
たとえば君が
世界に見放された
哀れな猫だったとして
吹きさらしの雨の中
ダンボールに縮こまり
こっちをみて なぁご
と鳴こうものなら
すぐさまうちにつれて帰り
嫌がる君をきれいに洗って
ちろさんが残していった
カリカリと暖かい毛布
きゃらにゃんから借りた
ねずみのおもちゃ
いたる限りの贅を尽くして
もてなしてあげる
生まれてきた理由なんて
もう考えなくていい
裏切りにおびえて
暮らすこともない
ただの透明な魂として
今このときを一緒に生きる
ここに居つくかどうかは
君自身が決めることだけれど
わたしの胸の上で
鼻を突き合わせて
眠ることができるなんて
すごい特権だと思うんだけどな