僕らが旅に出る理由
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今日で派遣契約終了。 意外にもちゃんとした送別会をしてもらった。 ちょっと感激してしまって、スピーチの時は意味不明な事をべらべら喋ってしまった。でも、普段あまり喋らない派遣の子に、 「感動しました!」 って言われた。ちょっと照れくさい。
先生は送別会の間は普通にしていたけれど、全部片付けが終わって、いよいよ帰るというときに、最後にお部屋へ挨拶に行ったら先生は固唾をのんで待っていて、私が何か言いかけると半泣きになっていた。
20代の人の涙より、70代の人の涙はもっとずっと重い。 泣かれてもどうしようもないから、さらに重い。
また遊びに来ますから、と言ったらそうですね、と言われたけど、うわのそらだった。 そう、たぶん、遊びに来る事はないだろう。これからも訪ねていけば食事くらいおごってくれるだろうけど、そういうことではないのだ。もう仕事で関わる事がないというのは、他で肩代わりできない何かを含んでいる。
家に帰ってから、先生がくれた手紙を読んだ。 泣けた。 何か返事を書こうかと思ったけど、やめた。書いても、それはどこにも辿り着かない気持ちだから。
明かりを消した真夜中に目をみひらいて、見えるものはなんだろうか。 言葉も形も、音もないものであっても、悲しくないような何かであればいいと思う。
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