カイワレ
誰かと誰かの会話です。

2008年12月05日(金) 委員会

「あ、ねぇ」
「お前は誰だ?」
「いや、それはこっちのセリフだよ。お前、このアパートの住人じゃないだろ」
「いかにもそうだが、それがどうした。ここには私の友人がいる」
「『いかにも』って……。じゃまなんだよ、毎晩毎晩こんだけ大量の自転車」
「なにを言ってるんだ。私が乗ってきたのは一台だけだ」
「えらそうに。ほかのもお前の仲間のやつだろう?」
「いかにも」
「……。とにかくこんなに止められたら通りづらくてたまらん。片付けろ」
「ふん、愚民が……」
「愚民?何言ってんだよ。頭おかしいのか、お前」
「お前みたいなくだらない人間に、私たちの使命の崇高さがわかるはずもない」
「……おまえら、こんな狭いアパートに十何人も集まって何やってんだよ」
「会議だよ。意義深すぎるほど意義深い会議だ。私たちは『最も尊い言葉を創る委員会』のメンバーなのだよ」


 マエ  ゼンタイ  サキ


オクラ [MAIL]

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