2004年12月14日(火) |
アキラバースディSS |
すーすー・・・
オレの首元で規則正しく繰り返される寝息。 息が微妙〜なカンジにオレの首に吹きかかって、それはそれで気持ちがイイ。
「さすがのオレも今日は疲れた〜〜」
今日は塔矢の誕生日。(日も変わったから正確には昨日だけど) ふたりともオフだったから、昼間は街に出掛けてアイツの誕生日プレゼントを買った。
イタリア製のレザーの手袋。 なんかサイズがあるみたいだったから、本人に試着してもらってから買うのがいいかなって思ってアイツを誘った。 こげ茶色で手首んとこにボタンがついてて調節もできるそれを塔矢は選んだ。 うん・・・・なかなかいい趣味をしてるぞ、塔矢♪ オレがメンズファッションの雑誌をよく買ってくるのを一緒に見るようになって、以前よりはファッションというものに目覚めたみたいだなっ。 色もデザインも渋すぎず、かと言って軽すぎず塔矢のイメージにはピッタリの代物だった。
んで、予約してたレストランで食事をしてから帰宅。 軽く一局打ってから、バースディケーキを食べワインを開けて乾杯して・・・・。 そんでもってまあ・・・その後はいつもの様にえっちになだれ込んじゃってぇ〜。
いつもにも増して激しく(何回も)いたしてしまったので、塔矢はバタンキューだ。 そういうオレも 「今日は、塔矢アキラ先生のバースディですので精一杯頑張らせていただきます♪」 って言ったら 「そうか!じゃあ頑張ってもらうぞ!」 とか嬉しいこと言われちゃって、ついつい調子に乗ったのがいけなかったなぁ。 (いや!乗ったのはアイツにだけどっ♪あ・・塔矢も一回乗ってくれたか?!) って脳内トークまで腐れ切ってるな、オレ。 こんなんアイツに聞かれた日にゃあ 「キミは相変わらず下品だな!!」 って言われること請け合いだ。
身体はもうすでにクタクタに疲れ切って眠りたいって思ってるのに、なんか神経が冴え渡ってるみたいで眠れない。 明日も仕事が無くってよかった〜。 ぜってー起きれないぞ、これは。
あ・・・やべ! 塔矢の首筋ンとこ紅く跡がついちゃってるよ。しかもクッキリと! あれは・・・・シャツのエリから見えるな。 あ〜〜明日は怒られンだろーなー。
「一体キミは何回やれば気が済むんだっ?!」
これは数日前の塔矢のセリフ。 言った後で、自分の言葉に紅くなってたのがまたまたかわいかったけど。 けど何だかんだ言ったってオマエだって感じてたじゃん?
「まつ毛、長いよな・・・・」
起きてる時は綺麗な瞳に気をとられてまつ毛なんか大して気にならないけど、こうやって寝顔を間近で見ると伏せられた目のまつ毛の長さがよくわかる。 コイツとこうなるもっと以前・・・・オレはよくこの力強い瞳に睨まれた。
「うわっ!こえぇぇ〜〜。進藤オマエあんなん睨まれてよく平気でいるよな〜。おれだったらマジびびるぜ!」
よく和谷は言ったもんだ。
「そっかぁ?今なんかオレ、塔矢の目って結構キレイなんだな〜とか思ってた」
「うげっ・・・・お前大丈夫?」
だってオレあの頃から塔矢のこと好きだったんだもん。
初めて身体を重ねた時、眠りにつく前にこいつを腕の中に抱き込もうとしたら、ボクは身体を伸ばして仰向けじゃないと眠れないんだ、とかなんとか言って少し離れて寝たんだったっけ。 お初な夜だぜ? もうちっと、なあ?眠りに入るまで引っ付いていたいじゃん。 あんときゃ寂しかった。
でも今は違うんだよな。 こうやってオレにぴたって寄り添って寝てくれるようになった。 身体もオレの方に向けてちょっと丸くなってて、完全熟睡体勢になってるし。 なんかそんな些細な事がすんごく嬉しい。 と思ったら急に「好き」が沸々と湧いてきちゃって、塔矢をぎゅって抱き寄せた。
「んん・・・・ばか・・・・」
え?塔矢サン? 今「ばか」とか言いました?? 寝言??寝言ですか?寝言なんですね?!
なんちゅう寝言だ!
んでもって多分夢の中でソレを言われてる相手って、きっとオレなんだろうな〜。 でもいいんだ。 だってオレは本当に「塔矢バカ」だから・・・・。
「誕生日おめでと、アキラ」
そっと抱き込んで、まだシャンプ−のいい香りが残るアイツの髪にキスを落とすと、睡魔の神様がオレんとこ降りてきたみたいで、オレも心地よく深い眠りに落ちて行ったのだった。
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