2006年05月13日(土)...理想郷

 何処か、遠くに行きたいな、と思った。知らない街でひっそりと息を詰めて暮らせば今度こそ、誰にも見付からずに幸せになれるかもしれない。そう考えて、視界がぐらぐらと波打ちながらちかちかと点滅を続けていることに気付く。
 拡散された意識と集中するざわめきの中で、ただじっと渦が許容量を越える瞬間を待った。押し寄せる情報に自我を明け渡して、存在が空ろに変わるこの時間を、誰の手にも捕らえられない場所へ行けばきっと、幸福と名付けられるだろう。規定とは違う尺度で測れば、世界は充分過ぎるほどに綺麗に違いない。

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