舌の色はピンク
DiaryINDEXpastwill


2006年09月11日(月) おれがこの世で唯一我慢できんのは 鍵をかけ忘れた小型トランクだ

いまでもよく覚えている想い出のひとつとして
小学校の林間学校かなにかのもよおしの一つに
炎天下のもと山道をひたすら歩かせる鬼教官的イベントがあった。
半日に及ぶ苦行のはて
ようやくゴールへと辿り着き円座を囲む疲れ果てた少年少女たちにむけて
ポカリスエットがボトル一本ずつ支給され、
我々は狂い喜び乱れ舞った。
僕はといえば一気に飲み干して
「こんなにポカリを美味しく飲めたのは初めてか久しぶりだね」と呟いた。
今思えば使い古された言葉だけども
当時は 何気なく自然にでたセリフにしてはこじゃれてるぞ なんて誇らしげだった。

その後、校長先生のありがたいお言葉が児童たちに向けられた際
彼が述べた言葉が
「こんなにポカリスエットを美味しく飲めたのは私は初めてか久しぶりです」
だった。

拍手 そして羨望のまなざしが校長先生に向けられていた。
異臭漂いそうな発汗に満ち
薄汚い脂ぎった微笑を浮かべ悦に浸っている彼に対し
僕は顔面蒼白になりながら
今やかのえらいおとなのシンパと化した級友たちを寂しげに見回すしかなかった。
つねづね油断してはならぬ スパイは視界に潜んでいる
とその時学んだのだった。


幼き時分に得た教訓も虚しいままに
10年近くのときを経た今日スパイにしてやられた。
僕はこの日を一生忘れないだろう。2006年9月のできことだった。
曜日は月曜だった。
一般的には日曜の次の日とされる日のできごとだった。


れどれ |MAIL