僕らが旅に出る理由
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2007年12月06日(木) 夜の工場

仕事終わりに初めての道を通った。
上に高速道路が通り、下も4車線の道。向こう岸はだだっ広い市場や工場で、さらにその向こうは海。車の通行量は多いけど、人通りは少ない。
規則正しく照らす水銀灯の他にはコンビニの明かりさえない、そんな場所。

○○建機、という工場のそばを通った。正門は半分閉められ、ガードマンが暇そうに立っていた。門から構内にまっすぐな通行路が伸びて、暗闇の中に消えていた。

その中にあかあかと照らされた工場が浮かび上がっていた。
中が全開になっていて、いくつものクレーンのようなものが見えた。
どれも動きを止めて、今日が終わるのを待っていた。

それは巨大な夜の展示物だった。
鋭い緑の直線が乱れたち、冷たい白い光を跳ね返していた。

ふしぎに清潔で、美しい眺めだった。
打ち捨てられた、恐竜の骨の群れのようにも見えた。
永い歳月に肉は朽ち果て、洗われ、乾いてきれいになっていた。

誰も見ていないのがもったいないような気がした。


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