2008年09月29日(月)
よく、食卓にあさりのバター焼きが並びました。 フライパンで、あさりを炒めるだけのシンプル料理。 母の得意料理のひとつです。 そして、兄も私も、その料理がとてもとても大好きでした。
バター焼きという名前ではあるけれど、バターが入っていたことは、あまりありません。 あさりから出る塩だけで味付けされているそれは「あさりの塩焼き」というほうが正しいのかもしれません。 それが、兄と私の大好物でした。
でも、困ったことに、あさりは数を数えられます。
兄と私。 一つひとつ、交互にあさりと食べていきます。 そして、奇数だった場合、兄妹喧嘩の元になってしまいます。 いえ、実際に大喧嘩したことも数多く……。
だいたいは、弱者である妹の私が、兄の暴言暴力に耐えかねて、泣きじゃくりながら、兄にひとつ多くあさりを与えてしまうことになるのでした。 そのときに思います。
なぜ、母は最初からあさりの数を偶数にしておいてくれなかったんだろう。
今晩。 久々に、あさりのバター焼きが食卓に登場しました。 相変わらず、バター焼きと称しながら、バターなんて入っていません。 そして、子どものころからの癖は、一向に抜けません。
ひとつ、ふたつ、みっつ……。
兄とふたり、数を数えながら食べたあさり。 今日もついつい数えてしまいました。
そして。
「14個、15個、16個……!」
今日は、偶数のあさり。 喧嘩、しなくて、いい日だね。 おにいちゃん。
おやすみ。
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