HOSHI・HARU
日付順もくじ|前のエッセイ|次のエッセイ
↑この図鑑内です
先日、東京・広尾の、蒼庵という日本茶を丁寧に飲ませてくれるお店に行った。 ガイドブックにも載っていて、ネットの中でもある人が目から鱗がとれたというコメントをしていたので、私も楽しみにして行った。 お店に入っていくと、まず清潔感を感じた。そしてカウンターに座ると、奥行きのあるそのカウンターの上に大きな鉄の立派なやかんが置かれていた。 お店の人にお薦めを聞いて、田辺玉露と知覧をたのんだ(2人で)。 お店の人は、丁寧に本当に丁寧にいれてくれた。湯のみと湯注ぎわんで交互に湯を行き来させながら湯を冷ましていく。なんと棒状の温度計をつかって正確に行っている。 私は、まず田辺玉露をのんだ。最初の一口が衝撃的であった。通常、日本茶を口にふくむ際、予測するあのいわゆる日本茶の味とは全く別の味がしたのだ。一瞬何の味か分からない瞬間がありその次の瞬間には、だし汁のようなスープのような味を感じた。今のは 何だ!!!−−−。 それを確かめるために、もう一口、口にふくんだ。今度はやっと味を確認することができた。これは苦味だ。たぶん一口目で感じただし汁のような味は、苦味であったと思う。その苦味は今だかつて感じたことがない苦味であったのだ。だから最初の瞬間、味の判別がつかなかったのだと思う。 三口目を口に含むと、これがきっと玉露の苦味なのだろうと思ってきた。 この苦味をゆっくり味わう余裕がでてくると、この苦味はなかな心地よいものに感じてきた。これが玉露なのか。 私は、とても嬉しかった。これで自分の視野が広まったな! 自分は、視野が広まったなと感じる瞬間が一番好きである。
<追記> 蒼庵は、2004年5月5日に閉店したそうです。すごく残念でなりません・・
|