気になる。一度くらい再会させてあげて、と思う。
細かい表現とか台詞とかは気になるんだけど、物語の登場人物を通して語られる生き方とか信念とかには、共感出来る。 私がずっとそう考えて生きてきた事がするりと文章になっていると、ああこう考えてたのは私だけじゃないんだなーと思った。 そういう台詞がすごく沢山あるんだよ、この作品には。
例えば、思春期の頃は数学だけが自分を救ってくれた、とか。 悩みがあっても数学に向かい合ってる時だけはそれに没頭して、現実を離れて悩みを忘れる事が出来た、とか。
例えば、お茶を飲んで眠くなって転寝をしてしまう、そのまま二度とを目を覚まさないで死ぬような死に方をしたい、とか。
青豆やあゆみのような男性関係も共感は出来るんだ。 誰でもない誰かを必要とする、という気持ちが分かる。 特定の誰かを作る事よりも、知らない誰かと関わる事の方が怖いので、やった事はないけど。
章ごとに主人公が入れ替わるので、話が断片的に続くのがちょっとイライラするかな。 主人公が2人いるからね。 何となく、連載小説のような感覚を味わっているよ。 ちょうどいい所で章が終わるから。
BOOK2の最初の方しかまだ読んでないので、結末がどうなるかは分からない。 何となく、登場人物達は幸せにはなれないんだろうな、と思っている。 青豆の未来には死しかない気がするし、天吾の未来には孤独しかない気がする。 何だこの鬱なストーリーは(笑) 例え未来に死しかないような気がしていても、幸せだと思えるような結末ならいいと思う。
「優しいおとな」も結末は死だったけど、幸せだと思えるような最後だったからな・・・ しかし、この作者は何となくハッピーエンドという事をしないような気がするので、鬱エンドで終わる気もするよ。
読むのに時間がかかるので、結末を見るのはもう少し先になりそう。
2010年02月07日(日) |
有川浩「フリーター、家を買う」 |
家族の再生の物語です。 最初に読み始めた時は、何てむかつくイライラする主人公なんだ、有川作品2冊目にして駄作に当たったなぁと思ったんですが、イライラしたのは最初の方だけでした。
就職したけど3カ月で会社を辞め、1年近くフリーターとして親のすねをかじりまくりでダラダラ過ごしていた主人公が、母親が重度のうつ病にかかったのを機に、心を入れ替えて真面目に働き、最後には家族の為に家を買う、という話です。 うん、ちょっと違うかもしれない☆ 最初の主人公のダメっぷりは目に余りますね。 もう本当イライラした。店長に言葉づかいを注意されてコンビニのバイトを辞める辺りなんて最高にイライラした。 携帯のゲームサイトのCMで「今携帯を充電中だから肉まんが出来上がってるわけがない」って言われるCMと同じくらいイライラした。 あのCM大嫌いです。CMに出てるタレント(?)自体は本当はそういう性格じゃないのかもしれないけど、こいつそういう性格なんだなって思ってしまうくらい嫌い。 話がそれた。
そんなダメ人間っぷりを発揮している主人公ですが、母親が重度のうつ病にかかっている事を名古屋に嫁いだ姉に指摘され、一緒に病院に行き、父親が病気に対する理解がない為に、母親の看病(というか主に薬をちゃんと飲ませる事)を一手に引き受ける事になる。 母親のストレスの原因は環境にあったんだけど、父親が引っ越すことをかたくなに拒んでいる為、主人公は家を買う頭金を貯める為に就職することを決意。自分がフリーターな事も母親のストレスの一部になっているので。 夜間工事のバイトを始め、薬を飲んでいた母親は病状が回復したかに見えたけど、実は夜と寝る前の2回分の薬を飲んでいなかった為、自殺未遂。 父親もさすがに病気を認め、薬の事に関しては協力してくれるようになり、主人公も就職が決まり、最後には中古住宅だけど購入し引っ越しも決まり、めでたしめでたし。 うつ病の治療は長くかかるので、母親は完全回復はしてないけど、多分そのうち笑顔を取り戻すんだろうなーと思わせる所で終わった。
途中大分はしょったけど、思い切りネタバレしてるね。まぁいいか。
近所の人のいじめって怖いなぁ。 無視するくらいなら分かるけど、飼ってる猫の背中をはさみで切ったり、エンジンオイルかけたりとかひどすぎる。 子供に対しても、キャンプの時に山の中に置き去りとか、持ってるおもちゃを盗んで火をつけるとか、賞味期限の過ぎたチョコを大量に食わせる、とか。 陰湿すぎる。
書かれている例は極端だけど、どこの家庭にも起こりうる話なんじゃないかと思います。
仕事人間で家庭の事は顧みず、だけど、母親が自分の思う通りに動かないと怒る、亭主関白な父親。 そんな父親を理解して、自分だけが我慢すればいいと、良妻賢母を演じる母。 唯一の母親の味方で、唯一父親とやりあえる優秀な姉。 何をやっても平均的でダメ人間街道に突っ走るけど、心根は優しい弟。
普通にどこにでもある家庭なのに、誰かが1歩ずつ道を間違えただけで、崩壊してしまうけど、道を少しずつ元に戻るように歩いていけば、再生は可能なんだな・・・ 恋愛要素はほとんどない(でも、少しはある)けど、普通に面白い話でした。 感想で、最初の方が暗すぎるというものがあったらしいけど、いじめとかうつ病とかなんて、こんなもんだよ。普通だよ。 特に暗いとは思わなかった。ひどいとは思ったけど。
この4人家族の中で一番性格が似てるなぁ・・と思ったのは、途中まで悪役っぽく書かれる父親でした。 自分の趣味にはお金をかけるけど家族にはお金をかけたくない、自分が間違っているとは信じたくない、わけのわからないものには手を出したくない、結局自分が一番かわいく他人には冷たい、何かを否定する時にはまずその対象をけなす所から始まるetc・・・ 私じゃん!(笑) 私も誰かをうつ病にかからせたりするのかもしれないな。 その時にはちゃんと病院連れていくけどさ。
拍手ありがとうございました。 レスは専用ページにて。
少し感想を書いたけど、ようやく読み終えました。 最高の物語でした。泣いた。恋愛小説という成分だけではなく、すごく懐かしかった。 幼い頃、ポケット植物図鑑を片手に雑草の名前を確かめながら散歩した日々を思い出しました。 弟と母親と一緒にね。
この本はものすごいドリーム小説ですね(笑) 私がドリサイトをやってるからかもしれないけど、読んだ時の最初の印象がドリでした。 携帯小説で連載していたと後ろの方に書いてあって、ああ、だからかって思った。 ウェブに載せる文章って特徴的ですよね。
普通の会社員の一人暮らしの女性が、自宅マンションの前で行き倒れているイケメンを拾って、段々と恋人同士になっていく。 簡単に言うと、そう説明できるストーリーなんですが、単純にそうだと言いきれないのは章ごとに入っている「狩り」のシーンだと思う。 狩りと言っても、ウサギや猪を狩るわけではなく、食べられる雑草を探して料理して・・という事を、登場人物達は「狩り」と呼んでるわけです。 その料理シーンが本当美味しそうで、食べた事ないのに味まで想像できました。
表紙をめくったすぐの所の、表紙見返しっていうのかな?そこでまず感動しました。 色んな雑草の名前と写真が口絵まで使って4ページ載っているのね。裏表紙見返しにも2ページ分。 懐かしかった。すごく、懐かしかった。幼い頃の思い出が一気にぶわぁって思い出されました。 さっきも書いたけど、うちは幼い頃よく近所を無駄に散歩しては、雑草の名前を調べて覚えてたので、載ってるものも大体は知ってました。 ヘクソカズラは知らなかったんだけど(笑) 私と弟がすぐに「これなあに?」って聞くので、母親は図鑑を買ったらしいです。
そこに載ってる写真の雑草は、全部本編に出てきます。 本編の台詞だと「雑草という植物はない。草には全て名前がある」わけなんですが、まあ便宜上雑草と記します。 本編で草の名前や花の名前が出てくると、どんなんだっけ、とページをめくるのも楽しかった。 どんな花なんだろう、草なんだろうって思った時に、本自体に載っていると、すぐに確認できていいですね。 章タイトルもほとんど雑草の名前で、最後の章だけ違った。
ヒロインのさやかは普通の会社員の26歳。一人暮らしのOLさんです。 オタクでもない、料理や家事が苦手で食事はコンビニなど外食で済ませてる、本当どこにでもいそうなOLさんです。
拾われたイツキは名前以外は一切不明の青年。 でも、このイツキ、ドリーム小説(笑)の相手役としてはもう申し分のない性格でして。 お前、うちに婿に来いって思ったくらい、超理想でした。 何ていうか、私の理想が全て詰まったキャラでした。こんな男いたらすごいよ。
・顔はイケメン ・体は細いのに必要な筋肉はついている ・料理の腕がものすごく良く、素材の味を生かしたあっさり風の味付けですごくおいしい ・家事も万端 ・居候という立場からか、性格は最初は控えめだったけど、言うべき事は言ってくれる ・Hのテクもよい(さやかとの相性の問題?) ・喧嘩した後バイトを休んで、ちゃんと話し合おうとしてくれる(喧嘩の後、話し合おうとしない人は多いです。私含め)
後は雑草の知識が豊富なので、さやかの知らない世界を見せてくれるという面で良いのかな。 基本的に草食系男子なのに、いざという時には頼りになるという、お前本当どんな理想の男だよ、と何度でも言う。
最初は行き倒れてたイツキを同居人として住まわせていたさやかだけど、当然のように恋心が芽生え、嫉妬イベントを経て、恋人になります。 この辺りも少しずつ変わっていく関係と、積み重ねていく思い出と、その辺りの描写が良かった。 名前以外知らないといういびつな関係は維持できなくて、一度別れがあるけれど、ラストはちゃんとハッピーエンド。 もう本当これ、ドリーム小説だ。ものすごいドリだ、と思った。
書き下ろしの「午後三時」も好きです。 いなくなっていた間の樹の物語。 知らない小学生の女の子の前でしか泣けない樹がへたれで良い(笑)
お互い大人だからやる事やってるし、最後も大人の人間らしい結末ではあるんだけど、読後感はものすごく爽やかで、学生物の青春小説を読んだ後のような気分を味わいました。 イツキと一緒に住むようになってから泣けるようになった、とか、一人暮らしの働く女性には共感できるものがあるんじゃないかな。
ドリーム小説、恋愛小説、少女マンガが好きな人にはお勧めです。 特にドリーム小説を読む習慣のある人には、ものすごく受けると思う。 相手の男が好みじゃないって人には受けないかもしれないけど、恋愛部分以外の雑草探しと料理パートが結構長いので、そっちの方で楽しめると思います。
有川さんって特徴的な言葉遣いをする人だな、と思った。 料理をすることを、料る(りょうる)っていうの、初めて見ました。 他にも聞きなれない単語とかあって、それを登場人物の2人が普通に会話の中で使っているのでこれって一般的な言葉なのかと思ったけど、今りょうるって変換できなかったから、やっぱり一般的ではないのかな?
ちなみに全然関係ないですが。 私は2人暮らしですが、未だに泣けない。泣く時は常に一人です。
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