white twilight
日々形骸化していくもの

2008年10月28日(火) 灰色のキャンバス

私は絵を描くのが好きだ
好きといのは少し嘘で
縋りたどり着いた先が絵であったというだけの話

その前にすがっていたのが写真だった
廃墟ばかりとっていた
そこで繰り返されたであろう笑い声や
捨てられ行き場をなくした夢達の残滓
それらの気配を写すのが好きだった
それこそ自分そのものに思えたから
 
よせばいいのに、私はそこに救いを求めてしまった
廃墟に人形ではない、少女が踊っていたらいいと
だから描くことを覚えた

だけど私の描く絵は、どこまでも私だった
入れ物でしかない空っぽのそれをどこまでも嫌悪した
 
 
 
 


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高野 砂龍 [HOMEPAGE]

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