今は写真より動画で思い出を残す人の方が多いのかな。そして、撮るだけ撮ったデジタルデータはいつのまにか、紛れてしまい、又はは、劣化したDVDの中で目覚めないまま、消えていくのかな。
それに比べると、昔は、1枚の写真がとても大切にされていたように思う。古いアルバム。私が生きてきた時代の、私が全然写っていない、私のよく知っている人達が若かった頃の、生きていた頃の写真達。
カメラを意識しない無防備な横顔、満面の笑み、明日も今日と同じ日が続くと疑わない顔。けれど私はこの後を知っている。
夏は陽気でハイテンションな一面のそのかげに、しんとした哀しみを抱いている。
いつか、私がこの世からいなくなって、誰かが私のアルバムを開いて、笑うのかため息をつくのか…。それが夏の盛なら、私はこっそり見てみたい。
草葉の陰…影か?…上手いこと言うよな。
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