壁を隔てて、あいつらの話し声が聞こえた。私が50歳くらいになったら、あの場所へ行けばいいんじゃないか。そんな話。私に聞こえていないとでも思っているのだろう。あんな場所、何歳になったって絶対行くものか。この世で最も忌み嫌っている場所なのに。あんな処へ行ったら、私が気がおかしくなって、廃人になってしまう。やっぱり、私の本心なんて、少しも気づいてはいないんだね。