月のしずく・星の欠片
春妃。



 携帯


その人 の着信メロディは

「 even if 」


そしてメールのメロディは


「 Summer 〜 菊次郎の夏 〜 」



当時街でよく聴いていたから。


あぁ、気のせいかな?

でも耳によく残っている。



この2曲を聴くと、


鮮明に


あの頃の二人


を思い出す。


匂い を 思い出す。



二人手を繋いで散歩した街を思い出す。



鮮明に。

鮮明に。







好きだった。


とても とても


好きだった。





どんなに意見が衝突しても、

彼について行きたかった。



その日





急に訪れた訳ではなくて。




二人、言葉にせずとも

こころ の準備はしていたね。



その人 は


もう人を愛する力なんか残っていない。




そう云う。


もうわたしで終わったのだと。





そして実際に今でも 一人 だ。


魅力的な人なのに

一人

を通している。









彼の着信メロディは


「 やわらかな夜 」


メールのメロディは


「 Honeysuckle 」



ただ二人、妹分と一緒にPHSを持っているから、

携帯で話す事は殆どない。










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ふと見せる寂しさは

きっとわたしにだけだろう。



ふと見せる懐かしい感情は

きっとわたしにだけだろう。



ふと見せるやわらかさは



きっと当時のわたし達の

愛情の欠片 が

まだ その人 を縛っているから。


その人 の掌のなかで

まだ眩しく光っているから。



そうやって輝いていられるのは


この先も


わたしだけ



だろう・・・。





わたし達を知らない人に、それだけを言うと

なんて傲慢なオンナなんだ と

言われそうだけれど・・・。




でも事実。







2007年12月12日(水)
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