Skipper Johnの航海日誌

2007年09月15日(土) 80年代生まれは午前結婚して午後離婚する「フラッシュ離婚」

80年代生まれは午前結婚して午後離婚する「フラッシュ離婚」

今年22歳の新郎と20歳の新婦は知り合って1ヶ月で法定の結婚年齢に達し結婚した。午前中に婚姻届を提出した二人は結婚写真について写真館で口論となり、午後3時には離婚手続きを取った。80年代生まれの一人っ子には結婚前の訓練や教育が更に必要との意見がある。
(9月12日付け 人民網)

戦略ポイント:中国の世代間ギャップは大きいか

どの国でも各世代の特徴をうまく捉えて名前を付けたりサービス開発や商品開発に活用したりしていますね。日本では団塊の世代(戦後ベビーブーマー)や、新人類(昭和40年代以降生まれ)とかが話題になりました。最近では団塊ジュニアの世代も話題になっているようです。

中国では昔、「60年代生まれ」と「70年代生まれ」という言い方がありました。60年代生まれは1966年に文化大革命が始まったため、幼少時から文革の影響を受けた世代という意味になります。「70年代生まれ」は1976年に文革が終了し、小学生の頃から80年代の改革開放と共に成長してきた世代ということになります。

最近よく「80年代生まれ」(中国語では「八十後」)という表現がでてきます。これは中国では1979年から一人っ子政策を始めたので、両親だけでなく多くの4人の祖父母や多くの叔父叔母に大切に育てられたLittle Emperors(中国語では「小皇帝」)のような80年代生まれの世代を指しています。生まれたときから社会が豊かになっていて、ちやほやされて育ったため古い世代から見ると80年代生まれにはいろいろと意見があるようです。

この記事も、80年代生まれの若いカップルが引き起こしたフラッシュ離婚の話題です。この記事を書いた人は、若いカップルのノリの軽さを嘆きつつ、再教育が必要ではないかと問いかけています。

何かの本を読んでいたとき、「2千数百年前の古代ギリシャの陶板には『近頃の若いものは全くだらしない』と書いてあった。」という箇所を見つけて思わず笑ってしまいました。年長者から見て「近頃の若いものは、、、、」という感覚は数千年前からあるということなのですね。どの時代にもジェネレーション・ギャップ(世代間ギャップ)というものがあるということなのでしょう。

ITが大量導入されるようになってからは社会の変化の速度も更に加速されているような気がします。時代の変化が速くなれば、若者のフィーリングが変わっていくのも仕方の無いことなのでしょう。しかし、時代の流れというのは表面では速いように感じることがありますが、実際に民族の感情や習慣は表面の変化とは裏腹にゆっくりしたスピードでなければ変わらないものも多く有ります。

例えば、先日も100年前に新渡戸稲造が書いた「武士道」を読み返していましたら、随所に全体主義的というか、周りの目を気にして自らの行動を決めていくような当時の日本人の民族性が書いてありました。これを見て官僚的でコンセンサスを重視しやすい現代の日本人の雰囲気とあまり変わらないかのようです。こういう雰囲気は100年前からあまり変わっていないようで、日本人の本質的な部分は世代を越えて伝わっているのだなぁと再認識しました。

さて、ジェネレーションギャップの話に戻しましょう。80年代生まれの方々は総じて淡白な感じはするものの、正直あまり他の世代と大差はないのではと感じています。世代ごとの共通の特徴を論じていてはまるで血液型性格判断に近くなってしまうのではないでしょうか。個人は人それぞれ、どんな世代にもいろいろな人がいるのだと思っています。


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Skipper John