One And Only
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同僚さんは非常勤の職員さんなので、月・水・金の週三日が出勤日。
同僚さんを意識し始めてからというもの、 向かいの席での作業が落ち着いてできなかったのでやっていたところ、 18時頃、どさっと目の前の席にヘルメットが置かれたので驚いて見上げると、 いつもとは装いが全く違うライダー仕様の同僚さんが居た。
「5時半に仕事が終わってから、走りたくなって走ってきたんだ。」
どうやら、愛車のNSR250でやってきたらしい。
そんな時、同僚さんと仲が良い人妻のパートさんが来所してきた。 2人で何か話しこんでいて、いつの間にか事務所の外で立ち話に。
もしかしたら、パートさんと会う約束をしていたのかも。
外から聞こえてくる2人の楽しそうな談笑にイライラしつつ、 どんどん湧き上がる嫉妬心に驚きつつも、 早く仕事を終えてさっさと帰ろうと思っているのに、 そんな時に限ってイレギュラーな電話の対応とかに追われる始末で。
他の同僚もいつの間にか帰っていて。 同僚さんも戻ってきていて、事務所に二人きりに。
「今日は徹夜なの?」
沈黙を破るように同僚さんから話しかけてきて、 徹夜したような疲れ切ってる表情してるから、と心配してくれている様子。
朝あった出来事や、悩んでいることを吐き出してみると、 ぽつぽつと答えてくれた同僚さんの言葉に気持ちが楽になった。
仕事のきりも良いので事務所を閉めて外に出ると、同僚さんの愛車を見せてもらえることに。
自慢の愛車とあって、熱心にいろいろ教えてくれる。 私もバイクが好きだから同僚さんの愛車がどんなに素敵か知っているし、 どんなバイクに乗っているのか興味があったから熱心に見入ってしまって、 気づいたら30分も時間が過ぎていた。
ひんやりとした風も吹いているから、半袖の同僚さんも寒そうだったから帰ろうかと話を切り上げようとした時、
「これから、飯、食いに行く?」
と、同僚さんからのお誘いが!
バイクで行くの?と聞くと「車取りに行って家まで迎えいに行くよ」と言って同僚さんはバイクに乗り帰っていった。
NSR250で颯爽と走り去る後姿に見惚れながら、自分も慌ててバイクに乗り家路を急いだ。
家に帰って、慌てて洗顔したり髪型を整えていると「家の前に着いたよ」と同僚さんから電話。
車に乗り込んで、焼肉を食べに行って。
気づいたらまた結構な時間話しこんでいて、家に送り届けてもらったけど、 もう少し一緒にいたくて30分だけのドライブをお願いして走って貰った。
いっぱい伝えたいことがあったけど、上手く言葉にできなくて、 違う話題をふるたびに後悔しつつまた家の近くに来た時に思い切って伝えてみた。
「今日は誘ってくれて嬉しかった。 メールとかお誘いとかしつこくしちゃったから嫌われたかなと心配だったから…」
同僚さんは前を向いたまま、
「ちがうよ、先週はいろいろあったから。 メールの返事は面倒だったから…(笑)」
と。
面倒、っていうのは本音だろうけど、 でも同僚さんはメールが苦手なタイプの人なんだろうって解った気がした。
もしかして、今日事務所に来たのは、私のことを誘いに来てくれた?
なんて、それは自意識過剰だよね。
のぞみ
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